『私たち、ＪＫプロレスラーズ３ ～マチルダ女王様覚醒！Ｃ－ＭＡＲＴを壊滅せよ編～』

「マリブプレスクール事務所荒らし事件」

「マリブプレスクール事務所荒らし事件」

　ＬＡＬＷＥのチャリティーボランティア興行にマリブプレスクールの子供たちを招待したのがきっかけで、園児たちに「護身術」を体育の時間の一部に取り入れて、アグネスとマチルダが講師として通うようになってから、数カ月になる。今日もふたりで園に着くと、門の前に２台のパトカーが停まっていた。
　（何かあったのかな？）と不思議に思いながら、事務室に入ると、園長先生とその長女のマリー先生が警察官と話していた。アグネスが
「こんにちわ、先生、何かあったんですか？」
とマリーに聞いた。
「あぁ、アグネスさんに、マチルダさん。夜中に事務所荒らしが入っちゃって、園児名簿やデータファイルが盗まれちゃったのよ。園児の親の収入や園費の引き落とし口座情報や、写真や健康診断結果や日頃の気づきメモまでごっそりやられちゃって。」
「それは、大変でしたね。お金や備品は大丈夫だったんですか？」
とマチルダが聞いた。
「えぇ、その点は大丈夫だったんだけど・・・。（ふと、入り口のドアの方に視線が向く）」
「失礼しますよー。ご無沙汰してます。」
とロサンゼルス市警のケネス・ウォルシュ警部とデイリーＬＡの記者のセシル・ハリスが一緒に入ってきた。

「おっ、アグネスにマチルダじゃないか？今日は、護身術教室の日か？」
とケネス警部の後ろにいた、セシルが話しかけてきた。ふたりは頷いた。
「アグネスさん、マチルダさん、前回の事件の時は、いろいろ世話になったね。今日は、ここの園児名簿が盗まれたって事なんで・・・。ここは、ロスの中でもセレブの子たちが多く集まっている幼稚園なんで、身代金目的の誘拐とかに繋がる可能性があるかもってことで、今日は来たんだ。おふたりも、園児たちに誘拐犯にあったときの対処法をしっかりと護身術で教えてやってくださいね。ちょっとしたことで、防げる犯罪もあるのでね。では、失礼。」
とケネス警部はアグネスとマチルダに話すと、園長先生とマリーと一緒に奥の部屋に入っていった。
「後で、時間あるなら、久しぶりに茶でも飲みに行くか？」
と言い残して、セシルも後に続いた。
「ねぇ、マチルダ。ケネス警部にセシルさん・・・・。なんか、ここに縁があるわね。変なことなければいいんだけど・・・。」
「アグネスは、心配性ねぇ。あんな事そうそうあってたまるもんですか。さあ、子供たちが待ってるわ。ちゃちゃっと着替えて行きましょう！」
ふたりはジャージに着替え、レスリング用のマスクを被って運動場へ向かった。園児たちが待っている。
「さー、今日もアグネス仮面とマチルダ仮面のおねえちゃんたちが来てくれました。みんなでしっかりと練習しましょうね！」
と幼稚園の先生が園児たちに声をかけた。
「はーい！よろしくお願いしまーす！」
元気な園児の声が運動場に響いた。