43 / 43
新しい生活
しおりを挟む
翌朝の早朝から私の侍女としての仕事が始まった。ラミーアが崩壊させた教会と、庭園をレオールとドイールの力を借りて直す。今回はもっぱらレオールが役に立った。お陰で耳の後ろかきかき券を大量に発行する羽目になったのだが、それは良しとしよう。
デューク王といえば、今夜こそはセカンドバージンを奪ってやると何やら鍛えているらしい。相変わらずの馬鹿だ。何を鍛えるというのだ、相変わらず不器用な奴だ。そんな彼を好ましく思えてきた自分に驚く。
デューク王も確かにドSだが、でも健司とは何かが違う気がする。
そんなことを考えながら侍女としての仕事をたんたんとこなす。そうだ、マニュアル本を出してもいいかも。侍女としての心得100とか、潜入!王城の侍女は見た!とか・・・・。うひひひ。
気が付くと、近くの椅子にデューク王が座って私の働きを見ている。ふふん。私の手際の良さにさぞ驚いているに違いない。最近イケメンにも慣れてきたところだ。そんなに見つめられても、気持ち悪くならなくなった。
それにしても何を見ているのだ?
「お前、超侍女になったかどうかって、どういう基準で分かるわけ?」
んーーーー。そういわれれば、そうだ。
「自分が超侍女になったと思った時が、そのときかな?ははは」
「割といい加減だな・・・」
うるさい!いい加減が丁度いいんだよ!!
はたきでデューク王の頭をはたいてやった。埃が鼻に入ってくしゃみをする。ふふん、ざまあみろ、くふふ。
「そういえばそろそろお給料日なんだよね。初めての給料何に使おうかなぁ。るんるん」
「お前は給料無しだろう?」
何ですと!!!私はキッと振り返ってデューク王を睨んだ。
「だってお前、自分がこの城の王妃なの知っているのかい?自分の城を自分で掃除して給料が出る方がおかしいだろう。おこづかいくらいなら渡してやってもいいけどね」
こんのぅ!!ドS王!!
「えーーーー!!だったら離婚する!離縁する!別れる!」
侍女の制服を着たまま、私が怒っているさまを見て面白がっているデューク王にはたきをたたきつけて叫んだ。それをうまくかわして逃げる途中で奴は言った。
「あの時、お前が私の馬車を選んでくれて良かった。おかげで私の人生は今、最高に面白いものになった。好敵手にもあえたしね。愛しているよ、私の王妃様」
ポッ・・。
いや、いまのは違う。決してイケメンにときめいたりしない!!断じて違う!違うからねぇぇぇーーー!!
その後、ボッシュ王国は王と王妃の間にたくさんの子供にも恵まれ、それを囲む4大エレメントの守護精霊の加護を受けて何千年と繁栄をつづけた。隣国のブレダ王国とはたびたび戦争の火種がおこったが、その度に勝負をして決着をつけた。ワンちゃんおいでおいで勝負は王国の間で最もポピュラーな競技として長年行われた。
ユリカは一生の間に野宿生活をする状況には陥らずに、デューク王と仲睦まじく暮らした。民衆はこの夫婦を理想の夫婦として憧れ、なんでも世界苦悶大会で優勝した女性が、一番の理想の女性であるとの価値観が王国中で広まったほどだった。
終わり
デューク王といえば、今夜こそはセカンドバージンを奪ってやると何やら鍛えているらしい。相変わらずの馬鹿だ。何を鍛えるというのだ、相変わらず不器用な奴だ。そんな彼を好ましく思えてきた自分に驚く。
デューク王も確かにドSだが、でも健司とは何かが違う気がする。
そんなことを考えながら侍女としての仕事をたんたんとこなす。そうだ、マニュアル本を出してもいいかも。侍女としての心得100とか、潜入!王城の侍女は見た!とか・・・・。うひひひ。
気が付くと、近くの椅子にデューク王が座って私の働きを見ている。ふふん。私の手際の良さにさぞ驚いているに違いない。最近イケメンにも慣れてきたところだ。そんなに見つめられても、気持ち悪くならなくなった。
それにしても何を見ているのだ?
「お前、超侍女になったかどうかって、どういう基準で分かるわけ?」
んーーーー。そういわれれば、そうだ。
「自分が超侍女になったと思った時が、そのときかな?ははは」
「割といい加減だな・・・」
うるさい!いい加減が丁度いいんだよ!!
はたきでデューク王の頭をはたいてやった。埃が鼻に入ってくしゃみをする。ふふん、ざまあみろ、くふふ。
「そういえばそろそろお給料日なんだよね。初めての給料何に使おうかなぁ。るんるん」
「お前は給料無しだろう?」
何ですと!!!私はキッと振り返ってデューク王を睨んだ。
「だってお前、自分がこの城の王妃なの知っているのかい?自分の城を自分で掃除して給料が出る方がおかしいだろう。おこづかいくらいなら渡してやってもいいけどね」
こんのぅ!!ドS王!!
「えーーーー!!だったら離婚する!離縁する!別れる!」
侍女の制服を着たまま、私が怒っているさまを見て面白がっているデューク王にはたきをたたきつけて叫んだ。それをうまくかわして逃げる途中で奴は言った。
「あの時、お前が私の馬車を選んでくれて良かった。おかげで私の人生は今、最高に面白いものになった。好敵手にもあえたしね。愛しているよ、私の王妃様」
ポッ・・。
いや、いまのは違う。決してイケメンにときめいたりしない!!断じて違う!違うからねぇぇぇーーー!!
