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修道女、にっちもさっちもいかなくなる
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ものすごく眩い光に目を焼かれ、視界が真っ白に埋まって何も見えない。
「おどろいた。なかなか頑張るじゃない」
近づいてくる足音は一人分。聞き覚えのある声は男のもの。
それがどこで聞いた声なのか、なかなか思い出せない。光に目がくらんでいるこの状態が何とかなればわかるのだろうが。
「普通パニックになって暴れたり泣き叫んだりするもんだけどねぇ」
眩さに顔を背けながら、メイラは必死で荒くなる呼吸を抑えていた。
ぐい、と髪を鷲掴みにされ引っ張り上げられる。
とっさに両手で隠し持つように玉飾りを握った。あのまま髪に刺したままでなくてよかった。みつかっていれば、取り上げられてしまうだろう。
「……ああ、可哀そうに。泣いてたんだ」
眼球の奥が痛い。
髪だけで持ち上げられて、頭の皮膚がめくれてしまいそうだ。
ぶちぶちと、髪がちぎれる音がした。
冷たいものが喉に突き付けられ、それが刃物だと察して。
「早くしなさい。なにを手間取っているの」
今にも刺されるのではないかという恐怖の中、次に聞こえてきたのは耳慣れない女の声。
「だってあの陛下の御寵妃でしょ? 興味ない?」
「……時間がないと言ったでしょう」
「あんたも言ったじゃない。辱めて二目と見れない顔にして下町に捨てろって」
「……っ」
ひゅっとメイラの喉が鳴った。
身体を捩じって逃げようとしたが、髪を掴まれているので叶わない。
「えらいえらい、普通の貴族のお嬢さんじゃあここまで頑張れないよ。でも俺、そういう子をぐちゃぐちゃにして泣かすの好きなんだぁ」
「まあいいでしょう。お前の仕事は確かです。一晩あげますから処置は任せました。確実に始末するように」
「はいはい。これで何人目? 大変だねぇあんたも」
「いつものように髪を」
「前から思ってたんだけど、何なのそれ? 趣味? 死人の髪の毛なんか集めてどうするんだよ」
男はぶちぶちと言いながら喉元に突き付けていた刃物を遠ざけた。
メイラは震えながら首を振り、なんとか逃れようとしてみるものの、非力な彼女が男の力にかなうはずもない。
ざくり、と頭上から容赦ない音がした。
支えを失った身体が、石床の上に落ちる。
「……ホントは俺、もっと肉付きのいい女の方が好きなんだけど、あんたみたいのもなかなかそそるね。髪も短くなったし、子供みたいじゃん?」
頭がひどく軽くなっていた。髪を首のところから切られたのだ。
しかしそれより、男にのしかかられる恐怖のほうが勝った。
「やめて!」
「いいね、その調子その調子。嫌がってる子がそのうち気持ちよくなってアンアン言い出す瞬間が好きなんだ」
ぞっとした。
ほとんど動かなくなった手足を懸命にばたつかせるが、すでにマウントを取られてしまっていてどうにもならない。
「ああ、マジほっそいね。こんな身体で陛下のデカイの突っ込まれてんの?」
メイラはその声を聞いたのが、後宮内だということに気づいた。
具体的には陛下との閨の翌朝。
ベッドの脇に控えていた侍従のうちの片方だ。
「胸もちっさいねぇ」
びりり、と破けていた胸元から手がねじ込まれる。
「いっちょ前に乳首立たせてヤラシイ」
鳥肌が立っているからだ。
胸をやわやわと揉まれ、ふうっと耳元に息を掛けられ。
「……その手のもので刺すのはおやめください」
するり、と耳たぶを食まれながらささやかれた言葉にこぼれそうだった悲鳴が引っ込む。
「もう諦めるの? つまんないんだけど……まあいいや」
じゃらり、と重い鎖の音がした。
膝を大きく左右に割り広げられ、ドレスの裾が更に裂ける。
「や、やめて」
「あははは、あんたも男ってもんを知ってるでしょ? ここでやめるわけなじゃん。大丈夫大丈夫、すぐヨくなるからねぇ」
おぼろげに戻ってきた視力が、男の栗毛を逆光で照らしていた。
その肩越しに、シルエットしかわからないが女が立っているのがわかる。
「ねぇ、ずっと見てるつもり?」
男はズボンの前を緩めながら明け透けな口調で笑う。
「あんたも混じる? 大歓迎だけど」
「……汚らわしい」
「えー、あんたがしろって命令してることじゃん」
「さっさと済ませなさい」
女が顔を背け、反省房のような狭い小部屋の入り口付近まで下がる。
「まあそこで指くわえてみてなよ」
メイラはすがるように眩い方向に手を伸ばした。
ようやく明るさに慣れてきたが、いまだ視界はぼやけている。
