27 / 59
第25話 ワンコ生活 2.8日目 ♥
しおりを挟む「失敗した…。」
俺は、よく考えて行動するタイプだけど考えた割に失敗することも多い。
今、まさしく失敗していて後悔が口に出た。
何が失敗かと言うと、遼太のベッドに上半身を乗せ俯せで尻を向けて抽挿されているワケなんだが、この格好がダメすぎる。
後ろ向きで俯せなので、自分の体の感覚に集中し過ぎる。
タダでさえ早いというかイキやすいというのに…。
突かれる度に「んッ…ふっぅ…!」とか「…んッ!…っっ!!」の声が吐息と共に漏れ出してくる。
……!!…あ…ぁ…!
…失敗やられた…!!あ…ぁぁあ…!
陰茎を扱く為の穴として使う位置としては非常に動きやすい位置にあるのだけど、逆に言うと挿入されやすくなっていて、内部を擦り上げる範囲も広いし、奥深くまで入り過ぎて…体のビクつきが止まらない。
俺は遼太に早く射精してもらいたくて、集中出来るようにと後ろからしてもらうとしたのだが、自分の体質のことは全く考えていなかった。
「遼太…バカすぎ…。」
男の精液を飲む羽目になって慌てている遼太を見て、乱れる息で呟かずにいられない。
俺を射精させるのが趣味なのか分からないけど、俺からして見れば「遼太、お前が射精しろよ!」だ。
ヤリたがってるのは遼太なのに全然イかない。
ここまでイかないと男の俺を相手にしているのが原因なのではないかと思えてきた。
本当は女の子の方がいいとか?膨らんでもいない胸を舐めるのも好きだし、しりとり出来るほど女の子の名前上がるし…。
俺を可愛いとか言ってるけど、本当なのか?実は俺の態度が悪くてイかないとか?
射精って、身体に加えられる性的な接触によって促されるけど、心理的に興奮する必要もある。
俺は遼太で十分に反応しているのに悔しい、遼太が好きな分かりやすい可愛い態度を取れば、ちゃんと射精してくれるかもしれない。
手を拘束されているので、身をよじって起き上がりベッドに腰掛けている遼太の背中に擦り寄って「お前がイけよ!」をどう可愛く分かりやすく伝えればいいのか考えていると「もしかして懐いている?」とか聞いてきて若干違うと思ったが頷いた。
遼太に喜んで抱き着かれるのも若干違和感を感じるけど、「遼太、お前が射精しろよ!」だからしょうがない。
あっ!!この考えが顔とか態度に出ているのか?
キスをしながら挿れて来ようとする遼太に待ったをかけた。
「…う…後ろから、してみようか…。」
「なんで?顔見ながらがいいんだけど。」
「顔って…、あ…朝の続きがしてみたい…。」
眠くて全然乗り気じゃなかったので言い訳が苦しいけど、後ろからの方が余計な情報も入らないから、遼太も集中出来ると思って、今に至る。
「失敗した…。」
後悔が口か漏れる、遼太を集中させる所じゃない。
後ろ向きで俯せの抽挿は、自分の体の感覚に集中し過ぎる。
……!!!…ぁぁ…!
…あ…ぁぁ…!!!
腹の中の何処を擦っているのか分からないけど、すごく感じてしまってっ…!!
突かれる度に「んッ…ふっぅ…!」とか「…んッ!…っっ!!」の声が吐息と共に漏れ出してくるし、体もビクついて反応が止まらない。
「遼太、お前が射精しろよ!」なのに腰を動かしながら悠長に「友也、気持ちいい?」とか聞いてきてイラつく。
…ううう…、すごい気持ちいい…
…失敗…!!あ…ぁぁあ…!
返事をしないでいると「友也、気持ちいい?」と何度も聞いてくるから頷いた。
「これはどう?」との声と共に腰を掴まれて深く挿入されて体が甘く痺れた。
ぅ…!!!…!!…!…ぁっっ!!!!!!……!!!
…またっ、コイツは、俺をイかそうとっ!!!
遊ばれてるとしか思えない…!
堪らず後ろを振り向いて訴えた!
「遼太…っ、ダメだって、遼太がイってくれないと俺が安心しないから…、ねっ?俺で遊ばないで、出そうよ…、ねっ?」
「友也は俺がイくと安心するのか?」
「…そう、すごく嬉しい…。」
…安心する?嬉しい?
とっさに出た言葉だったけど俺の心の核心をついている。
俺で良いって安心したいし、俺で良いって結果だから嬉しい。
日も暮れかかっていて薄暗くなりつつある室内、俺の願いに遼太は少し戸惑った顔をする。
ベッドに上半身を突っ伏している俺の背に遼太が覆いかぶさり耳元で聞かれた。
「手荒くなるけど大丈夫?」
手荒く…?
手荒くとはどういう状況なのか分からないけど「遼太、お前が射精しろよ!」なので頷いた。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる