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第117話 戦士学校
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翌日、僕とアレンはノースリタシティにいた。地元の連中でそこそこ魔力があるやつはノースリタシティの魔法学校にいる。この町の魔法学校に4人、そして戦士志望のやつが戦士学校に3人いる。この町に元クラスメイトが7人いるから、すべて殺せばおそらくレベル99になれる。
今は夏休み中盤なので、故郷に帰省中のやつと、すでに帰省は終わらせてノースリタシティに戻っているやつがいる。ノースリタシティにいるやつから順番に殺そう。
戦士学校は、夏休みが短く、すでに実習しているから、まず戦士学校に通う3人を殺すことにした。
戦士学校の生徒たちは、この暑い中、校庭で戦闘実習を行っていた。生徒たちは、二人一組で、模造剣を使って戦闘の練習をしている。
「戦士学校って大変そうだなあ。やっぱり、僕は戦士はできないや」
草むらに隠れて訓練を見ながら、僕はつぶやいた。
「はい、僕も同じくです」
僕の横でアレンも言った。アレンも僕と同じで小柄かつ脆弱なタイプで、どう考えても戦士は向いていない。もしアレンが戦士ができるような体なら、魔力がないことをここまで気に病まずに済んだだろう。
戦闘実習の最中に、生徒が一人倒れた。先生が手際よく運び出し、他の生徒も動じることなく練習を続けている。
「キルルさん、殺しました?」
「僕じゃないよ。倒れたやつ、知り合いじゃないし。多分、暑さにやられて倒れたんだよ」
戦士学校の生徒達は、甲冑に身を包んでいてとても暑そうだ。
しかし、この状況は殺すのにうってつけだ。
いきなり倒れても、暑さにやられて急死した、で片付けられるだろう。よし、早速殺そう。
「さて、3人のうち誰から殺そうかなあ」
戦士学校にいるやつらだ。昨日までに殺した連中より、粗暴なやつらだった。3人共に、僕に石を投げたり、服を破ったり、蹴ったりしてきた。
戦闘実習の様子を見て、3人の中で特に疲弊している印象だったスコットを殺すことにした。即死魔法の呪文を唱えると、スコットは倒れた。最初は戦士学校の生徒達も、暑さに倒れたと解釈していたが、死んでいることに気づいて騒ぎ出した。
「ふふふ、また明日だね」
スコットが担架で運び出されるのを眺めながらつぶやいた。
ノースリタシティでは、夜は普通に宿の部屋を借りて寝た。先日の野宿しながらの十日間より随分快適だ。
「いい部屋ですね。いいんですか、僕の宿代まで出してもらって」
アレンが部屋を見渡しながら言う。一人じゃ心細いのでアレンと同室にした。
「いいのいいの。この間ドラゴン倒した懸賞金と、死刑執行の手当で結構お金あるし。そうだ料理も運んでもらおう。アレン、好きなの頼んで」
「『即死魔道士』も結構儲かるんですね。僕ももうすぐあの世行きなので、遠慮なくいいもの食べときます」
「うん、そうしよう!」
アレンは、南の地方出身なので、ノースリタシティの料理は新鮮だったらしく、珍しく機嫌よく食事していた。
翌日も、変わりなく実習は行われていた。死者が出たというのに、戦士学校は割とシビアなようだ。遠慮なく、昨日と同じように一人殺すことにした。イールを殺した。またしても死者が出て、生徒たちには大きな動揺が見られた。
その夜も、宿を取ることにしたが、念のため宿は変えた。ノースリタシティは割と大きい街なので、宿はいくらでもある。せっかくなので、ノースリタシティの宿を行脚して楽しんでいた。
「えへへ、泊まり歩きながら毎日殺し回れるなんて楽しいなあ!」
宿屋のふかふかしたベッドに寝転び、僕ははしゃいだ。水魔法で仕掛けがしてあるのか、部屋の中は涼しく快適だ。
「キルルさんてば、殺すたびに生き生きしちゃって。ほんとに中身悪魔ですね」
アレンは相変わらず毒ばかり吐いている。しかし、僕も感覚がズレたところがあるので、正面切って指摘してくれる人がいるのはありがたいことかもしれない。
「うーん、何年も僕をいじめたやつらを殺して何が悪いの? 僕が悪魔なら向こうも悪魔じゃない?」
「ふふふ、確かになんで悪いんでしょうねー」
アレンは笑ってはぐらかした。アレンとしては僕がこのままでいてくれた方がいいわけで、僕に道徳的な説教なんてするわけがなかった。
翌日、戦士学校に行くと、実習はやっていなかった。校舎内に人の気配がするので覗きに言った。教室内で、体調管理について授業しているようだ。その授業も虚しく教室からはまた一人死んだ。ジトという生徒で、もちろん僕の元クラスメイトであり、殺したのは僕だ。
