166 / 207
修道女、旅立つ
3
しおりを挟む
どんなに決意を固めていようとも、所詮は荒事向きではない小娘。
泣いてしまって気恥ずかしい思いでブランケットにくるまっているうちに、なんと本当に眠ってしまった。
気づいた時には、ぎょっとするほど近くにゴツゴツとした男性の身体があって、どうやら肩にもたれ掛っていたようだと気づいて顔から火が出そうになる。
「ご、ごめんなさい!!」
慌てて飛び起きて身体を離した。
なんとも言えない声色で「……いえ」とつぶやいたダンの顔を見ようとしたところで、丁度石にでも乗り上げたのか、馬車が大きくガタリと揺れて、メイラは「ひえっ」と悲鳴を上げて尻を押さえた。
恐る恐る顔を上げると、口元を手で押さえた男と目が合った。
「わ、笑わなくても!!」
「もうしわけございません」
緊張感がなさすぎるだろう! と怒った顔を作ってみたが、どうにも締まらない。
「クッションをどうぞ。旅慣れていないと辛いでしょう」
「わ、わたくしは……いっ!!」
少し前までもっとガタのきた、幌すらない荷馬車でこの街道を行き来していたのだと言おうとして、またも大きくガタリと荷台が跳ねて、今度は舌を噛んで涙目になる。
「ふ」
「ダン!」
気難しそうで、あまり表情を変えない男という印象が強かった。
これまでの状況が状況だけに無理もないのだが、メイラにしてみれば寡黙な男に失笑されたような気がして、更に頬に熱が灯る。
なおも顔を背けて肩を揺らしている男に、「笑わないで!」と怒ってみせるが逆効果。
ついその肩をぽかりと叩いたところで、普段かぶっている張りぼての貴婦人の顔が外れてしまっていることに気づいた。
慌てて背筋を伸ばし、軽く咳払いする。
「ダン」
「はい、御方さま」
即座に真顔になって、笑いの余韻もみせないところがわざとらしい。
「いま何時ですか?」
「夜は空けました。どうやら無事街を出ることができたようです」
「追手の気配はありますか?」
「探りますか? 下手に動けば気づかれる可能性がありますが」
メイラは軽く深呼吸して心を落ち着かせた。
「いいえ。このまま何もなく手出しを控えてくれるとは思えません。見つからないに越したことはない」
ダンは同意するように頷いて、丁度顔の横にある幌の隙間に目を向けた。
メイラが呑気にも眠り込んでいる間、御者を務めているスカーや彼はきっと気を張って見張っていてくれたのだろう。
なおもガタゴトと揺れる荷台で申し訳ない気分と戦いながら、泣いて少しすっきりと心が持ち直したのを感じた。
「あとどれぐらいで海に着きますか?」
「日が高くなる頃には」
「それでは、もうすぐですね」
メイラは再び舞い戻ることになったザガンの街並みを思い起こし、居住まいを正した。
「我々は急ぎ出航する商船と話を付けます。海軍の世話にはならないほうがいいでしょう。公爵閣下に引き留められる可能性が高い」
「ええ、そうね」
メイラを見下ろすダンの目の色は彼女と同じものだ。暗がりではその黒い目もギラリと輝くのだと妙なことを考えながら、同じくほのかな明かりの中で見上げた陛下の美しい碧い目を思い出していた。
別れてそれほど経っていないのに、すでにもうあのクジャク石の色が恋しく懐かしくてたまらない。はたして、あの方のお側に戻ることはできるのだろうか。もう一度あの美しい目を見ることが叶うだろうか。
「再度確認させていただきます。馬車を降りたら、申し訳ございませんがあなたさまは私の娘です。言葉遣いなどの無礼はお許しください」
「もちろんよ」
ぎゅうと絞られるように胸が痛むのを感じながら、メイラはしっかりと背筋を伸ばして腹に力を入れた。
スカーはともかくとして、憲兵隊員であるダンがメイラに従ってくれるのにはきっと理由がある。
個人としての忠誠を誓われているなどと、うぬぼれるつもりはまったくない。
おそらくはネメシス閣下から、可能な限りメイラの意に沿う様にとの指示を受けているのだろう。
何をどう判断されこの道行きが許されているのかはわからないが……このまま見逃してくれるだろうか。
「……御方さま?」
目を伏せたメイラを心配してか、気遣わし気にこちらを見降ろしているダンに、黙って笑みを作る。
自分が危険なことをしようとしているのはわかっている。いつネメシス閣下が回収命令を出すか分からず、最悪の場合、ダンの目をかいくぐる必要もあるのかもしれない。
「大丈夫よ」
表面上は気丈に微笑んでみる。
しかし、信頼するべき相手を前にしても、いつか出し抜くことを考えなければならない自身に軽く絶望していた。
いや、こんなことで落ち込んでいてはならない。
あの湖へ行くのだ。ダリウス神と直接話をつけるのだ。
必要ならば、この命を差し出しても構わないと決めただろう?
