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ゴディバル公爵のお披露目
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グスタフがゴディバル公爵として正式に後継を認められ、世間的にもその事実が広まり定着した頃…
彼がゴディバル公爵として社交の場に顔を出す日がやってきました。
彼の公爵としてのお披露目式の正式な日取りが決まったのです。
あまり社交の場に現れる事のない新しいゴディバル公爵の姿に皆興味津々でした。
しかも新しいゴディバル公爵は、かつての不細工で陰気ではあるものの優秀な王宮の騎士団長でもあるのですから…
外観はどうあれ結婚相手にはもってこいの地位の若い男性でもあるので、年頃の若い娘を持つ貴族達はあわよくば結婚相手に…と期待をこめて披露式の日を今か今かと待ち焦がれていました。
もちろんそういった好意的な思いで彼の姿を見るのを楽しみしている貴族ばかりがいるわけではありません。
中には彼の外観を笑ったり馬鹿にしたい気持ちでいる貴族もいました。
そんなさまざまな思惑の中、いよいよお披露目式が開催されました。
その日みんなの前にあらわれた新しいゴディバル公爵の姿に皆は当然驚愕しました。
かつての陰気で汚らしくどことなく自信なさげな様子などなく、前髪をかきあげて端正な素顔を曝け出した絶世の美男子がそこにいたからです。
かつては荒れ放題だった肌や唇も艶っぽく色気を醸し出し、ボサボサだった髪も綺麗に束ねられていたし、騎士として異常に鍛え上げられた肉体も…
ここ最近のハードな事務仕事のせいで不眠不休で過ごしていたせいか、どことなくスマートに引き締まっていました。
それにクールでどこか憂いのある彼の独特の雰囲気もあって、彼の外観に会場の女性の視線は釘付けとなってしまいました。
女性達が頬を染めてざわつく中、そんな彼がある女性の元へと歩いて行きます。
彼に話しかけられて振り返ったその女性は、長い髪を緩くまとめ上げた華やかな顔の見たこともない美女でした。
「えっ、彼女はどこのご令嬢かしら?それにゴディバル公爵とはどんな関係なの?なぜ彼が真っ先に話しかけに行ったの?まさか彼の婚約者!?」
そんな会話が会場内の至る所で聞こえてきました。
ざわつきの中、悪戯っぽい笑顔を浮かべながら2人は手を取り合い会場の中央へと進みました。
2人を取り囲むようにして大勢が輪を作る中、エリーゼの妹のロレーヌとラサール大公の年の差カップルが近づいてきました。
互いに挨拶を済ませた後も、ラサール大公はしばらくの間まるで可愛い弟の晴れ姿を見るかのように愛おしそうにグスタフを見つめていました。
「本当に見惚れてしまうよ。グスタフ、なんで今までこんなに男前な姿を隠していたんだ。…それにエリーゼ嬢、君も君だよ!なぜそんなに美しい素顔を隠していたんだ!それにしてもルモンド侯爵家の女性は皆んな擬態が好きなのかな。色んな姿を見せてくれるけど一体どの姿が本当の姿なんだ?ロレーヌ?」
「…さあ、とりあえず色んな魅力が満載という事でしょうね。」
「あっはっは。」
ラサール大公はロレーヌやエリーゼよりも二回りも歳上とは思えないほど、見た目が若々しいのはもちろんの事、性格の方もかなりやんちゃなようです。
ラサール大公とグスタフが2人連れ立ってどこかへ向かった後、ロレーヌとエリーゼは久しぶりに2人きりで語らう事になりました。
ロレーヌはエリーゼに近づこうとする人々達から彼女を庇うかのように、そっと別室へと連れていく事にしました。
2人の後ろの方で大勢の人が落胆する声が聞こえてきます。エリーゼにはロレーヌがその様子を楽しんでいるようにもみえました。
…ロレーヌも大公も悪戯好きなんだから。本当、似た者夫婦ね。
エリーゼは苦笑いを浮かべました。
特別な防音機能が施された頑丈な別室で2人きりになると、ロレーヌは早速エリーゼを質問攻めにしました。
グスタフの見た目の変化の事、それにエリーゼが美しい素顔を晒すようになった事、それから…
「ところでお姉様。いつものあのおかしなハプニングを起こしてしまう体質はまだ健在?」
「そういえば最近はあまり大したハプニングもなく平和に過ごせているみたい。…そもそもその変な体質も、運命の相手を見つける為の動物の本能のような物らしいから、今の私にはもう必要がないしなくなってしまったのかも。」
「…良かったわね、お姉様。でも正直なところ少し残念。つまんないっ!」
「あなた相変わらず良い性格してるわね。」
エリーゼが嫌味をいうとロレーヌは嬉しそうに笑います。
「さて、そろそろいいかしら。」
話の途中でロレーヌが立ち上がりエリーゼの手を取ります。
そしてエリーゼの両親、弟、グスタフの一族、大公…国の主たる面々にエリーゼに関わる様々な面々が集まっている会場の真ん中へと再びエリーゼを導きます。
「お姉様、婚約おめでとう!今日はお姉様とゴディバル公爵との婚約披露宴も兼ねているのよ。」
そう言うとロレーヌがエリーゼをグスタフの元までエスコートします。
エリーゼが驚いたのはもちろんのこと、この会場に招待されていた全ての貴族達も当然驚いた様子でした。
どよめきながらも、2人の婚約を祝う声が所々からあがりました。
