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星花こぼれ話その三 ~一つが終わり数多が始まり~
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「……行ってきます」
絞り出すようなあの娘の返事。背を向けたままのあの娘の応え。強気で芯がブレないあの娘が、芯をずらして背を向ける。私を見ないで言葉を紡ぎ私を見ないで言葉を貰う。あの恵が。まっすぐな恵が背を向ける。そんな事今まで一度だって無かったのに。
「ええ。しっかりね」
私はそれに負けずに言えただろうか? 応えられただろうか? 震えた声ではなかったか? ……心の底から見送れていたか? …………諦めたふりをしていないか? ……ちゃんと、踏ん切り、出来ての、言葉、か?
「……」
小さくなってゆく【親友】の背中を見つめ続ける。乱雑気味に切られた、少しだけ薄めの黒い髪の毛も見続ける。揺れてふわりふわりとさらさらと揺れ動き、背中はどんどん小さくなって……離れの廊下はそんなに長くはないし、曲がってしまえばすぐに見えなくなる。すぐに、もう少し長く、見ていたい。あの娘の背中を。背中を……背中を? 本当に背中を見たい? どこかで、振り向くのを待ってやしない? ねぇ私?
……確かに、私は、恋心に進む前に敗れ去ったんだ。こんな時、例えば恵なら迷わず後ろから追いかけて追いかけて追いついてくる。それを今、私は出来ていないのだから―――――……・・・・・・ ・ ・
「美沙」
振り向くとそこには、冷泉今日風部長の姿。その姿に少し驚く
「……部長……?」
軽く、ではなく、本当に申し訳ないような顔をしているのが印象的だった。他人の恋路のこんな成り行きなんて、面白い物好きの部長ならエサにこそしようモノであって、そんな顔をする対象じゃないと思っていたのに。……そんな顔も出来るんだ。
「美沙には、少し酷だったわね」
「……」
嘘じゃないと言えば、確かに酷な役回り。鞄は美沙が届けてちょうだい、と言われなければ、京子が渡していたのだから。ただ、その場合、私は沙姫と二人であの娘を押し出して、どんと背中を押して送り出し、良かった良かった爆発しろーと言い合って、それでおしまい、だった。
(……)
それで、お終い。で、私はそのまま過ごせるだろうか? 過ごせただろうか?
「……いえ、きっと、必要、でし……たっ」
「そうよ、美沙。……あの娘にも、必要なのよ」
部長の言葉にはっとして、彼女の方を向いてみる。いつの間にか隣に寄り添うように、支えるように背中に腕を回されて、倒れないようにと添うように支えてくれている、彼女の方を向いてみる。顔を見る。違う顔なのに、あの娘じゃないのに、恵じゃないのに、心に温かいものが触れてくる感じがして、ふわりとじわりと染み込んで……
「ひっどい面よ、美沙」
「……しょっが……ないじゃぁ…・・ないでっすかぁ……・・・っ」
その顔の主に、ぎゅっと抱きしめられていく。大きな泣き声は、柔らかな部長の胸にしまわれた。ああもう、こんな時でもエロい女だ。人の顔を、後輩の顔を、落ち込んでる後輩の顔を胸に抱き寄せるなんて、もう……
――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
もう少し、上手く出来なかったものだろうか。
わたし自身は不器用ではなかった筈なのに、この二年二人が揃って不器用で、序に十も不器用なものだから、どうにもタイミング、かみ合わせがズレてしまったか。二人共、触れさせるにはこじらせ具合が少し強く、少し進みすぎていて、少し遅かった。特に美沙。恵程に他の空気、外の世界で生きていない。生粋の星花女子は、存外か弱い事が有る。二年五人とも芯が強いにしても、恵と沙姫は格別だ。……その差異も含めて考えれば、五日六日目あたりがよろしかったが……恵が来なかったのだから致し方なし、だ。
「ほら、胸貸してあげるから」
「うぐーぅ……」
