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第2章

第122話 ダンジョン都市ドルトミア

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街のあちこちの斡旋所を見て回る途中に大きな建物に関しては一通りチェックを入れていく。お役所的な建物、図書館、兵宿舎、貴族か商人かわからない豪奢な建物。貧富の差もはっきりとしている。
スラム街も存在し、小さな子供たちがあくせくと走り回って、何やら仕事をしている様子も見て取れた。みんな生きるために必死なのだろう。

飲み屋街は閉まっている店が大半だが、仕込みを始めているところや、営業しているところで朝から飲み始めている連中もいる。金があって人に迷惑をかけていなければ自由だな~と改めて感じる。
これまでの街にあまり見られなかった娼館もあるな…。

何か所か魔法訓練学校らしきものも見つけたので後で見学に行こう。個人的にそそられたのが博物館だった。有名な芸術家の絵画や彫刻の展示会が催されているようだが、その横でドルトミアの歴史展が常設展示されているのが、気になったのでこちらも覗いてみよう。

上空から見るとそれほどの大きさでないと思っていたダンジョンだが、野球場2、3個分の大きさがあり、周囲は巨大な外壁に囲まれている。ここに関しては実際に見に行った方がいいかもしれないので覗かなかった。

ルーミエも暇そうにし始めているので出かけることにした。ベッドに横たわるルーミエに手を差し出す。

「お待たせ、さあ、でかけようか」
きゅっと手を握り、笑顔で
「うん」
と、返してくれた。



まずは食料や衣料品の買い込みから始めることにした。ルーミエは料理を覚えたいようなので、素材からの購入にもつきあう。買い物をして、屋台街で昼食をとりつつ、うまそうな物を数日間分買い込んだ。

街ゆく人たちを、分析能力の簡易版(名前、レベル、身長、体重、種族などを)眺める。今のところ驚くような突出した数値を持った冒険者はいない。

続いて博物館に向かう。大通りに面していて古代ギリシャの神殿に使われるような柱で囲われている重厚な建物だ。石造りのせいか中はひんやりとして涼しい。

常設展示 ドルトミアの歴史展
入り口で料金を払うと、説明資料を渡すので記録石(きろくせき)を出すように言われる。

意図してルーミエは提出せず、俺の記録石だけ渡す。台座に記録石をセットして情報を入れている。

この世界では紙と活字という媒体もあるのだが、本として出回っているものは豊富といえるほど多くはない。まだまだ紙は貴重なものだ。
しかし、カラルが開発した記録石(きろくせき)システムは紙を必要としない文字だけ伝達できるの媒体なのだが、情報を伝えるには十分なものでどこにいっても使われている。

記録石を受け取り情報をみながら、展示を回っていく。

広い展示場内をルーミエと手をつなぎ歩いていく。絵巻のような絵がかいてあり、説明が書いてる。先ほど情報をもらった記録石にも同じようなことが書いてあるが、やはり図解がついているとわかりやすさが随分と違う。