そんなぎこちない様子で若い2人の婚約を祝うようなおかしな会場全体の雰囲気をロレーヌと大公夫婦は楽しんでいるかのようでした。
彼がゴディバル公爵として社交の場に顔を出す日がやってきました。
彼の公爵としてのお披露目式の正式な日取りが決まったのです。
あまり社交の場に現れる事のない新しいゴディバル公爵の姿に皆興味津々でした。
しかも新しいゴディバル公爵は、かつての不細工で陰気ではあるものの優秀な王宮の騎士団長でもあるのですから…
外観はどうあれ結婚相手にはもってこいの地位の若い男性でもあるので、年頃の若い娘を持つ貴族達はあわよくば結婚相手に…と期待をこめて披露式の日を今か今かと待ち焦がれていました。
もちろんそういった好意的な思いで彼の姿を見るのを楽しみしている貴族ばかりがいるわけではありません。
中には彼の外観を笑ったり馬鹿にしたい気持ちでいる貴族もいました。
そんなさまざまな思惑の中、いよいよお披露目式が開催されました。
その日みんなの前にあらわれた新しいゴディバル公爵の姿に皆は当然驚愕しました。
かつての陰気で汚らしくどことなく自信なさげな様子などなく、前髪をかきあげて端正な素顔を曝け出した絶世の美男子がそこにいたからです。
かつては荒れ放題だった肌や唇も艶っぽく色気を醸し出し、ボサボサだった髪も綺麗に束ねられていたし、騎士として異常に鍛え上げられた肉体も…
ここ最近のハードな事務仕事のせいで不眠不休で過ごしていたせいか、どことなくスマートに引き締まっていました。
それにクールでどこか憂いのある彼の独特の雰囲気もあって、彼の外観に会場の女性の視線は釘付けとなってしまいました。
女性達が頬を染めてざわつく中、そんな彼がある女性の元へと歩いて行きます。
彼に話しかけられて振り返ったその女性は、長い髪を緩くまとめ上げた華やかな顔の見たこともない美女でした。
「えっ、彼女はどこのご令嬢かしら?それにゴディバル公爵とはどんな関係なの?なぜ彼が真っ先に話しかけに行ったの?まさか彼の婚約者!?」
そんな会話が会場内の至る所で聞こえてきました。
ざわつきの中、悪戯っぽい笑顔を浮かべながら2人は手を取り合い会場の中央へと進みました。
2人を取り囲むようにして大勢が輪を作る中、エリーゼの妹のロレーヌとラサール大公の年の差カップルが近づいてきました。
互いに挨拶を済ませた後も、ラサール大公はしばらくの間まるで可愛い弟の晴れ姿を見るかのように愛おしそうにグスタフを見つめていました。
「本当に見惚れてしまうよ。グスタフ、なんで今までこんなに男前な姿を隠していたんだ。…それにエリーゼ嬢、君も君だよ!なぜそんなに美しい素顔を隠していたんだ!それにしてもルモンド侯爵家の女性は皆んな擬態が好きなのかな。色んな姿を見せてくれるけど一体どの姿が本当の姿なんだ?ロレーヌ?」
「…さあ、とりあえず色んな魅力が満載という事でしょうね。」
「あっはっは。」
ラサール大公はロレーヌやエリーゼよりも二回りも歳上とは思えないほど、見た目が若々しいのはもちろんの事、性格の方もかなりやんちゃなようです。
ラサール大公とグスタフが2人連れ立ってどこかへ向かった後、ロレーヌとエリーゼは久しぶりに2人きりで語らう事になりました。
ロレーヌはエリーゼに近づこうとする人々達から彼女を庇うかのように、そっと別室へと連れていく事にしました。
2人の後ろの方で大勢の人が落胆する声が聞こえてきます。エリーゼにはロレーヌがその様子を楽しんでいるようにもみえました。
…ロレーヌも大公も悪戯好きなんだから。本当、似た者夫婦ね。
エリーゼは苦笑いを浮かべました。
特別な防音機能が施された頑丈な別室で2人きりになると、ロレーヌは早速エリーゼを質問攻めにしました。
グスタフの見た目の変化の事、それにエリーゼが美しい素顔を晒すようになった事、それから…
「ところでお姉様。いつものあのおかしなハプニングを起こしてしまう体質はまだ健在?」
「そういえば最近はあまり大したハプニングもなく平和に過ごせているみたい。…そもそもその変な体質も、運命の相手を見つける為の動物の本能のような物らしいから、今の私にはもう必要がないしなくなってしまったのかも。」
「…良かったわね、お姉様。でも正直なところ少し残念。つまんないっ!」
「あなた相変わらず良い性格してるわね。」
エリーゼが嫌味をいうとロレーヌは嬉しそうに笑います。
「さて、そろそろいいかしら。」
話の途中でロレーヌが立ち上がりエリーゼの手を取ります。
そしてエリーゼの両親、弟、グスタフの一族、大公…国の主たる面々にエリーゼに関わる様々な面々が集まっている会場の真ん中へと再びエリーゼを導きます。
「お姉様、婚約おめでとう!今日はお姉様とゴディバル公爵との婚約披露宴も兼ねているのよ。」
そう言うとロレーヌがエリーゼをグスタフの元までエスコートします。
エリーゼが驚いたのはもちろんのこと、この会場に招待されていた全ての貴族達も当然驚いた様子でした。
どよめきながらも、2人の婚約を祝う声が所々からあがりました。
そんなぎこちない様子で若い2人の婚約を祝うようなおかしな会場全体の雰囲気をロレーヌと大公夫婦は楽しんでいるかのようでした。
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