なので酷。恵の都合で酷な役回りになった形の美沙。だからどんどんがんがんじゃんじゃん大泣きするのは全然良し。けれど、美沙の泣き声を部室まで届かせる訳にはいかない。お前ほど大きくなくても、防音くらいの効果はあるさ。ただ……ぐちゃぐちゃに涙やらで濡れてて、割りとベタベタして熱い。熱い。その熱さが、彼女の無念の表れでもあるのだから、しっかり受け止めてやらないといけない。けれど、それを知らせるのは、美沙に更に悪いのだ。……と、可愛い後輩を庇ってみても、言い出す前に終わったのだから、只のヘタレと言われれば、残酷ながらその通りで。恵側を結局待つしかしなかったのは美沙なのだから、やっぱりヘタレと言われればその通りで。そしてあいにく、美沙にはお時間もないのだ。ちゃんと糧にしてくれないと、おねえさんまたポロシャツ一枚ベトベトにしちゃうからなー
「よしよし、恵好きだったのね」
「……う゛ー………・・・・・・」
「よしよし……」
「わ゛か゛ん゛な゛い゛て゛す゛ぅ゛ー………」
よしよししながらポロシャツが良くない良くないと悲鳴を上げている。美女女子高生の涙とかよだれとかハナとか汗とかが染み付いた結構マニアックなポロシャツ。……これ、需要あるんじゃないかしら? などと変なことを考えながら、ひたすらあやす。このポロシャツ美沙ファンに売ったらいくらになるかなー、とかも考えついたりもするけれど、さすがにやらない。後輩の体液入りシャツを売り飛ばすなんて、わたしはそこまで堕ちてない。
さて置き、美沙も恵も自覚があまり芽生えてないだろうけれど、芯が強くて面白美人な二人は割と茶道部に限らず後輩から人気なので、冗談抜きで立ち直ってもらわないと、この後きっと、美沙はとっても混乱する。何せ、恵と付き合ってるという疑惑がついて回っていたから後輩たちが静かだっただけで、付き合ってないことが知れ渡ったらどうなるかなんて火を見るより明らかだ。間違いなく告白に特攻する後輩たちで溢れかえる。差し当たって直ぐ近くの茶道部とか毎日ほぼ顔を出す茶道部とか美沙が指導を行う茶道部とか茶道部とか茶道部とか。……今だって、部室で絶対、京子が先導して沙姫が扇動して一年たちがアタック慰めと待ち構えていて、ついでに良子が頭抱えてる筈だ。
その真っ只中に、美沙は今から帰らないといけないのだから、デート相手が一人と決まっている恵以上に美沙は今日難題なのよ? ほら、さっさと立ち直りなさい。立ち直らないと美沙ファンクラブとやらにわたしが泣かしたクズみたいに見られるし。まぁその手の添えモノ達をいじるのも良いのだけれど、真剣な恋路は弄りたくない。その線引きは、生涯変えるつもりはない。
「美ー沙」
「な゛ん゛て゛す゛か゛……ずびっ」
きたない。きれいな顔なのにきたない。はい、ちーん。
「ひっどい面よ、美沙」
「うー……」
鼻をかませたら、そこが少し恥ずかしかったのか、ぽすっとぽむっとわたしの胸に顔を埋めてくる。やれやれ、もう少しだけ、このでっかい後輩に抱き付かせてあげましょうか。とは言っても、こんな状態で美空が来たら、こんの後輩泣かせたゲス不倫野郎がぁーーーーっ!! とかなじられて蹴られてぶん殴られてふんづけられそうだから、早めに立ち直ってほしーな―。びくびく。うちのふくちょうはこわいのです。
恋仲の副部長を想い部活を連想し、ちらりと、その部室の方向を見やると、こっそり見えるは着物の端っこ。帯の端。あの色は一年生の着物。それでクスリと笑顔がつい溢れる。中々戻って来ないわたし達を待ちきれなくって、様子を窺っているあの一年小娘は、はたしてどんな心持ちかしら? やっぱり、わたしは、わたしだな。ああいう初々しい行動、捨て置けないのがわたし、冷泉今日風なのだから。
「美~沙」
「うー・・・…なんですか……」
「赤ちゃんつくらない?」
「ぶーっ!?」
「なっななんっ!!? な゛ーーーっ!!!?」
美沙の噴出とともに慌てて叫びながら割って入りにくる一年生。そら出てきた釣られたやって来た。ああ、心底楽しい。さぁこの後輩少女、他の部員達よりも、一歩リードができるかしら?