「ではわたくしは、船が決まるまで馬車にいればいいのかしら?」
「朝食がまだでしょう。メイド殿に軽食を渡されましたので……」
ダンは荷台の上に置いていた布の包みに手を伸ばし、メイラの前に差し出した。
「まあ」
笑え。今はただ、この忠実な男にこれ以上不安を感じさせないように。
「落ち着いてお食事ができる場所を用意できればよかったのですが」
「わたくしはもともと市井で生きてきたのよ。そんなに気を使わないで」
ガタゴトと揺れる薄暗い幌馬車の中で、おそらくはユリが用意したのだろう軽食を黙々と口の中にねじ込む。食欲はまったくなかったが、食べなくてはいけない。これからしばらく続く旅に、体力不足で足を引っ張るわけにはいかないからだ。
辛抱して食べていると、胃もたれする。馬車で酔ったことはないが、船だと危ないかもしれない。
半分ほど食べたところで、手を止めた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
いつも読んでいただいてありがとうございます。
更新が若干遅れております。
原因は新型コロナの件で、息子がPCを独占しているせいです!!
本当に申し訳ございません。
……あいつら、まだまだずっと家にいるんだぜ><
このような時ですので、皆様も手洗い等を徹底し、他人との接触も控えるようにしましょうね。
体調には十分に気を付けてください。
この難関を無事乗り切り、一日も早く世界が元の平和な形に戻りますように。
これからも頑張りましょう!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
泣いてしまって気恥ずかしい思いでブランケットにくるまっているうちに、なんと本当に眠ってしまった。
気づいた時には、ぎょっとするほど近くにゴツゴツとした男性の身体があって、どうやら肩にもたれ掛っていたようだと気づいて顔から火が出そうになる。
「ご、ごめんなさい!!」
慌てて飛び起きて身体を離した。
なんとも言えない声色で「……いえ」とつぶやいたダンの顔を見ようとしたところで、丁度石にでも乗り上げたのか、馬車が大きくガタリと揺れて、メイラは「ひえっ」と悲鳴を上げて尻を押さえた。
恐る恐る顔を上げると、口元を手で押さえた男と目が合った。
「わ、笑わなくても!!」
「もうしわけございません」
緊張感がなさすぎるだろう! と怒った顔を作ってみたが、どうにも締まらない。
「クッションをどうぞ。旅慣れていないと辛いでしょう」
「わ、わたくしは……いっ!!」
少し前までもっとガタのきた、幌すらない荷馬車でこの街道を行き来していたのだと言おうとして、またも大きくガタリと荷台が跳ねて、今度は舌を噛んで涙目になる。
「ふ」
「ダン!」
気難しそうで、あまり表情を変えない男という印象が強かった。
これまでの状況が状況だけに無理もないのだが、メイラにしてみれば寡黙な男に失笑されたような気がして、更に頬に熱が灯る。
なおも顔を背けて肩を揺らしている男に、「笑わないで!」と怒ってみせるが逆効果。
ついその肩をぽかりと叩いたところで、普段かぶっている張りぼての貴婦人の顔が外れてしまっていることに気づいた。
慌てて背筋を伸ばし、軽く咳払いする。
「ダン」
「はい、御方さま」
即座に真顔になって、笑いの余韻もみせないところがわざとらしい。
「いま何時ですか?」
「夜は空けました。どうやら無事街を出ることができたようです」
「追手の気配はありますか?」
「探りますか? 下手に動けば気づかれる可能性がありますが」
メイラは軽く深呼吸して心を落ち着かせた。
「いいえ。このまま何もなく手出しを控えてくれるとは思えません。見つからないに越したことはない」
ダンは同意するように頷いて、丁度顔の横にある幌の隙間に目を向けた。
メイラが呑気にも眠り込んでいる間、御者を務めているスカーや彼はきっと気を張って見張っていてくれたのだろう。
なおもガタゴトと揺れる荷台で申し訳ない気分と戦いながら、泣いて少しすっきりと心が持ち直したのを感じた。
「あとどれぐらいで海に着きますか?」
「日が高くなる頃には」
「それでは、もうすぐですね」
メイラは再び舞い戻ることになったザガンの街並みを思い起こし、居住まいを正した。
「我々は急ぎ出航する商船と話を付けます。海軍の世話にはならないほうがいいでしょう。公爵閣下に引き留められる可能性が高い」
「ええ、そうね」
メイラを見下ろすダンの目の色は彼女と同じものだ。暗がりではその黒い目もギラリと輝くのだと妙なことを考えながら、同じくほのかな明かりの中で見上げた陛下の美しい碧い目を思い出していた。
別れてそれほど経っていないのに、すでにもうあのクジャク石の色が恋しく懐かしくてたまらない。はたして、あの方のお側に戻ることはできるのだろうか。もう一度あの美しい目を見ることが叶うだろうか。