その後、ボッシュ王国は王と王妃の間にたくさんの子供にも恵まれ、それを囲む4大エレメントの守護精霊の加護を受けて何千年と繁栄をつづけた。隣国のブレダ王国とはたびたび戦争の火種がおこったが、その度に勝負をして決着をつけた。ワンちゃんおいでおいで勝負は王国の間で最もポピュラーな競技として長年行われた。
ユリカは一生の間に野宿生活をする状況には陥らずに、デューク王と仲睦まじく暮らした。民衆はこの夫婦を理想の夫婦として憧れ、なんでも世界苦悶大会で優勝した女性が、一番の理想の女性であるとの価値観が王国中で広まったほどだった。
終わり
0
お気に入りに追加
490
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(8件)
あなたにおすすめの小説
あなたにかざすてのひらを
あさまる
ファンタジー
※最終話2023年4月29日投稿済。
※この作品には女性同士の恋愛描写(GL、百合描写)が含まれます。
苦手な方はご遠慮下さい。
紅花かすみ。
ごく普通な女子高生。
そんな彼女には、幼馴染が二人いた。
いつから一緒にいるのか。
どのようなきっかけで仲良くなったのか。
そんなものは覚えていない。
それでも、かすみは彼女らの幼馴染であった。
雲一つない青空。
真っ黒な日傘と真っ赤な日傘。
今日もかすみは彼女らと登校するのであった。
※この話はフィクションであり、実在する団体や人物等とは一切関係ありません。
誤字脱字等ありましたら、お手数かと存じますが、近況ボードの『誤字脱字等について』のページに記載して頂けると幸いです。
Fragment-memory of future-Ⅱ
黒乃
ファンタジー
小説内容の無断転載・無断使用・自作発言厳禁
Repost is prohibited.
무단 전하 금지
禁止擅自转载
W主人公で繰り広げられる冒険譚のような、一昔前のRPGを彷彿させるようなストーリーになります。
バトル要素あり。BL要素あります。苦手な方はご注意を。
今作は前作『Fragment-memory of future-』の二部作目になります。
カクヨム・ノベルアップ+でも投稿しています
Copyright 2019 黒乃
******
主人公のレイが女神の巫女として覚醒してから2年の月日が経った。
主人公のエイリークが仲間を取り戻してから2年の月日が経った。
平和かと思われていた世界。
しかし裏では確実に不穏な影が蠢いていた。
彼らに訪れる新たな脅威とは──?
──それは過去から未来へ紡ぐ物語
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
「次点の聖女」
手嶋ゆき
恋愛
何でもかんでも中途半端。万年二番手。どんなに努力しても一位には決してなれない存在。
私は「次点の聖女」と呼ばれていた。
約一万文字強で完結します。
小説家になろう様にも掲載しています。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!
隣のカキ
ファンタジー
私は魔法が使える。そのせいで故郷の村では魔女と迫害され、悲しい思いをたくさんした。でも、村を出てからは聖女となり活躍しています。私の唯一の味方であったお母さん。またすぐに会いに行きますからね。あと村人、テメぇらはブッ叩く。
※三章からバトル多めです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
なんつー話や!
確かに面白かったけど、突き抜けてるぞ!笑
『これ、アリ?』って思わずつぶやきたくなりました。
でも、面白かったです。
娯楽作品としてはまさに最高の逸品。
私としてはダブル王にずっと振り回される(様に見えて実は振り回している)ヒロインというエンドを想像、予想していたのでちょっと意外でした。
実によい作品をありがとうございます!
子供の寝かしつけの時に読みはじめてしまい、腹筋をかなり鍛えさせていただきました。
ケンジもなんだか憎めない人ですね。
番外編で子供たちとの生活なんかも読んでみたいです。
王様が余裕を見せつつも大人げなくヒロインを独占したがったりするのでしょうか…。
楽しいお話をありがとうございました。
かめきち様
まさかこんな古いお話に感想をいただけるなんてありがとうございます。
これ、コメディなんですよね。
まだまだ文章が洗練されてなくて、今読むと恥ずかしいです。
四分の一ほど、書き直したのですが途中で止まっています。
今度それも公開しますね。
TLにできそうな場所が結構ありますので。
感想、ありがとうございました。
本当に嬉しいです。
他の作品が面白かったので、過去作品読んでますが、コレ断トツですっごく面白かったです。
めっちゃ笑いました。
ありがとうございます。
今だったら、もこの設定いかしてもっと話が膨らむんだろうな、という箇所が色々ありましたが、そこをサクサク進む感じもなかなか譲れないですね。
出来れば、ケンジのその後が、気になります。
konokuma 様
すみません。いま初めて感想欄開きました。
これは私の二作目の作品です。なので文章がすごくて自分でも恥ずかしいです。
四分の一ほど書き直したバージョンがありまして、今度続きでアップさせていただきますね。
そうなんですよね。話をまだ膨らませられるなと思いながらも、そのままでした。
これ、確かすごく短期間に書いたので、そのあと目が疲れてカスレ目になったことを覚えています。
あの時は、若かったです。
もうカタカタカタカタと続いてタイプしてましたね。
雑念はないです!
感想、ありがとうございます。嬉しくて泣きそうです。
できればこれからも応援してください。