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第3章 ブルドー公爵領編

第48話 意地

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 ブルドー公爵邸での昼食を終えた俺たちは、クレーに町を案内してもらうことになった。エストレーラは公爵邸の倉庫に収納させてもらっている。

 そして今やってきているのは、俺たちが町に入って最初に目に入った大通りだった。

「すっごぉい!見て見て、シリウス!」

 シエナは目に入る、ありとあらゆるものに興味を惹かれ右へ左へ大忙しだ。

「…………」

 ソニアはシエナのように大はしゃぎはしなかったが、色々と気にはなってはいるようで何かあると俺の袖を引いて「アレは何?」と小声で訊ねた。

「しかし、昔はもっと賑わっていたなんてとても信じられないですね」

「……シリウスさん、あそこの店をよく見てください」

「え?……あそこは衣料品を売ってるお店ですよね?店先にまで商品が並んでいるなんてすごいですね!」

 クレーが指を指したのは、王都でも見かけるような一般的な衣料品店。むしろ店先にまで商品が並んでいて、王都より品揃えが多いんじゃないかと思うくらいだ。

「見てほしいのは店の奥です。奥の棚は空っぽでしょ?」

「あ………」

 クレーに言われるまで気づかなかったが、奥の棚にはたしかにほとんど品物が無かった。

「そう言われて改めて見るとあの雑貨屋も、あの酒屋も、店の奥はガラガラですね……」

「はい、アレは『前出し』という商人たちの知恵であって意地です。繁盛感を失わせないために彼らも必死なんです……」

 クレーは悔しそうに唇を噛んだ。

「なるほど、しかし食料品はそれほど不足していないんですか?そこの肉屋なんかは普通に営業してますし、さっきソニアに出してもらった野菜もかなり鮮度が高かったように見えましたけど……」

「えぇ、肉や野菜は海からではなくハズールの国内から調達できますので、商人たちが近隣の村から自力で集めてくるんですよ。さすがに食料がなくなると町全体の死活問題なので、彼らの移動には兵士たちも同行させています。」

 俺が故郷でやっていたようなことを、ここの人たちは自分で既にやり始めてるってことか。しかも兵士の護衛がちゃんとついているなら、うちの実家よりは安全かもしれない。

「ですが、先ほど父が話した通り、漁業はかなり衰退してしまいました……」

「ねぇシリウス見て見て!この布すごくサラサラしてるのよ!」

 不意に前を歩くシエナに呼ばれ、クレートの会話が中断した。俺は後ろを歩くソニアとシエナのいる生地屋に向かった。

 その店も他と同じように店舗の外まで品物を出しているが、やはり奥の方は物寂しい。シエナが手に取っているのは、店頭にロールで置かれた、淡いブルーの布だった。

「これは……シルク?」
 
 俺の鑑定には間違いなくシルクと表示されている。しかし、この世界で15年間暮らしてきた中でシルクなんて見たことは一度もなかった。

「いらっしゃい!おや、お兄さんこの布を知っているのかい?」

「えっと、シルクってあのカイコガの糸から作るシルクですか?」

「……カイコガ?いやぁ私もそこまでは分からんが、君の言うとおりこれはシルクといって変わった生き物の糸から作るらしい。海の向こうの国からの輸入品で今じゃここにある3色以外、この町だとまず手に入らない代物さ!」

 店主が指差したのはシエナの持っている淡いブルーと白と薄緑色の3色。なるほど、ハズールではない別の国の特産品か。

「この布で俺たち3人分のパジャマを仕立ててもらうとどのくらいかかりますか?」

「3人分!?安くしてやりたいのは山々なんだが……そこそこ仕入れに掛かってるから……そうだなぁ1人あたり5万R(ルーツ)ってところか」

 まぁそのくらいしちゃうよね……シエナだけじゃなくソニアまでその手触りに夢中になっているようで申し訳ないけど、手持ちの資金は20数万R……3人分で15万も使うのはさすがにやりすぎだ……

 そして、店先に出してある他の布を改めて見てみると、ウールや木綿など他の素材はシルクよりも遥かに安い値段で販売されていることに気がついた。

「二人とも、シルクはまた今度にするとして、これからの長旅に向けて、普段着を何着か作っておかないか?」

「ほんと!?やった!」

「うん……エルフの服は、目立つ……」

「よ!まいどあり!じゃぁ服の好みや寸法なんかをチェックするから中に入ってくれ!」

 そんなわけで俺たちはそれぞれ好きな素材と自分の要望を紙に書き出し、店主に洋服の製作を依頼した。

 俺も、どうしても欲しいものがあったので、細かく完成イメージのイラストまで付けて渡しておいた。俺のイラストを見た店主が、クオリティの高さに驚いて俺をデザイナーに雇おうとしたのはちょっとした笑い話だ。仕立ては全部まとめて10日くらいとのことだ。結構、量があったと思うけど……

「はぁ~、楽しみね!」
「うん、シリウスありがとう」

 二人も満足してくれたようで良かった!俺もシエナも田舎の村でローラの仕立てた服しか持ってなかったし、そろそろ新しい服がほしいと思っていたところだ。
 ソニアはターバンではなく帽子も作りたいと言ってたので、その要望にもしっかり応えておいた。

 もともと3人分で5万Rくらいに収めようと思ってたけど、実は8万Rくらい使ってしまったのは二人には内緒だ。

「すいませんクレーさん、案内してくれている途中だったのに」

 店の外で通りを行き交う人を見ながらじっと待っていてくれたクレーには悪いことをしてしまった。

「いえいえ、皆さんが買い物をしてくれればこの町にその分お金が回ります。お金は町にとって、人間で言うところの血みたいなものですから、むしろありがたく思っていますよ」