要約するとこんな感じだった。

~~~~

2000年前
この地を訪れた1人の魔族がダンジョンを小高い丘に作ったのが始まりだと言われている。

1500年前
ダンジョンの周りには冒険者が行き交うため多くの露天商が集まり、街の原型ができ始める。
一定周期でダンジョンのモンスターの数は増え、時には入り口からあふれ、付近一帯は大災害となった。人々は大災害に備え、モンスターたちが簡単に街に出られないようにダンジョン入り口の周りには壁が作られた。
魔物が増える周期の調査や、ダンジョンの構造を研究する者が現れた。また大量のモンスターに対抗するため、より強力な魔法を開発するための研究機関が立ち上がり、冒険者の養成所ができ始める。
その時の人口は約30万人。最終階層不明。最高到達階層55層。踏破者なし。

1200年前
ダンジョンの別の入り口が発生する。
これまで何もなかったところにぽっかりと穴があいた。穴からはモンスターがあふれるが、冒険者によってすぐに沈静化。2つ目の入り口ができたことにより、最初のダンジョンを第1ダンジョンとし、以降は第2ダンジョンと数字をつけ区別することになる。またそのダンジョンがある地域を数字と合わせて第1区、第2区と呼ぶようになる。
なぜ別のダンジョンが発生したのかは不明。
第1ダンジョン最終階層不明。最高到達階層75層。踏破者なし。
これ以降50年から100年の周期で1つずつダンジョンの入り口が増え始める。

1000年前、エルフが現れた。キズム帝国全体で12名、ドルトミア近郊にも5名のエルフが見つかり、保護された。各国家で保護されていたが、5年ほどで解放され一般市民として生活を始める。エルフの知識や魔法については記憶がなく、新たな技術は得られなかったが、教育を行うことで順応し、元々の素質が高いことが証明された。主に魔力の扱いにも長けており、優秀なものは魔法の開発を行い、研究所を設立し、伝達のための魔法学校、冒険者養成所を設立した。ダンジョンの増加に伴い、冒険者たちが集まり社(カンパニー)が発足する。
第1ダンジョン最終階層不明。最高到達階層80層。踏破者なし。ダンジョンの数8。

現在、魔法学校、冒険者養成所、カンパニーはそれぞれ大きくなり、多く成り行くダンジョンに対抗するべく人材を養成するも、ダンジョンが次々と生まれる。このまま増え続けていくといずれダンジョンが無限に広がるのではないのか政府は懸念し。ダンジョンが増殖する謎を解くか、止めた者に関して、多額の報奨金を用意している。

現時点でダンジョンは32か所、32区にまで広がっている。

~~~~

まさにダンジョンが育て上げた街ドルトミア。本当にダンジョンに飲み込まれてしまう日は来るのだろうか…。
ルーミエも興味深げに展示を見ていた。

さてお次はどこかダンジョンの入り口に向かってみるとするか…。ここから一番近いダンジョンの入り口はどこかな…。

俺は領域(テリトリー)を拡大しながら付近にダンジョンの入り口がないか探る。

第19ダンジョンが近そうだ。常設展示で得た知識が早速役に立った。

博物館から歩くこと30分。真夏日のうだるような暑さの中、ルーミエと歩いていく。2人とも体力は常人よりも多いのでまだ疲れはない。

ダンジョンの入り口は街の通りに面しているわけではなく、競技場のような場所の中にあって、周囲は高い壁に囲まれている。
幾つかある入場門で銀貨1枚の入場料を支払い、中に入ることができる。

暗い回廊を抜けると視界が広がった。

ダンジョンの入り口までに並ぶ屋台。ほこりっぽい土の広場。かなり向こうに見えるダンジョンへの入り口は、縁日の櫓(やぐら)に見えて、ちょっとした夏祭りのようだ。

これからダンジョンに向かうパーティ、店に並ぶ武器や防具を見定める者、大量にポーション関連を買い込む者と同じように俺たちも幾つかの店を眺めていると、ふと貼ってあるチラシに目を奪われた。

俺は店員に声をかける。

「このチラシは明日のこと?」

「はーい、そうですよー」

と店員の狐の獣人娘が元気に答える。

「申し込みはここでもできるの?」

「ええ、記録石(キロクセキ)に登録するだけですぅ」

「この子は記録石ないけど、大丈夫?」

「新規登録できますよ、どうします?」

「ルーミエ、せっかくだからここで登録してもらおう」

ルーミエの記録石にはエソルタ島での公にはできないほどモンスターを倒した記録が入っている。

「いいけど、どうしたのアキト?」

「ほら、これ」

そう言ってチラシを指さす。

~~ ネネコーラン社 第4ダンジョン開口式 ~~

というタイトルのチラシには、明日の日付でネネコーラン社が総力をあげて、現在封印中の第4ダンジョンの1層から5層までを制圧するイベントを開催。見学者並びに討伐協力者は記録石に登録申し込みを当日の朝までに行うこと。

