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魔の島の真実
しおりを挟む魔の島へ来てから何日経ったのでしょう。毎日が平和に過ぎて行きます。
朝起きてメデューサやユニコーンと世間話をした後は、午後からマンドラゴラ達と柴刈りへ行ったり海へ貝を拾いに行く。
そして日が沈めば、今日一日を無事過ごせた事に感謝し、就寝する。
毎日がとても幸福です。
キュキュキュキュ、
「えっ、私この島でのんびり暮らすんじゃないの?やる事があるの?」
キュキュッキュ、
マンドラゴラ達は、私にはまだやる事がたくさんあるのだと言います。
「ねぇ、私って何か使命があってこの島へ来たの?」
キュキュッ、
「えっ、私のうなじの赤花の痣って、マンドラゴラの花の模様なの?じゃあ聖女の証ではなかったんだ。」
キュキュキュキュキュキュキュ、キュ、
「ええ~っ、この島は魔の島じゃなくて、聖なる島だったの!?それで、私はこの聖なる島の聖女だと言うのね。」
キュ、
「まだ何か隠してる事があるでしょう。」
キュッ!
「うん、うん、まだ今は言えないのね。そしてあなた達が私を導く導師だと言うのね。」
キュキュッ
「分かったわ。私はこの島が好きなの。この島に住むユニコーン達も大好き。だから、この島の為になる事なら何でもする!あなた達の導きに従うわ。」
キュー
「うん、これからは聖なる島の聖女としての修行をしなきゃならないのね。」
キュキュキュッ
「いいわ。やりましょう!」
こうして私は魔の島でのまったりライフに別れを告げ、この島の聖女としての修行の日々を迎えることになりました。
でも、良いんです。
私もこの島の一員として、立派に役割を果たせるのなら願ってもないことです。
その頃隣国の飲食店では、最近入ったという女店員のミチルが、張り切って働いてました。
「ミチルちゃん、こっちも注文頼むよ。」
「はぁい、今行きますぅ。」
トテトテトテ‥‥
「お待たせしましたぁ。ご注文は何ですかぁ?」
テヘッ。
「‥‥あっ、エールとチキンを二つずつ頼むよ。」
「はぁい、かしこまりましたぁ。」
トテトテトテ、ドテンッ。
「痛~いっ。転んじゃったぁ、でも頑張るもん!」
ウインク!トテトテトテ‥‥
「‥‥。はぁ、なんかここの店員と話してると疲れるなぁ。」
「‥そうだな。同感だ。次からは別の店に行こうか。」
「ああ。」
こうして女店員ミチルの活躍により、この飲食店には閑古鳥が鳴くようになりました。
「店長~暇ですね。せっかくだから、ミチルといっぱいお話しませんかぁ?」
「ああ、せっかくだけど断るよ。そして君は今日でクビだ。」
「ええ~、そんなぁ。じゃあ明日から私はどうすれば良いんですかぁ?」
「知らないよ!こっちこそ君のせいで大損害だ。すぐに出て行ってくれ!」
こうして女店員ミチルは、隣国で次の職を探して彷徨うのでした。
「何よ!私は可愛くて若いのよ!もっとチヤホヤされても良いはずじゃない!」
「綺麗なお姉さん、良ければ話を聞くよ。」
ミチルの背後から、怪しげな優男が現れました。
「それにね、良い仕事があるんだ。この国のお城にも行けるよ。」
「行く!行くわよ、今すぐ行けるわ。」
ミチルはお城という言葉に釣られて、この男について行ってしまいました。
この男が言うには、ミチルを貴族の娘としてさる爵位持ちの御館へ養子入りさせて、ミチルの美貌でこの国の第一王子を籠絡し操る計画があるのだというのです。
「やだぁ、私にピッタリのお仕事ね。」
こうしてミチルは隣国の貴族の養子となりました。
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