見えるのは、冷たい床にメイラを押し付けのしかかってくる男。四角く切り取られた出入り口の傍に立つ女。
そして、その背後にいる複数の男たち。
浴びせられる下卑た視線に、ぞっと背筋が総毛だった。
「いやあああああっ」
ぐい、と太腿を持ち上げられ、下着に手を掛けられた。
「や、やめて。やめてぇぇぇっ!!」
「ちょっと黙ろうか。鼓膜破れそう」
たくし上げられたドレスの裾を口の中にねじ込まれた。
「舌噛まれても興ざめだしね」
「うぐっ、うううっ」
「うわぁ、その顔なんかめっちゃクルんだけど。……興奮してきた」
ぎらり、と刃の銀色が暗がりの中煌めいた。
切っ先が腹に当てられ、ドロワーズの紐がブチリと切られる。
「足かせあるからココだけ破いちゃおう。あははは、なんかめっちゃヤラシイね」
「んんんん~~っ!!」
ビリビリと布が裂かれる音。分厚い刃物が直接下腹部に触れる感覚。
メイラは涙の溢れる目を思いっきり大きく見開き、首を左右に振った。
恐ろしかった。
死ぬよりも、殺されてしまうよりも、なすすべもなく力でねじ伏せられている現状が怖くてたまらなかった。
「濡れてないねぇ。そりゃそうか。入るかなぁ……」
ぐん、と腰と腰とが密着した。あまりにも強く身体が圧迫されたので、肺から空気が抜け、苦痛に呻く。
「ぐぅっんんんん!!」
「あー、きもちいい」
メイラは見開いていた目を更に大きく見開いて、至近距離の男の影になっている顔を見上げた。
「なに? 俺の気に入った?」
男の腰が緩く前後する。
「せっまいなぁ」
わけがわからなかった。
メイラの上で律動を繰り返す男は、卑猥な台詞を口にしながら息を荒げ、にやにやと笑っている。
「濡れてきた? すっげぇイイ」
動きが次第に強く、大きくなる。
むき出しになったメイラの白い脚が、男の腰をはさんで揺れている。
「ほら、妾妃サマ。もっと頑張んなよ」
太腿をするり、と撫でる大きな手。
身体を折り曲げられ、圧迫される姿勢は息もできないほどに苦しい。
「もう声を出す元気もないって? ……っは! 今すげぇ締まった」
ドロワーズ越しに、男の硬く猛ったモノが擦りつけられている。
そう、ドロワーズ越しに。
ぼろり、と更に大量の涙がこぼれた。
「可哀そうにねぇ。そんなに泣いても助けなんて来ねぇよ……っ」
ぐっと更に深く腰が密着した。
痛いほどに押しつぶされ、氷のような床と熱い男の身体に挟まれた。
「……しばし御辛抱を」
囁き声は小さく、聞き取れないほどで。
メイラはきつく目を閉じ、ドレスの裾を食んだままヒクリとしゃくり上げた。
「おどろいた。なかなか頑張るじゃない」
近づいてくる足音は一人分。聞き覚えのある声は男のもの。
それがどこで聞いた声なのか、なかなか思い出せない。光に目がくらんでいるこの状態が何とかなればわかるのだろうが。
「普通パニックになって暴れたり泣き叫んだりするもんだけどねぇ」
眩さに顔を背けながら、メイラは必死で荒くなる呼吸を抑えていた。
ぐい、と髪を鷲掴みにされ引っ張り上げられる。
とっさに両手で隠し持つように玉飾りを握った。あのまま髪に刺したままでなくてよかった。みつかっていれば、取り上げられてしまうだろう。
「……ああ、可哀そうに。泣いてたんだ」
眼球の奥が痛い。
髪だけで持ち上げられて、頭の皮膚がめくれてしまいそうだ。
ぶちぶちと、髪がちぎれる音がした。
冷たいものが喉に突き付けられ、それが刃物だと察して。
「早くしなさい。なにを手間取っているの」
今にも刺されるのではないかという恐怖の中、次に聞こえてきたのは耳慣れない女の声。
「だってあの陛下の御寵妃でしょ? 興味ない?」
「……時間がないと言ったでしょう」
「あんたも言ったじゃない。辱めて二目と見れない顔にして下町に捨てろって」
「……っ」
ひゅっとメイラの喉が鳴った。
身体を捩じって逃げようとしたが、髪を掴まれているので叶わない。
「えらいえらい、普通の貴族のお嬢さんじゃあここまで頑張れないよ。でも俺、そういう子をぐちゃぐちゃにして泣かすの好きなんだぁ」
「まあいいでしょう。お前の仕事は確かです。一晩あげますから処置は任せました。確実に始末するように」
「はいはい。これで何人目? 大変だねぇあんたも」
「いつものように髪を」
「前から思ってたんだけど、何なのそれ? 趣味? 死人の髪の毛なんか集めてどうするんだよ」
男はぶちぶちと言いながら喉元に突き付けていた刃物を遠ざけた。
メイラは震えながら首を振り、なんとか逃れようとしてみるものの、非力な彼女が男の力にかなうはずもない。
ざくり、と頭上から容赦ない音がした。
支えを失った身体が、石床の上に落ちる。
「……ホントは俺、もっと肉付きのいい女の方が好きなんだけど、あんたみたいのもなかなかそそるね。髪も短くなったし、子供みたいじゃん?」