と、書いてある下には、”集え!冒険者”の吹き出しの台詞は学校の部活動募集と同じような感じで、獣人男性が描かれていてまあまあ上手い。

「アキトが参加したいのだったら、別にかまわないよ」

俺は店員に記録石を渡し、ルーミエは新たに登録してもらう。記録石を新しくもらったルーミエの討伐記録はエソルタ島に渡る前までの情報になっている。

「代表者はどちらです?」

「私よ」

ルーミエが答える。
この冒険生活を始めるにあたり、目立ちたくないという理由で代表者などはルーミエや一緒にいる嫁に任せることにしている。

「はーい、登録完了だよ。鐘が2つなる頃に第3ダンジョン防災壁入り口にきてね。あとおまけでここのダンジョンの地図を5層分サービスしておくね」
この周囲の壁は防災壁というのか…。鐘が2つで日の出から2時間くらい、いわゆる早朝だ。
紙でこのダンジョンの内部の地図をくれた。

登録が済み、再び第19ダンジョンの入り口に向かう。

「開口式って何?」

先ほどもらったチラシを見ながら俺は答える。

「第4ダンジョンの封印期間は15年。わざわざ封印を解いて、その制圧に乗り出すってことだよ。内部の状況やどうやって制圧していくのかは分からないけれど、会社の力を見せるパフォーマンスかな。考えられるメリットは…冒険者の確保とか、開口…閉じていたものをあけるから、恐らく大量にあふれ出てきて効率がいいとかが考えられるかな」

「カンパニーっていうのも大変なのね」

「いろんなカンパニーがありすぎていてね、どこに所属したらいいのかわからなくなっていたんだ。体験入社みたいなものだよ」

「今から向かうダンジョンは?」

「似たようなモンスターが出てくるだろうから、今日は肩らなし程度で軽く様子を見て、早めに夕食にしようか」

「うん」



ダンジョンの入り口は防災壁施設の中央にあり、円柱のような形の建物で入り口は蓋をされている。その建物の入り口は高さ、幅はおよそ10m。左右には戸袋があって金属の分厚い扉が納められている。

全部で扉は5列あり、非常事態には中から順番に閉じていくようだ。開口式ではこの扉を順にあけていくのだろう。

金属の扉を手でさすりながら通り抜ける。奥にはダンジョンへ続く大階段がある。

疲れた表情で出てくるパーティや今回の成果について語りながら意気揚々と出てくるパーティとすれ違う。

1層目に降り立った俺は用心のため極私的絶対王国(マイキングダム)発動し継続治癒魔法を俺とルーミエにかけておく。

階段を下りて一番驚いたことは、中が明るいことだった。ダンジョンの天井自体がうっすら光っている。この明るさがあればたいまつを持って歩かなくてもいいので便利だ。

やはり1層目は刈り尽くされているのか、モンスターとの遭遇はなく、幾つかのパーティとすれ違い、モンスターの屍が多く転がっている。

5層目でようやく遭遇した剣と防具を装備したオークの10体。

俺が手出しするまでもなく、速攻でルーミエが切り刻む。

モンスターからのドロップがあったが、死体はそのまま残った。カラルの創造したダンジョンではモンスターはすべて光の塵となってダンジョンに吸収されるのだが、ここはそうではないらしい。
腐っていくのか、それとも徐々にダンジョンに吸収されているのだろうか。

更に進むとオオカミらしき獣の群れにも遭遇する。その数は40体ほどだろうか、通路いっぱいでこちらに向かってくる。

動きは速いが問題ない。2人して剣のみで戦う。

俺もよほどのことがない限り、圧縮火炎球(フレア)や極私的絶対王国(マイキングダム)での”絶命”は使わず、なるべく一般の冒険者と同じように戦うことにしている。

ルーミエの死角をフォローしながら、戦うことでいいコンビネーションがとれた。

その後もモンスターの群れと遭遇するが剣のみで対処できたので、6層目に下る階段で引き返すことにした。
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