「再度確認させていただきます。馬車を降りたら、申し訳ございませんがあなたさまは私の娘です。言葉遣いなどの無礼はお許しください」
「もちろんよ」
ぎゅうと絞られるように胸が痛むのを感じながら、メイラはしっかりと背筋を伸ばして腹に力を入れた。
スカーはともかくとして、憲兵隊員であるダンがメイラに従ってくれるのにはきっと理由がある。
個人としての忠誠を誓われているなどと、うぬぼれるつもりはまったくない。
おそらくはネメシス閣下から、可能な限りメイラの意に沿う様にとの指示を受けているのだろう。
何をどう判断されこの道行きが許されているのかはわからないが……このまま見逃してくれるだろうか。
「……御方さま?」
目を伏せたメイラを心配してか、気遣わし気にこちらを見降ろしているダンに、黙って笑みを作る。
自分が危険なことをしようとしているのはわかっている。いつネメシス閣下が回収命令を出すか分からず、最悪の場合、ダンの目をかいくぐる必要もあるのかもしれない。
「大丈夫よ」
表面上は気丈に微笑んでみる。
しかし、信頼するべき相手を前にしても、いつか出し抜くことを考えなければならない自身に軽く絶望していた。
いや、こんなことで落ち込んでいてはならない。
あの湖へ行くのだ。ダリウス神と直接話をつけるのだ。
必要ならば、この命を差し出しても構わないと決めただろう?
「ではわたくしは、船が決まるまで馬車にいればいいのかしら?」
「朝食がまだでしょう。メイド殿に軽食を渡されましたので……」
ダンは荷台の上に置いていた布の包みに手を伸ばし、メイラの前に差し出した。
「まあ」
笑え。今はただ、この忠実な男にこれ以上不安を感じさせないように。
「落ち着いてお食事ができる場所を用意できればよかったのですが」
「わたくしはもともと市井で生きてきたのよ。そんなに気を使わないで」
ガタゴトと揺れる薄暗い幌馬車の中で、おそらくはユリが用意したのだろう軽食を黙々と口の中にねじ込む。食欲はまったくなかったが、食べなくてはいけない。これからしばらく続く旅に、体力不足で足を引っ張るわけにはいかないからだ。
辛抱して食べていると、胃もたれする。馬車で酔ったことはないが、船だと危ないかもしれない。
半分ほど食べたところで、手を止めた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
いつも読んでいただいてありがとうございます。
更新が若干遅れております。
原因は新型コロナの件で、息子がPCを独占しているせいです!!
本当に申し訳ございません。
……あいつら、まだまだずっと家にいるんだぜ><
このような時ですので、皆様も手洗い等を徹底し、他人との接触も控えるようにしましょうね。
体調には十分に気を付けてください。
この難関を無事乗り切り、一日も早く世界が元の平和な形に戻りますように。
これからも頑張りましょう!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
0
お気に入りに追加
656
あなたにおすすめの小説
(完結)妹に情けをかけたら追い出されました(全5話)
青空一夏
恋愛
突然、私達夫婦の屋敷を訪ねてきた妹、サファイア。
「お姉様! お願いだから助けてちょうだい。夫から暴力をうけているのよ」
そう言われれば助けないわけにはいかない。私は夫の承諾をもらいサファイアを屋敷に住まわせた。サファイアの夫はあっさりと離婚に応じ、この問題は解決したと思ったのだけれど・・・・・・サファイアはいっこうに出て行こうとしない。そして、夫は妙にサファイアに優しくて・・・・・・
姉も妹も貴族ではありませんが、貴族のいる世界になります。
異世界中世ヨーロッパ風。異世界ですが、日本のように四季があります。ゆるふわご都合主義。ざまぁ。姉妹対決。R15。予定を変更して5話になります。
ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む
紫楼
ファンタジー
酔っ払って寝て起きたらなんか手が小さい。びっくりしてベットから落ちて今の自分の情報と前の自分の記憶が一気に脳内を巡ってそのまま気絶した。
私は放置された16歳の少女リーシャに転生?してた。自分の状況を理解してすぐになぜか王様の命令で辺境にお嫁に行くことになったよ!
辺境はイケメンマッチョパラダイス!!だったので天国でした!
食べ物が美味しくない国だったので好き放題食べたい物作らせて貰える環境を与えられて幸せです。
もふもふ?に出会ったけどなんか違う!?
もふじゃない爺と契約!?とかなんだかなーな仲間もできるよ。
両親のこととかリーシャの真実が明るみに出たり、思わぬ方向に物事が進んだり?
