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桃青

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12.見解

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 ☆☆☆
 私が子供だった頃は、調和がメインの流れだった。ハーモニーが乱れている所、物、生物、人は、もちろん存在したが、その中から異物を取り除こうという健全な動きや、流れがあった。でもいつからだろう。異物を抱えたまま存在し続けようと努力する人を、多く見かけるようになる。大変だろうし、苦しくもなるだろうと私は思うのだが、その人達は何故か固まって、流れに乗ろうとしない。
 リリースしないと辛くなるよと、分かりやすい表現に置き換えて、そういう人々に伝えようとしたことは、何度もある。でも返ってくる答えは、いつだってこうだった。

 リリース(解放)の仕方が分かりません。
 だから、リリースできるはずがありません。

 筋が通っていると言えないこともないが、開放の仕方を一番知っているのは、私でも、神でもなく、その人自身のはずだ。だとしたら何故そのことを、真剣に考えようとしないのだろう。

 私はこの仕事を通じて、そういった人々をあまりに多く見すぎてきた。調和師として力になれることもあるが、調和を放棄する流れに圧倒され、根本的な解決に至ることができず、苦しみは置き去りにされ、悔しい思いを噛みしめたことも何度もある。

 社会的な生き物である人間が、色々なしがらみの中で生きていることは、重々承知している。私だって、バッシングを受けたり、仕事がうまくいかなくて悩みが増大していったなら、案外あっさりどこかから飛び降りたりするのかもしれない。解放の仕方が分からなかった故に。
 それにしても。この漠として漂う諦めの気持ちは何だ。
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