おとぎの世界で

桃青

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みんなの思い

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「お二人とも。あの時光で満たされたような……、気がしませんでしたか? 」
 おじさんの疑問に、二人は考え込みつつ、それぞれ自分の思いを述べました。
「私は明るい場所にいた。それだけは分かるわ」
「私は亡くした友人を思い出していた。彼は……、イエロードラゴンだったが、あいつは美しく光り輝いて、さらなる光の方を―」
「その光が、未来だと思います」
 そう言って、再び私が会話に加わると、おじさんはぽかんとした顔をしてから、私に言いました。
「未来? 」
「どんな状況にある人も、誰もが未来へ向かって進んでいきます。明るかったり、暗かったり、時には悲劇的な未来もあるけれど、光差す方へ進むことが唯一の、正しい未来への進み方……、だと思います。
 人生の道を正しく歩んでいたとしても、時には苦しいことや、辛いことだってあるでしょう。でもあの葉は、幸せになるための道を示してくれました。その道しるべが、光」
 若い女性はうっとりした様子で、柔らかい表情をして言いました。
「そうねえ。私が見た明るい場所はとても幸せだったし、未来がああいう場所だったら、いいわよねえ」
 ブルーのドラゴンも、優しく微笑みながら言いました。
「友人のイエロードラゴンを亡くしたときは、本当に辛かった。でもあいつは、己の人生を歩めと、そうしたら未来は明るいよと、そう教えてくれていたのかもしれないな」
 するとおじさんは場違いな発言をしました。
「ところで皆さん、金儲けの方法を知りませんか? 私の未来のためにまず必要なのは、お金なんです」
 おじさんの現実的すぎる解決法に、女性とブルードラゴンが熱くなって、理想論を語り始めたのを見届けてから、私はその場を離れました。

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