いつかは立派な辺境伯夫人になりたいリーシャの日常のお話。
主人公が結婚するんでR指定は保険です。外見とかストーリー的に身長とか容姿について表現があるので不快になりそうでしたらそっと閉じてください。完全な性表現は書くの苦手なのでほぼ無いとは思いますが。
倫理観論理感の強い人には向かないと思われますので、そっ閉じしてください。
小さい見た目のお転婆さんとか書きたかっただけのお話。ふんわり設定なので軽ーく受け流してください。
描写とか適当シーンも多いので軽く読み流す物としてお楽しみください。
タイトルのついた分は少し台詞回しいじったり誤字脱字の訂正が済みました。
多少表現が変わった程度でストーリーに触る改稿はしてません。
カクヨム様にも載せてます。
【1章完結】経験値貸与はじめました!〜但し利息はトイチです。追放された元PTメンバーにも貸しており取り立てはもちろん容赦しません〜
コレゼン
ファンタジー
冒険者のレオンはダンジョンで突然、所属パーティーからの追放を宣告される。
レオンは経験値貸与というユニークスキルを保持しており、パーティーのメンバーたちにレオンはそれぞれ1000万もの経験値を貸与している。
そういった状況での突然の踏み倒し追放宣言だった。
それにレオンはパーティーメンバーに経験値を多く貸与している為、自身は20レベルしかない。
適正レベル60台のダンジョンで追放されては生きては帰れないという状況だ。
パーティーメンバーたち全員がそれを承知の追放であった。
追放後にパーティーメンバーたちが去った後――
「…………まさか、ここまでクズだとはな」
レオンは保留して溜めておいた経験値500万を自分に割り当てると、一気に71までレベルが上がる。
この経験値貸与というスキルを使えば、利息で経験値を自動で得られる。
それにこの経験値、貸与だけでなく譲渡することも可能だった。
利息で稼いだ経験値を譲渡することによって金銭を得ることも可能だろう。
また経験値を譲渡することによってゆくゆくは自分だけの選抜した最強の冒険者パーティーを結成することも可能だ。
そしてこの経験値貸与というスキル。
貸したものは経験値や利息も含めて、強制執行というサブスキルで強制的に返済させられる。
これは経験値貸与というスキルを授かった男が、借りた経験値やお金を踏み倒そうとするものたちに強制執行ざまぁをし、冒険者メンバーを選抜して育成しながら最強最富へと成り上がっていく英雄冒険譚。
※こちら小説家になろうとカクヨムにも投稿しております
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
(完)「あたしが奥様の代わりにお世継ぎを産んで差し上げますわ!」と言うけれど、そもそも夫は当主ではありませんよ?
青空一夏
恋愛
夫のセオは文官。最近は部署も変わり部下も増えた様子で帰宅時間もどんどん遅くなっていた。
私は夫を気遣う。
「そんなに根を詰めてはお体にさわりますよ」
「まだまだやらなければならないことが山積みなんだよ。新しい部署に移ったら部下が増えたんだ。だから、大忙しなのさ」
夫はとても頑張り屋さんだ。それは私の誇りだった……はずなのだけれど?
チート生産魔法使いによる復讐譚 ~国に散々尽くしてきたのに処分されました。今後は敵対国で存分に腕を振るいます~
クロン
ファンタジー
俺は異世界の一般兵であるリーズという少年に転生した。
だが元々の身体の持ち主の心が生きていたので、俺はずっと彼の視点から世界を見続けることしかできなかった。
リーズは俺の転生特典である生産魔術【クラフター】のチートを持っていて、かつ聖人のような人間だった。
だが……その性格を逆手にとられて、同僚や上司に散々利用された。
あげく罠にはめられて精神が壊れて死んでしまった。
そして身体の所有権が俺に移る。
リーズをはめた者たちは盗んだ手柄で昇進し、そいつらのせいで帝国は暴虐非道で最低な存在となった。
よくも俺と一心同体だったリーズをやってくれたな。
お前たちがリーズを絞って得た繁栄は全部ぶっ壊してやるよ。
お前らが歯牙にもかけないような小国の配下になって、クラフターの力を存分に使わせてもらう!
味方の物資を万全にして、更にドーピングや全兵士にプレートアーマーの配布など……。
絶望的な国力差をチート生産魔術で全てを覆すのだ!
そして俺を利用した奴らに復讐を遂げる!
【完結】愛されないのは政略結婚だったから、ではありませんでした
紫崎 藍華
恋愛
夫のドワイトは妻のブリジットに政略結婚だったから仕方なく結婚したと告げた。
ブリジットは夫を愛そうと考えていたが、豹変した夫により冷めた関係を強いられた。
だが、意外なところで愛されなかった理由を知ることとなった。
ブリジットの友人がドワイトの浮気現場を見たのだ。
裏切られたことを知ったブリジットは夫を許さない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる