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呪われたエザリア
信じられない!
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「セイン、エザリアお嬢様は?」
「そこにいるだろ」
と言って、すっと視線を逸らすセイン。
「そこ?そこって誰もいないじゃないか!おまえ俺を騙したのか?」
「騙してない。本当にいるんだよ」
セインが指さした先にいるのは、真っ白い猫だ。
「はぁ?」
文句を言おうとしたスミルだが。
猫と目があい、その違和感に気づく。
「ニャッ」
猫はなぜか文字盤の前に座っている。
『すみる』
白い前足が文字を指した。
その意味に気づいたスミルは、「おおおおおーっ」と叫んで腕にボツボツと鳥肌を晒し、2メートルは飛び退いた。
「なっ、何だこの猫っ!なんのトリックだっ」
なんだかわからないが怖気を感じて目が離せない。エザリアと同じ瞳の白猫が、自分から目を離さないから。
「うん、だからエザリアなんだその猫がね」
スミルはエザリアが考えたようには、この状況を面白がったりはしなかった。
あまりのことにしばらく気絶し、セインが商品の気付け薬を使うまで目を覚ますこともなかった。
「う、うう」
「目覚めた?大丈夫かい?」
「大丈夫じゃない・・・。何言ってるんだよ、おかしいだろう?何故エザリアお嬢様がなんで、なんで猫なんだよありえんだろうがっ」
ソファーに横たわったまま、スミルは呟いた。
「うん、わかるよ。僕にも完璧な猫にしか見えないからね」
テーブルの上から横たわるスミルをじっと見つめている白猫に、セインが話しかける。
「エザリア、僕からある程度話してもいいかな?」
「ニャッ」
猫は一言鳴いてこくりと頷いた。
「うう、頭が混乱する」
「うん、これからもっと混乱するかもしれないんだけど、僕も乗り越えてきたことだから安心して。
まず、この白猫はたぶん本当にエザリア・サリバーだと思う」
スミルは目を見開いて、セインに食ってかかる。
「たぶんってなんだよ、たぶんって!」
「じゃあ、本当にそうってことで」
「はああ?」
「とにかくエザリアが言うには、後妻に呪いをかけられて、ある日目が覚めたら猫になっていたそうなんだ」
スミルは完全にフリーズした。
「おーいスミル、聞こえるかーい?」
目の前で手を振って見ると、少し眼球が動く。意識的にシャットダウンしたようだ。
「スミル?落ち着いたら戻ってきて」
「・・・・信じがたい。どうにも信じがたい。これをセイン、おまえはどうやって信じたんだ?」
気弱そうにくしゃっと笑ったセインは、文字盤を振った。
「僕も最初からすんなりイケたわけじゃないよ。
じゃあ君とエザリアしか知らないことを聞いてみたらどうかな。ああそうだ!エザリアは面倒臭がって差さない文字があるから、わかりにくいことがあるかもしれない。そこだけ気をつけてね」
セインの忠告に、白猫が文句をつけるようパタパタパタと尻尾を打ち付けてみせた。
■□■
お読み頂きありがとうございます。
当面は6時、12時、18時で一日三話更新しますのでサクサク読み進めて頂けると思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
※【最新話を読む】機能を使うと読み飛ばす可能性がありますので、【しおりから読む】をお勧めします。
【お気に入り】にも是非ポチっとお願いいたします(_ _)
「そこにいるだろ」
と言って、すっと視線を逸らすセイン。
「そこ?そこって誰もいないじゃないか!おまえ俺を騙したのか?」
「騙してない。本当にいるんだよ」
セインが指さした先にいるのは、真っ白い猫だ。
「はぁ?」
文句を言おうとしたスミルだが。
猫と目があい、その違和感に気づく。
「ニャッ」
猫はなぜか文字盤の前に座っている。
『すみる』
白い前足が文字を指した。
その意味に気づいたスミルは、「おおおおおーっ」と叫んで腕にボツボツと鳥肌を晒し、2メートルは飛び退いた。
「なっ、何だこの猫っ!なんのトリックだっ」
なんだかわからないが怖気を感じて目が離せない。エザリアと同じ瞳の白猫が、自分から目を離さないから。
「うん、だからエザリアなんだその猫がね」
スミルはエザリアが考えたようには、この状況を面白がったりはしなかった。
あまりのことにしばらく気絶し、セインが商品の気付け薬を使うまで目を覚ますこともなかった。
「う、うう」
「目覚めた?大丈夫かい?」
「大丈夫じゃない・・・。何言ってるんだよ、おかしいだろう?何故エザリアお嬢様がなんで、なんで猫なんだよありえんだろうがっ」
ソファーに横たわったまま、スミルは呟いた。
「うん、わかるよ。僕にも完璧な猫にしか見えないからね」
テーブルの上から横たわるスミルをじっと見つめている白猫に、セインが話しかける。
「エザリア、僕からある程度話してもいいかな?」
「ニャッ」
猫は一言鳴いてこくりと頷いた。
「うう、頭が混乱する」
「うん、これからもっと混乱するかもしれないんだけど、僕も乗り越えてきたことだから安心して。
まず、この白猫はたぶん本当にエザリア・サリバーだと思う」
スミルは目を見開いて、セインに食ってかかる。
「たぶんってなんだよ、たぶんって!」
「じゃあ、本当にそうってことで」
「はああ?」
「とにかくエザリアが言うには、後妻に呪いをかけられて、ある日目が覚めたら猫になっていたそうなんだ」
スミルは完全にフリーズした。
「おーいスミル、聞こえるかーい?」
目の前で手を振って見ると、少し眼球が動く。意識的にシャットダウンしたようだ。
「スミル?落ち着いたら戻ってきて」
「・・・・信じがたい。どうにも信じがたい。これをセイン、おまえはどうやって信じたんだ?」
気弱そうにくしゃっと笑ったセインは、文字盤を振った。
「僕も最初からすんなりイケたわけじゃないよ。
じゃあ君とエザリアしか知らないことを聞いてみたらどうかな。ああそうだ!エザリアは面倒臭がって差さない文字があるから、わかりにくいことがあるかもしれない。そこだけ気をつけてね」
セインの忠告に、白猫が文句をつけるようパタパタパタと尻尾を打ち付けてみせた。
■□■
お読み頂きありがとうございます。
当面は6時、12時、18時で一日三話更新しますのでサクサク読み進めて頂けると思います。
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