おとぎの世界で

桃青

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会議

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 賢者たちは互いに頷き合い、まず青年と呼べるほど若い男性が、口を開きました。
「シュリの家を見ればわかる通り、事態は混乱を深めていますが、この世界中が混乱しているかというと、そうでもないんです。全く平気な人もいれば、逆にパニック状態の人もいる。この差が生まれる理由は何でしょう」
 痩せた仙人のような風貌の老人が、ゆっくりとした口調で話しました。
「時代に合う人、合わない人の差じゃろう」
 灰色の翼を持つ、ほっそりした姿のドラゴンが口を挟みました。
「それは、今の時代が、我々を選別しているということですか? 」
 仙人老人が答えました。
「というよりも、我々が、時代に合うようになる必要があるということじゃろう。まあ、それが一日は二日でできるものはそう多くないと思うがの」
 まばゆいばかりの明るい美しさを放つ中年女性が、さらに言います。
「変容をし始めた時代に突入しているんですよ。だからおとぎの世界の者も、それに合わせて、変容するしかないんです」
 がたいのいい、耳がピーンと尖った中年男性が言いました。
「すでに変容しつつある人と、そうでない人がいる。ならば我々が、生き物たちを救うためにできることは何だろうか」
 その時、シュリはふっと私を振り返って言いました。
「トイ」
「はい」
「何か私たちに言いたいことはありませんか。あなたは何かを知っている気がするのです」
「実は、……あります」
 そう言ってから、私は賢者たちに向かって話し始めました。
「私はさっき、カベーに会ってきました」
 そう言うと、賢者全員が、ん? という顔をしたので、私は説明を加えつつ話しました。
「カベーが何なのか、私にもよく分かりません。生き物のような、神のような、妖精のような……。とても不思議な存在です。そんな彼が予言をしました。このおとぎの世界についてです」
 皆が、おぉとか、まぁとか、小さな声を上げ、驚きを露わにしましたが、私は話し続けました。
「光が消える。変化が起こる。生まれ変わる。終わりがやってくる。始まりもやってくる。大丈夫だけど、大丈夫じゃない。
 もっと分かりやすく言うと、光が消えて、一旦世界が停止して、また動き出すんです、新しく輝きだした光に向かって」
 頭が馬の、人間だか動物だかよく分からない賢者が、皆の気持ちを代弁するように言いました。
「そのカベーとやらの言葉通りのことが、本当に私たちの世界で起きるのかい? それともそれは、何かの例えなのか、トイさん」
「私も正確には分かりません。ただとても大きな変化がこの世界に訪れるようです。その時に、私たちを助けてくれるのが、この草です」
 そう言って、私は袋から光る草を取り出しました。まだ草はほんのりと発光しています。さらに私は言いました。
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