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救いはどこに
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帰り道を歩き始めても、私は周囲の優しい自然の力さえ感じ取ることができないほど、余裕を無くしていました。大好きな植物たちも、青い底知れぬ美しさを持つ空も、今の私にとっては意味などありませんでした。
(父と、特に母から、ああやって責め立てられたときに、私は錯乱して、家から飛び出した。台風の夜のことだった)
(家を出た後の私の記憶はめちゃくちゃで、びしょ濡れになりながら何時間も外を歩いていた所を、ハルさんに保護された)
(あの出来事から随分経ち、今の私は錯乱をしていないけれど、自分が存在していい理由がどこにも見当たらない。本当に、本当に、黒い気持ちになっている。
もう消えたい。……消えられたらいい。それが一番いい方法―)
「シュリだ」
私は突然声に出して言いました。シュリが、『何かあったら私の所へ来なさい』と言ってくれたことを、その救いの手を、思い出したのです。
涙も苦しみも悲しみも絶望もない。
ただ私は全力で、私の存在を否定する―。
「シュリ……」
もう一度私は呟きました。彼女に何を求めているのか分からないけれど、会うべき時は今だという思いだけが、確かに存在していました。
朦朧とした意識の中、私はただただシュリの家を目指して、歩き始めました。
(父と、特に母から、ああやって責め立てられたときに、私は錯乱して、家から飛び出した。台風の夜のことだった)
(家を出た後の私の記憶はめちゃくちゃで、びしょ濡れになりながら何時間も外を歩いていた所を、ハルさんに保護された)
(あの出来事から随分経ち、今の私は錯乱をしていないけれど、自分が存在していい理由がどこにも見当たらない。本当に、本当に、黒い気持ちになっている。
もう消えたい。……消えられたらいい。それが一番いい方法―)
「シュリだ」
私は突然声に出して言いました。シュリが、『何かあったら私の所へ来なさい』と言ってくれたことを、その救いの手を、思い出したのです。
涙も苦しみも悲しみも絶望もない。
ただ私は全力で、私の存在を否定する―。
「シュリ……」
もう一度私は呟きました。彼女に何を求めているのか分からないけれど、会うべき時は今だという思いだけが、確かに存在していました。
朦朧とした意識の中、私はただただシュリの家を目指して、歩き始めました。
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