頭がひどく軽くなっていた。髪を首のところから切られたのだ。
しかしそれより、男にのしかかられる恐怖のほうが勝った。
「やめて!」
「いいね、その調子その調子。嫌がってる子がそのうち気持ちよくなってアンアン言い出す瞬間が好きなんだ」
ぞっとした。
ほとんど動かなくなった手足を懸命にばたつかせるが、すでにマウントを取られてしまっていてどうにもならない。
「ああ、マジほっそいね。こんな身体で陛下のデカイの突っ込まれてんの?」
メイラはその声を聞いたのが、後宮内だということに気づいた。
具体的には陛下との閨の翌朝。
ベッドの脇に控えていた侍従のうちの片方だ。
「胸もちっさいねぇ」
びりり、と破けていた胸元から手がねじ込まれる。
「いっちょ前に乳首立たせてヤラシイ」
鳥肌が立っているからだ。
胸をやわやわと揉まれ、ふうっと耳元に息を掛けられ。
「……その手のもので刺すのはおやめください」
するり、と耳たぶを食まれながらささやかれた言葉にこぼれそうだった悲鳴が引っ込む。
「もう諦めるの? つまんないんだけど……まあいいや」
じゃらり、と重い鎖の音がした。
膝を大きく左右に割り広げられ、ドレスの裾が更に裂ける。
「や、やめて」
「あははは、あんたも男ってもんを知ってるでしょ? ここでやめるわけなじゃん。大丈夫大丈夫、すぐヨくなるからねぇ」
おぼろげに戻ってきた視力が、男の栗毛を逆光で照らしていた。
その肩越しに、シルエットしかわからないが女が立っているのがわかる。
「ねぇ、ずっと見てるつもり?」
男はズボンの前を緩めながら明け透けな口調で笑う。
「あんたも混じる? 大歓迎だけど」
「……汚らわしい」
「えー、あんたがしろって命令してることじゃん」
「さっさと済ませなさい」
女が顔を背け、反省房のような狭い小部屋の入り口付近まで下がる。
「まあそこで指くわえてみてなよ」
メイラはすがるように眩い方向に手を伸ばした。
ようやく明るさに慣れてきたが、いまだ視界はぼやけている。
見えるのは、冷たい床にメイラを押し付けのしかかってくる男。四角く切り取られた出入り口の傍に立つ女。
そして、その背後にいる複数の男たち。
浴びせられる下卑た視線に、ぞっと背筋が総毛だった。
「いやあああああっ」
ぐい、と太腿を持ち上げられ、下着に手を掛けられた。
「や、やめて。やめてぇぇぇっ!!」
「ちょっと黙ろうか。鼓膜破れそう」
たくし上げられたドレスの裾を口の中にねじ込まれた。
「舌噛まれても興ざめだしね」
「うぐっ、うううっ」
「うわぁ、その顔なんかめっちゃクルんだけど。……興奮してきた」
ぎらり、と刃の銀色が暗がりの中煌めいた。
切っ先が腹に当てられ、ドロワーズの紐がブチリと切られる。
「足かせあるからココだけ破いちゃおう。あははは、なんかめっちゃヤラシイね」
「んんんん~~っ!!」
ビリビリと布が裂かれる音。分厚い刃物が直接下腹部に触れる感覚。
メイラは涙の溢れる目を思いっきり大きく見開き、首を左右に振った。
恐ろしかった。
死ぬよりも、殺されてしまうよりも、なすすべもなく力でねじ伏せられている現状が怖くてたまらなかった。
「濡れてないねぇ。そりゃそうか。入るかなぁ……」
ぐん、と腰と腰とが密着した。あまりにも強く身体が圧迫されたので、肺から空気が抜け、苦痛に呻く。
「ぐぅっんんんん!!」
「あー、きもちいい」
メイラは見開いていた目を更に大きく見開いて、至近距離の男の影になっている顔を見上げた。
「なに? 俺の気に入った?」
男の腰が緩く前後する。
「せっまいなぁ」
わけがわからなかった。
メイラの上で律動を繰り返す男は、卑猥な台詞を口にしながら息を荒げ、にやにやと笑っている。
「濡れてきた? すっげぇイイ」
動きが次第に強く、大きくなる。
むき出しになったメイラの白い脚が、男の腰をはさんで揺れている。
「ほら、妾妃サマ。もっと頑張んなよ」
太腿をするり、と撫でる大きな手。
身体を折り曲げられ、圧迫される姿勢は息もできないほどに苦しい。
「もう声を出す元気もないって? ……っは! 今すげぇ締まった」
ドロワーズ越しに、男の硬く猛ったモノが擦りつけられている。
そう、ドロワーズ越しに。
ぼろり、と更に大量の涙がこぼれた。
「可哀そうにねぇ。そんなに泣いても助けなんて来ねぇよ……っ」
ぐっと更に深く腰が密着した。
痛いほどに押しつぶされ、氷のような床と熱い男の身体に挟まれた。
「……しばし御辛抱を」
囁き声は小さく、聞き取れないほどで。
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