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34.停止
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「世界が止まっています」
小川さんはびっくりした顔をして、私に言った。
「えっ、それってどういうこと? 」
「誰かが流れを止めているみたい。とりあえず、停止を解除しますね」
そう言って私は手と指を細かく動かしながら、探りを入れ始めた。
(サイトの停止した感覚が、このサイトの来訪者にも停止を促しているんだわ。そこにまず流れを作る)
(ブロックを外して。かなり固いブロックだな、でも流れ始めているわ。このページに自由の空気を戻す。見ている人達に、自由と流れ、勢いを感じてもらう―。ブロックは念のため、完全に破壊して消し去っておこう。壊して壊して、存在を流して……)
すると小川さんが囁くように言った。
「またチャットが流れ出していますね」
雄大君も言う。
「オーラも強くなっていますよ、水希さん」
「よかった。悪霊のせいではなく、気の流れが悪くなっていただけでした。でも―」
そう言って私が言葉に詰まると、小川さんは私の心の内を代弁した。
「どうして、気の流れが悪くなったんですか?」
その時、私達がパソコンの画面に目をやると、再び画面は真っ暗になっていた。私が素早く調和を探ると、さっきより強固なブロックが置かれている。私はブロックを崩しながら言った。
「誰かが操っていますね。人的な操作でこういうことになっている。ハッキングじゃありません。交流によって生まれる温かい流れを止め、消し去っている人がいるんです」
雄大君が唇を噛んで言った。
「また、あいつか。白井タクヤ」
「多分」
私がそう言うと、小川さんは驚いた顔をして言った。
「えっ、犯人の目星がついているんですか? 凄いな、ならそいつを捕まえる、」
「彼は観衆の一人です。だからぶっちゃけて言えば、何も悪くはない。ただ、人々が自然と逃げていくだけ」
私の答えに小川さんは黒い画面を見ながら言った。
「なら、俺達に打つ手はないってことですか。その白井という人のアクセスをブロック……、いや、不可能か。アクセスなんてどうとでもできる―」
「でも私は彼が作り出す、流れを遮断する壁を、壊すことができます。それをこまめにやっていけば相手が諦めるか、もしくは」
小川さんはびっくりした顔をして、私に言った。
「えっ、それってどういうこと? 」
「誰かが流れを止めているみたい。とりあえず、停止を解除しますね」
そう言って私は手と指を細かく動かしながら、探りを入れ始めた。
(サイトの停止した感覚が、このサイトの来訪者にも停止を促しているんだわ。そこにまず流れを作る)
(ブロックを外して。かなり固いブロックだな、でも流れ始めているわ。このページに自由の空気を戻す。見ている人達に、自由と流れ、勢いを感じてもらう―。ブロックは念のため、完全に破壊して消し去っておこう。壊して壊して、存在を流して……)
すると小川さんが囁くように言った。
「またチャットが流れ出していますね」
雄大君も言う。
「オーラも強くなっていますよ、水希さん」
「よかった。悪霊のせいではなく、気の流れが悪くなっていただけでした。でも―」
そう言って私が言葉に詰まると、小川さんは私の心の内を代弁した。
「どうして、気の流れが悪くなったんですか?」
その時、私達がパソコンの画面に目をやると、再び画面は真っ暗になっていた。私が素早く調和を探ると、さっきより強固なブロックが置かれている。私はブロックを崩しながら言った。
「誰かが操っていますね。人的な操作でこういうことになっている。ハッキングじゃありません。交流によって生まれる温かい流れを止め、消し去っている人がいるんです」
雄大君が唇を噛んで言った。
「また、あいつか。白井タクヤ」
「多分」
私がそう言うと、小川さんは驚いた顔をして言った。
「えっ、犯人の目星がついているんですか? 凄いな、ならそいつを捕まえる、」
「彼は観衆の一人です。だからぶっちゃけて言えば、何も悪くはない。ただ、人々が自然と逃げていくだけ」
私の答えに小川さんは黒い画面を見ながら言った。
「なら、俺達に打つ手はないってことですか。その白井という人のアクセスをブロック……、いや、不可能か。アクセスなんてどうとでもできる―」
「でも私は彼が作り出す、流れを遮断する壁を、壊すことができます。それをこまめにやっていけば相手が諦めるか、もしくは」
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