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エリョリーナ王女婚約破棄 作戦会議

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私はその後、デューク王に近衛兵達にくれぐれも危害を加えないように念をおしておいて、ついでにあの超普通、激平凡な顔の近衛兵さんの情報もさりげなく手に入れておいた。

いやぁ絵に描いたような普通の人で、ますます惚れてしまった。普通の家庭に生まれた5人兄弟の内の3男で、これまた普通の成績で騎士学校を卒業し、これまた普通の勤務態度で、普通の性格。極めつけは名前まで超普通の ベン・スミス。

今度、会ったら結婚してくださいっていってみよう。
ユリカ・スミスか・・・悪くない・・・。

ミルバさんたちをはじめ、他の侍女達は私が怪鳥に食べられたかと思っていたらしく、ものすごく心配してくれた。今日はもう休んでいいと言われたが、超・侍女はこんなことではへこたれないはずなので、今日の仕事は全て終わらせてから自室に篭った。

今日はいつもと違って敷布団にかけ布団がある。

羽毛布団だ・・・・ふわふわ。下はもふもふ。上はふわふわ、下はもふもふ。上は・・・ダメだダメだ。こんなことをしていると眠ってしまう。今はエリョリーナ王女の婚約破棄をどうするかの会議中だ。

レオールに意見を聞いてみる。

「毎日、地震を起こしていればもうこの王国にはいたくなくなるんじゃないか?」

はい、却下。次、シューリ。

「あたしなら、デューク王よりいい男を紹介するわ」

「あー。それいいかも。・・・で、誰かデューク王よりいい男を知ってるの?」

「「「・・・・・・・・・・・」」」無言・・・・。

「分かった。コンセプトは分かった。デューク王よりいい男がいないなら、デューク王が逆に超普通、激平凡になればいいのよ!!!」

シューリが言う。

「あたしがデューク王の顔を、焼いちゃおうかしら?」

「いやそれ別の意味で、超普通、激平凡じゃなくなると思う・・・」

こ・・・怖いこというなぁ。さすがにそれはお城でお世話になっている身としては、御主人に対してそんなことはできないかな。あ・・・いいこと思いついた。

「ハゲにするのはどうかな・・・。丸坊主。つるぴか。それで太ってもらって3段腹になってもらうの」

これは名案だと私は思った。少なくともシューリの案よりは数段いい。シェーバーさえあれば事足りるし、太らせるのは痩せさせるより簡単に思えた。

よし明日デューク王に提案してみよう。とりあえず今夜はもう寝よう。下はもふもふ。上はふわふわ。ぐぅぅぅぅ。
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