絞り出すようなあの娘の返事。背を向けたままのあの娘の応え。強気で芯がブレないあの娘が、芯をずらして背を向ける。私を見ないで言葉を紡ぎ私を見ないで言葉を貰う。あの恵が。まっすぐな恵が背を向ける。そんな事今まで一度だって無かったのに。
「ええ。しっかりね」
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「……」
小さくなってゆく【親友】の背中を見つめ続ける。乱雑気味に切られた、少しだけ薄めの黒い髪の毛も見続ける。揺れてふわりふわりとさらさらと揺れ動き、背中はどんどん小さくなって……離れの廊下はそんなに長くはないし、曲がってしまえばすぐに見えなくなる。すぐに、もう少し長く、見ていたい。あの娘の背中を。背中を……背中を? 本当に背中を見たい? どこかで、振り向くのを待ってやしない? ねぇ私?
……確かに、私は、恋心に進む前に敗れ去ったんだ。こんな時、例えば恵なら迷わず後ろから追いかけて追いかけて追いついてくる。それを今、私は出来ていないのだから―――――……・・・・・・ ・ ・
「美沙」
振り向くとそこには、冷泉今日風部長の姿。その姿に少し驚く
「……部長……?」
軽く、ではなく、本当に申し訳ないような顔をしているのが印象的だった。他人の恋路のこんな成り行きなんて、面白い物好きの部長ならエサにこそしようモノであって、そんな顔をする対象じゃないと思っていたのに。……そんな顔も出来るんだ。
「美沙には、少し酷だったわね」
「……」
嘘じゃないと言えば、確かに酷な役回り。鞄は美沙が届けてちょうだい、と言われなければ、京子が渡していたのだから。ただ、その場合、私は沙姫と二人であの娘を押し出して、どんと背中を押して送り出し、良かった良かった爆発しろーと言い合って、それでおしまい、だった。
(……)
それで、お終い。で、私はそのまま過ごせるだろうか? 過ごせただろうか?
「……いえ、きっと、必要、でし……たっ」
「そうよ、美沙。……あの娘にも、必要なのよ」
部長の言葉にはっとして、彼女の方を向いてみる。いつの間にか隣に寄り添うように、支えるように背中に腕を回されて、倒れないようにと添うように支えてくれている、彼女の方を向いてみる。顔を見る。違う顔なのに、あの娘じゃないのに、恵じゃないのに、心に温かいものが触れてくる感じがして、ふわりとじわりと染み込んで……
「ひっどい面よ、美沙」
「……しょっが……ないじゃぁ…・・ないでっすかぁ……・・・っ」
その顔の主に、ぎゅっと抱きしめられていく。大きな泣き声は、柔らかな部長の胸にしまわれた。ああもう、こんな時でもエロい女だ。人の顔を、後輩の顔を、落ち込んでる後輩の顔を胸に抱き寄せるなんて、もう……
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もう少し、上手く出来なかったものだろうか。
わたし自身は不器用ではなかった筈なのに、この二年二人が揃って不器用で、序に十も不器用なものだから、どうにもタイミング、かみ合わせがズレてしまったか。二人共、触れさせるにはこじらせ具合が少し強く、少し進みすぎていて、少し遅かった。特に美沙。恵程に他の空気、外の世界で生きていない。生粋の星花女子は、存外か弱い事が有る。二年五人とも芯が強いにしても、恵と沙姫は格別だ。……その差異も含めて考えれば、五日六日目あたりがよろしかったが……恵が来なかったのだから致し方なし、だ。
「ほら、胸貸してあげるから」
「うぐーぅ……」
