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気がつくと私は、本田君達の話の輪の中に、自然に溶け込んでいたの。私は彼らの会話に耳を澄ましたり、時として彼らから意見を求められると、決して積極的とは言えなかったけれど、でも忠実にその質問に答えたりしていた。
もはや私は、話の輪の外のメンバーとは言えなかった。仲間、とまではいかずとも、彼らのメンバーの一人として馴染んでいる事に、いつしか気付いていたの。
これはたぶん私の力、ではなく、本田君たちの優しさに満ちたパワーがなせる技なのだと思った。
彼らの力は偉大だ、・・・少なくとも私にとっては!
… … …
確かに男と女は違う。
男には、いつも私が想像してしまうあんなものがついているし、考え方だって、物の見方だって、女とは違うわ。
でも。
彼らと接するときは、男VS女というよりも、人間対人間(今まで私は、そんな当たり前の事にさえ、気が付いていなかったのだ)なのであって、人間の本質を通じて、ちゃんと分かり合えるようになっているものなの。
あ、でもそのためには最低限の、互いを分かり合おうとする努力は必要だけれどね。
さらに私は彼らの輪の中に交じって、いつしか男と女の違いを楽しんでいる自分自身に、気がつき始めていた。
きっと、『違い』があるということは、元を正せば面白い事なのかもしれない。
分かり合えないもの同士が通じ合った時に巻き起こる、あの感動と呼べない事もない、ステキな感情・・・。
それを今日の私は、ひしひしと心に感じていたの。そして私はいつしか・・・。
(男の人って面白いな。)
と思えるようになっていたのだ。
… … …
私はふと時計を見ると、びっくりして言った。
「あの、すみません、皆さん。もうこんな時間なので、私は帰りたいと思います。」
すると私のその発言を聞いた男性陣は、口々にこう言った。
「えっ、帰っちゃうの?」
と三田君は言い、
「残念だね。」
とオタク青年が言い、
「またおいでよ。」
と三井君が軽~く言った。すると本田君はすっと座席から立ち上がり、
「じゃあ、僕が井上さんを駅まで送っていく。
皆はここで飲み会を続けていて。」
と言うと、
「了解。」
と敬礼をして、ウサギ青年は本田君に同意を示した。本田君は私を見て言ったわ。
「井上さん、行こう。」
「はい。あの、皆さん今日は本当に・・・、ありがとうございました。」
私は深くお辞儀をして、皆にお礼を言うと、(その時の私は本当に、彼らに対する感謝の気持ちで一杯だったの。)彼らは笑顔でそれぞれ、私に対して別れの挨拶をした。
それから本田君と私は連れ立って、店の外へ出ていったのだった。
もはや私は、話の輪の外のメンバーとは言えなかった。仲間、とまではいかずとも、彼らのメンバーの一人として馴染んでいる事に、いつしか気付いていたの。
これはたぶん私の力、ではなく、本田君たちの優しさに満ちたパワーがなせる技なのだと思った。
彼らの力は偉大だ、・・・少なくとも私にとっては!
… … …
確かに男と女は違う。
男には、いつも私が想像してしまうあんなものがついているし、考え方だって、物の見方だって、女とは違うわ。
でも。
彼らと接するときは、男VS女というよりも、人間対人間(今まで私は、そんな当たり前の事にさえ、気が付いていなかったのだ)なのであって、人間の本質を通じて、ちゃんと分かり合えるようになっているものなの。
あ、でもそのためには最低限の、互いを分かり合おうとする努力は必要だけれどね。
さらに私は彼らの輪の中に交じって、いつしか男と女の違いを楽しんでいる自分自身に、気がつき始めていた。
きっと、『違い』があるということは、元を正せば面白い事なのかもしれない。
分かり合えないもの同士が通じ合った時に巻き起こる、あの感動と呼べない事もない、ステキな感情・・・。
それを今日の私は、ひしひしと心に感じていたの。そして私はいつしか・・・。
(男の人って面白いな。)
と思えるようになっていたのだ。
… … …
私はふと時計を見ると、びっくりして言った。
「あの、すみません、皆さん。もうこんな時間なので、私は帰りたいと思います。」
すると私のその発言を聞いた男性陣は、口々にこう言った。
「えっ、帰っちゃうの?」
と三田君は言い、
「残念だね。」
とオタク青年が言い、
「またおいでよ。」
と三井君が軽~く言った。すると本田君はすっと座席から立ち上がり、
「じゃあ、僕が井上さんを駅まで送っていく。
皆はここで飲み会を続けていて。」
と言うと、
「了解。」
と敬礼をして、ウサギ青年は本田君に同意を示した。本田君は私を見て言ったわ。
「井上さん、行こう。」
「はい。あの、皆さん今日は本当に・・・、ありがとうございました。」
私は深くお辞儀をして、皆にお礼を言うと、(その時の私は本当に、彼らに対する感謝の気持ちで一杯だったの。)彼らは笑顔でそれぞれ、私に対して別れの挨拶をした。
それから本田君と私は連れ立って、店の外へ出ていったのだった。
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