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30.ひとりごと
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僕は孤独だ。
友達といても、彼女といても、誰かといたって、常に孤立している。それはこの、優れているとも異常ともいえる才能のためだ。
調和よりも才能から先に生まれてきたような人間。それが孤立する最も大きな理由だが、でも、僕に何か間違いがあるわけでもない。
今の世界はとても僕とマッチしている。調和より才能があれば、生きていける時代。周囲は気にしなくていい。僕は流れを変えて、必要な物をいくらでも手に入れることができる。なにも困ることはなく、FLOWを操れる僕は、この時代の神のようなものだ。
僕は善良か。僕は幸せなのか。いや、多分どちらでもないだろう。善良でもないし、幸せでもない。でもそれが何だというのだ。
僕は神だ。
☆☆☆
情とか愛なんて生易しいものは、どうだっていい。僕だけに見ることのできる、新たな世界がある。そここそが、世界の行き着く先、つまり今の流れであることを、僕は知っている。僕は流れの先頭に立つ先駆者でもあるのだ。だから、世界は僕の後を追う。僕を追いかけてくる。
愛は犠牲にすべきものであり、全てを導いてゆくもの、それこそが『流れ』。流れを生み出す僕に、多分人は、世界はひざまずくのだろう。
幸いがなくとも、それこそ未来の姿だ。
あの水希とかいう女は、確かに強い力を持っているが、本来あるべき姿に目覚めていないし、なろうともしていない。自分の力が引き起こすことで、過去に何かあったのか、それともただのバカなのか。
僕は今まで、自分だけでこの力を楽しもうとしていた。流れを操り、人々が戸惑い、壊れてゆく様を見て楽しむ。僕の力を再認識する。
でも僕は神なんだ。
僕は目覚めた。世界の本質は、ただの流れであることを、この僕が教えてあげる。人を、生物を、そして世界を、僕は支配できるのだ。
別にマッドな王になろうなんて思わない。僕は親切なんだ。ただ、真実を教えてあげよう、君達に。眠り続けて、白昼夢や幻影を追い続けている人々を揺り起こし、真実を見せてあげよう。
僕は罪か?
罪なんかじゃない。ただただ正しいだけだ。
白井タクヤはそう思った。
友達といても、彼女といても、誰かといたって、常に孤立している。それはこの、優れているとも異常ともいえる才能のためだ。
調和よりも才能から先に生まれてきたような人間。それが孤立する最も大きな理由だが、でも、僕に何か間違いがあるわけでもない。
今の世界はとても僕とマッチしている。調和より才能があれば、生きていける時代。周囲は気にしなくていい。僕は流れを変えて、必要な物をいくらでも手に入れることができる。なにも困ることはなく、FLOWを操れる僕は、この時代の神のようなものだ。
僕は善良か。僕は幸せなのか。いや、多分どちらでもないだろう。善良でもないし、幸せでもない。でもそれが何だというのだ。
僕は神だ。
☆☆☆
情とか愛なんて生易しいものは、どうだっていい。僕だけに見ることのできる、新たな世界がある。そここそが、世界の行き着く先、つまり今の流れであることを、僕は知っている。僕は流れの先頭に立つ先駆者でもあるのだ。だから、世界は僕の後を追う。僕を追いかけてくる。
愛は犠牲にすべきものであり、全てを導いてゆくもの、それこそが『流れ』。流れを生み出す僕に、多分人は、世界はひざまずくのだろう。
幸いがなくとも、それこそ未来の姿だ。
あの水希とかいう女は、確かに強い力を持っているが、本来あるべき姿に目覚めていないし、なろうともしていない。自分の力が引き起こすことで、過去に何かあったのか、それともただのバカなのか。
僕は今まで、自分だけでこの力を楽しもうとしていた。流れを操り、人々が戸惑い、壊れてゆく様を見て楽しむ。僕の力を再認識する。
でも僕は神なんだ。
僕は目覚めた。世界の本質は、ただの流れであることを、この僕が教えてあげる。人を、生物を、そして世界を、僕は支配できるのだ。
別にマッドな王になろうなんて思わない。僕は親切なんだ。ただ、真実を教えてあげよう、君達に。眠り続けて、白昼夢や幻影を追い続けている人々を揺り起こし、真実を見せてあげよう。
僕は罪か?
罪なんかじゃない。ただただ正しいだけだ。
白井タクヤはそう思った。
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