なので酷。恵の都合で酷な役回りになった形の美沙。だからどんどんがんがんじゃんじゃん大泣きするのは全然良し。けれど、美沙の泣き声を部室まで届かせる訳にはいかない。お前ほど大きくなくても、防音くらいの効果はあるさ。ただ……ぐちゃぐちゃに涙やらで濡れてて、割りとベタベタして熱い。熱い。その熱さが、彼女の無念の表れでもあるのだから、しっかり受け止めてやらないといけない。けれど、それを知らせるのは、美沙に更に悪いのだ。……と、可愛い後輩を庇ってみても、言い出す前に終わったのだから、只のヘタレと言われれば、残酷ながらその通りで。恵側を結局待つしかしなかったのは美沙なのだから、やっぱりヘタレと言われればその通りで。そしてあいにく、美沙にはお時間もないのだ。ちゃんと糧にしてくれないと、おねえさんまたポロシャツ一枚ベトベトにしちゃうからなー
「よしよし、恵好きだったのね」
「……う゛ー………・・・・・・」
「よしよし……」
「わ゛か゛ん゛な゛い゛て゛す゛ぅ゛ー………」
よしよししながらポロシャツが良くない良くないと悲鳴を上げている。美女女子高生の涙とかよだれとかハナとか汗とかが染み付いた結構マニアックなポロシャツ。……これ、需要あるんじゃないかしら? などと変なことを考えながら、ひたすらあやす。このポロシャツ美沙ファンに売ったらいくらになるかなー、とかも考えついたりもするけれど、さすがにやらない。後輩の体液入りシャツを売り飛ばすなんて、わたしはそこまで堕ちてない。
さて置き、美沙も恵も自覚があまり芽生えてないだろうけれど、芯が強くて面白美人な二人は割と茶道部に限らず後輩から人気なので、冗談抜きで立ち直ってもらわないと、この後きっと、美沙はとっても混乱する。何せ、恵と付き合ってるという疑惑がついて回っていたから後輩たちが静かだっただけで、付き合ってないことが知れ渡ったらどうなるかなんて火を見るより明らかだ。間違いなく告白に特攻する後輩たちで溢れかえる。差し当たって直ぐ近くの茶道部とか毎日ほぼ顔を出す茶道部とか美沙が指導を行う茶道部とか茶道部とか茶道部とか。……今だって、部室で絶対、京子が先導して沙姫が扇動して一年たちがアタック慰めと待ち構えていて、ついでに良子が頭抱えてる筈だ。
その真っ只中に、美沙は今から帰らないといけないのだから、デート相手が一人と決まっている恵以上に美沙は今日難題なのよ? ほら、さっさと立ち直りなさい。立ち直らないと美沙ファンクラブとやらにわたしが泣かしたクズみたいに見られるし。まぁその手の添えモノ達をいじるのも良いのだけれど、真剣な恋路は弄りたくない。その線引きは、生涯変えるつもりはない。
「美ー沙」
「な゛ん゛て゛す゛か゛……ずびっ」
きたない。きれいな顔なのにきたない。はい、ちーん。
「ひっどい面よ、美沙」
「うー……」
鼻をかませたら、そこが少し恥ずかしかったのか、ぽすっとぽむっとわたしの胸に顔を埋めてくる。やれやれ、もう少しだけ、このでっかい後輩に抱き付かせてあげましょうか。とは言っても、こんな状態で美空が来たら、こんの後輩泣かせたゲス不倫野郎がぁーーーーっ!! とかなじられて蹴られてぶん殴られてふんづけられそうだから、早めに立ち直ってほしーな―。びくびく。うちのふくちょうはこわいのです。
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「美~沙」
「うー・・・…なんですか……」
「赤ちゃんつくらない?」
「ぶーっ!?」
「なっななんっ!!? な゛ーーーっ!!!?」
美沙の噴出とともに慌てて叫びながら割って入りにくる一年生。そら出てきた釣られたやって来た。ああ、心底楽しい。さぁこの後輩少女、他の部員達よりも、一歩リードができるかしら?
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