これでおそらく僕はレベル95だ。僕とアレンは、ノースリタシティで一番大きい魔法学校に向かった。残る元クラスメイトは残り11人。ふふ。なんて楽しい夏なんだろう。
今は夏休み中盤なので、故郷に帰省中のやつと、すでに帰省は終わらせてノースリタシティに戻っているやつがいる。ノースリタシティにいるやつから順番に殺そう。
戦士学校は、夏休みが短く、すでに実習しているから、まず戦士学校に通う3人を殺すことにした。
戦士学校の生徒たちは、この暑い中、校庭で戦闘実習を行っていた。生徒たちは、二人一組で、模造剣を使って戦闘の練習をしている。
「戦士学校って大変そうだなあ。やっぱり、僕は戦士はできないや」
草むらに隠れて訓練を見ながら、僕はつぶやいた。
「はい、僕も同じくです」
僕の横でアレンも言った。アレンも僕と同じで小柄かつ脆弱なタイプで、どう考えても戦士は向いていない。もしアレンが戦士ができるような体なら、魔力がないことをここまで気に病まずに済んだだろう。
戦闘実習の最中に、生徒が一人倒れた。先生が手際よく運び出し、他の生徒も動じることなく練習を続けている。
「キルルさん、殺しました?」
「僕じゃないよ。倒れたやつ、知り合いじゃないし。多分、暑さにやられて倒れたんだよ」
戦士学校の生徒達は、甲冑に身を包んでいてとても暑そうだ。
しかし、この状況は殺すのにうってつけだ。
いきなり倒れても、暑さにやられて急死した、で片付けられるだろう。よし、早速殺そう。
「さて、3人のうち誰から殺そうかなあ」
戦士学校にいるやつらだ。昨日までに殺した連中より、粗暴なやつらだった。3人共に、僕に石を投げたり、服を破ったり、蹴ったりしてきた。
戦闘実習の様子を見て、3人の中で特に疲弊している印象だったスコットを殺すことにした。即死魔法の呪文を唱えると、スコットは倒れた。最初は戦士学校の生徒達も、暑さに倒れたと解釈していたが、死んでいることに気づいて騒ぎ出した。
「ふふふ、また明日だね」
スコットが担架で運び出されるのを眺めながらつぶやいた。
ノースリタシティでは、夜は普通に宿の部屋を借りて寝た。先日の野宿しながらの十日間より随分快適だ。
「いい部屋ですね。いいんですか、僕の宿代まで出してもらって」
アレンが部屋を見渡しながら言う。一人じゃ心細いのでアレンと同室にした。
「いいのいいの。この間ドラゴン倒した懸賞金と、死刑執行の手当で結構お金あるし。そうだ料理も運んでもらおう。アレン、好きなの頼んで」
「『即死魔道士』も結構儲かるんですね。僕ももうすぐあの世行きなので、遠慮なくいいもの食べときます」
「うん、そうしよう!」
アレンは、南の地方出身なので、ノースリタシティの料理は新鮮だったらしく、珍しく機嫌よく食事していた。
翌日も、変わりなく実習は行われていた。死者が出たというのに、戦士学校は割とシビアなようだ。遠慮なく、昨日と同じように一人殺すことにした。イールを殺した。またしても死者が出て、生徒たちには大きな動揺が見られた。
その夜も、宿を取ることにしたが、念のため宿は変えた。ノースリタシティは割と大きい街なので、宿はいくらでもある。せっかくなので、ノースリタシティの宿を行脚して楽しんでいた。
「えへへ、泊まり歩きながら毎日殺し回れるなんて楽しいなあ!」
宿屋のふかふかしたベッドに寝転び、僕ははしゃいだ。水魔法で仕掛けがしてあるのか、部屋の中は涼しく快適だ。
「キルルさんてば、殺すたびに生き生きしちゃって。ほんとに中身悪魔ですね」
アレンは相変わらず毒ばかり吐いている。しかし、僕も感覚がズレたところがあるので、正面切って指摘してくれる人がいるのはありがたいことかもしれない。
「うーん、何年も僕をいじめたやつらを殺して何が悪いの? 僕が悪魔なら向こうも悪魔じゃない?」
「ふふふ、確かになんで悪いんでしょうねー」
アレンは笑ってはぐらかした。アレンとしては僕がこのままでいてくれた方がいいわけで、僕に道徳的な説教なんてするわけがなかった。
翌日、戦士学校に行くと、実習はやっていなかった。校舎内に人の気配がするので覗きに言った。教室内で、体調管理について授業しているようだ。その授業も虚しく教室からはまた一人死んだ。ジトという生徒で、もちろん僕の元クラスメイトであり、殺したのは僕だ。
これでおそらく僕はレベル95だ。僕とアレンは、ノースリタシティで一番大きい魔法学校に向かった。残る元クラスメイトは残り11人。ふふ。なんて楽しい夏なんだろう。
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