 クレーは穏やかな口調で言った。

「それなら良かったです」

「えぇ、では今度は港の方に行ってみましょうか」

 そして俺たちはクレーの先導で港に向かった。

………
……


「おぉ!これが海!?アレが船!?」

 港に着いてから、シエナのテンションは現在進行形で過去最高を更新中だ。

「大きな港ですねぇ」

「ええ、賑わっていた頃には100を超える船舶が停泊していました」

 確かにそのくらい船が止まっても問題なさそうなキャパシティはある。しかし現在停泊中の船はわずか5隻……

「あの一番大きな船が、現在唯一漁に使われている漁船です。両隣の2隻は護衛の兵士たちが乗るための船ですね」

「へぇ、じゃぁ他の船は?」

「うまく海賊に遭遇せずに入港してきた他国の船ですね。2隻ともシャルマ帝国という、わりと近隣の国の船ですよ。陸でつながっていない国の中では一番距離も近く友好的な国です」

 たしかそんな名前が世界地図の中にもあった。

「なるほど、近隣の国なのにこんなにほそぼそと交易するなんてやはり物足りないですね。もっとこう、ドーンとやりたいものです」

「ハハハ、そうですね。しかし、聞くところによると向こうも海賊の被害が出ているようですし……お互い苦しい状況みたいですね」

 俺は沖に目をやって遠くまで広がる海を見つめていた……するとそこに船影が2つ、距離にして1キロほどだろうか……

 カーン…カーン…カーン…カーン

 同時に港の反対側から鐘を打つ音が聞こえた。

「クレーさん、この音は?」

「海賊船です。一日になんどか沖に姿を見せ………こちらを威嚇しているのでしょうね」

「手は出してこないんですか?」

「ええ、1、2隻で現れて沖に停泊し、しばらくすると帰っていきます。この鐘の音がゆっくりな時はそういうときです」 

 クレーはうんざりしたようにこめかみを押さえると遠くに浮かぶ2隻の船影に目を向けた。その目は本当に忌々しいものを見るような、恨みのこもった鋭いものだった。

「おぅ!お前たちもここにいたのか!ったくあいつら、またちょっかい出しにきやがって」

 そしてそこにブルドー公爵がやってきた。公爵は軽装の鎧に着替えており、兵士の一団を引き連れている。

「クレー、腹が立つのは俺も同じだ。だが、あいつらが海の上にいる限り俺たちに勝ち目はねぇ。悔しいがあいつらは海を知り尽くしてやがる、俺たち以上にな」

「父上……しかしこのまま奴らを放置しては……」

 ブルドー公爵も怒りのこもった目で遠くの海賊船を見つめていた。公爵親子はこの町を守るためにほんとに日々神経をすり減らせているのだろう。

 そう思うと俺もだんだん腹が立ってきた。

「公爵……あの2隻に手を出すと町に被害が出たりしますか?」

「報復に来るかも知れねえが、町に被害なんか出させるものか。沈められるもんなら俺が今すぐ沈めてやりてえぐらいだ」

 公爵は怒りに目を血走らせ、拳を固く握っていた。そりゃそうだよな……

 俺はあたりを見回すとあちこち歩き回っていい感じに大きめの石を集めた。

「おい、お前こんな時に一体何やってんだ?」

 ブルドー公爵には俺がふざけているように見えたのか、その声には少し苛立ちの色が混じっていた。

「ん?シリウス?」

「シエナ、俺は今すごく腹が立ってるんだ」

 そして身体強化を限界まで自分に付与した。

「ま、まさかやっちゃうの!?やっちゃうのね!分かったわ!あいつらは私の海デビューを邪魔してくれたんだから……お仕置きしてやるわ!」

 シエナは俺のやろうとしていることに気づいたようだ。

「じゃ、やろっか?水面ギリギリを狙うんだ。なんなら少し水面に浸かってるくらいがちょうど良い」

 俺の言葉に無言で頷くシエナ。そして俺たちは石を次々と遠く離れた海賊船に投げつけた。

「な!?そんなバカな!?」
「おぉぉ!?……な、なんてことだ……」

 クレーも公爵もはるか遠くまで一直線に飛んでいく石を見ながら目を丸くしていた。

 石は次々と海賊船に命中し、水しぶきが盛大に上がる。着弾に少し遅れて重たい打撃音が港に返ってきた。いくつも大穴の出来た2隻の船は徐々に傾き始めていた。

 俺とシエナはそれぞれ最後の一つの石を握りしめ、不安定に旋回しながらも引き返そうとしている2隻に狙いを定めた。

「シエナ、外すなよ?」

「シリウスこそ!」

 そして俺たちの渾身の一投が2隻の海賊船に止めを打った。無理な旋回をしていた途中ということもあり完全にバランスを崩した2隻はそのまま海上に横転した。

「ふぅ、いっちょ上がりね!」

 シエナは額の汗を拭う仕草をしてみせた。もちろん、汗なんてかいてないけど。

 やけに周りが静かだと思い俺が後ろの公爵たちを振り返ると、公爵もクレーも兵士たちも、皆その場で固まっていた……

「…………」

「あー、えっと……海賊船撃沈!」

 俺は拳を天に突き上げて、硬直している彼らに勝利を宣言してみせた。

「ガハハハハハ!!」
「うぉぉぉぉぉぉ!」
「おぉぉ!!」
「やった!やったぞ!」
「ハハハハ、ついに、ついに一矢報いてやることが出来たのか!」
「万歳!」

 そして港には公爵親子と兵士たちの歓声が轟いた。
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