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第1章
第百一話 魔人たちとの対決
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ユウキが生まれ育った街をゆっくり歩き広場にたどり着いた。二、三割の建物が倒壊しているが、綺麗な街並みだったことがうかがえる。
広場のベンチに腰掛ける。
人の営みがあればこそ街の景観が保たれるというもので、放置されているといろんなところから雑草が生えている。
魔人たちはこちらの世界の地脈エネルギーを吸い上げ、利用しているって言っていたな……どこの世界でも資源を求めて争うことは変わらないものなのか。魔人からみれば人なんて蟻のように弱い存在だ。奴らにしてみれば支配されるのは当然の存在なのかもしないが、こちらの世界の人間は誰ひとりとしてそれを望まないだろう。
そんなことを考えながら戦闘準備をする。継続治癒魔法……発動。”常世の姿見”も宝具ストレージから出そうと思ったが、あの武器は鏡に映った風景を切り取ってしまう強力な破壊力を持っている。建物はできるだけ壊したくないので使わないことにした。
そのまま広場でぼーっとしていると極私的絶対王国(マイキングダム)に反応があった。
さっきから小動物などを相手に練習していたクロックアップへの連携もスムーズに行えるようになった。
反応があった対象は五メートルくらいの赤黒く燃え上がる隕石のようなファイアーボールだった。魔人は全て”戦士”タイプだと思っていたが、魔法を使える奴がいたようだ。
カラルと魔法をぶつけて実験していたときのことを思い出す。極私的絶対王国(マイキングダム)の魔法としての強度はかなり高い。ここでの絶対的な支配権は俺にあることを強く意識して心の中で命じる。
”消えろ”
その命令一つで巨大な火の玉は気流や温度の変化を感じさせることなく最初から存在しなかったかの如く完全に消える。20000を超えるMPを持つ俺にとって影響は少ない。
魔法を放った奴の居場所を突き止める。
アイテムボックスから妖刀ロウブレンを取りだしつつ、魔法使いの場所へ全速力で駆けていく。魔法使いの魔人はさらに魔法を繰り出そうと手を前にかざしている。
”詠唱禁止”
魔人に向けて命令すると詠唱が止まり、口をパクパクしてなんともマヌケな感じだな。手の前に集中していたファイヤーボールも少しずつしぼんでいるようだ。少しすると諦めたのか、背を向けて逃げようとしている。
すべての動作が全てスローモーションで動き、音もなく静かな世界。
さらに俺は命じる。
”束縛”
後ろ向きになったところで動きが止まる。そこへ頭から胴体にかけて真っ二つに切る。
一息つく間もなく空中から魔人が俺を目がけて降下してきているのと、さらに左右から魔人がこちらに向かってくる。
まずは上空にいる魔人は空中で束縛を命じる。その近くに箱魔法を鋭利な刃物と化したものを生成して高速回転させながら、何度も切りつけると血しぶきがあがり、血の雨が降ってくる。
地上を駆けてくる魔人二体に意識を向ける。
一体を束縛して地面から持ち上げる。地面との接地部分をなくすことで、強靭な肉体を使って抵抗する力がずいぶん弱くなり、MPの消費がかなり抑えられる。アズアフィアの炎の力を借りた強化版圧縮火炎球(マグマボール)を十発ぶつけると跡形もなく消えた。
それと同時進行で妖刀ロウブレンを取り出し残ったの一体へ突っ込んでいく。魔人の攻撃を迎え撃つ剣ごと胴体をぶった切る。
魔人四体を倒すのに十秒もかからなかった。
□
アキト以外の四人は地中に残り、アキトが魔人を倒す様子を戦術管制画面(タクティクスコンソール)で見ていた。
「なんて戦い方なの……」
ルーミエがつぶやく。
広場で無防備に佇むアキトに見たこともない隕石のような炎の塊が向かっていく。しかしどういう理屈でそうなったのかがわからないが、何事もなかったかのようにアキトの目の前で消えてしまう。
画面には映っていなかった魔法を使う魔人を見つけ出し、もう一度詠唱を行っていたが術が発動する前に妖刀ロウブレンで倒していく。
そのあとすぐに魔人三体が現れ、空中で動けなくなった魔人をガラスの板のようなもので切り刻み、地上にいた二体も金縛りにでもあっているかのようにほとんど何も出来ずに、青いファイヤーボールと妖刀ロウブレンで倒された。
これらの出来事はほんの数秒で起きたことだ。動きは速すぎで目で追えず勝負はほんの一瞬でしかない。その動きに平然と対応しているアキトの戦闘能力にどう表現していいのかわからなかった。
カラルもこれまで俺の戦い方を間近で見てきたが、客観的に見ることでその圧倒的な戦闘能力とこの短い期間での成長を見てため息をついた。
「さらにお強くなられているわね……」
そしてルーミエとユウキに伝える。
「アキト様は経験を積めば積むほど強くなられるわ。それでもさらに強くなろうと努力されているの、だからなんでもいいので気づいたことを伝えるとアキト様は喜ぶと思うわ」
「そうなの?あんなに強いのにあたしたちにアドバイスなんて無理かも……でもそういうところはお兄ちゃんらしいね」
ゾンヌフはエソルタ島奪還の暁にはカガモン帝国で復興に向けての援助を行うとアキトに伝えている。アキトはその見返りとして、正しいことに使うのであれば自分の戦力を自由に使っていいといっていた。しかし、間違いなくこれは世界最強の兵器だ。国家間レベルの交渉にも使えるほどでたらめな強さを持っている。と考え始めていた。
四人は画面の中でさらに魔人を倒していくアキトに一瞬たりとも目が離せなくなっていた。
広場のベンチに腰掛ける。
人の営みがあればこそ街の景観が保たれるというもので、放置されているといろんなところから雑草が生えている。
魔人たちはこちらの世界の地脈エネルギーを吸い上げ、利用しているって言っていたな……どこの世界でも資源を求めて争うことは変わらないものなのか。魔人からみれば人なんて蟻のように弱い存在だ。奴らにしてみれば支配されるのは当然の存在なのかもしないが、こちらの世界の人間は誰ひとりとしてそれを望まないだろう。
そんなことを考えながら戦闘準備をする。継続治癒魔法……発動。”常世の姿見”も宝具ストレージから出そうと思ったが、あの武器は鏡に映った風景を切り取ってしまう強力な破壊力を持っている。建物はできるだけ壊したくないので使わないことにした。
そのまま広場でぼーっとしていると極私的絶対王国(マイキングダム)に反応があった。
さっきから小動物などを相手に練習していたクロックアップへの連携もスムーズに行えるようになった。
反応があった対象は五メートルくらいの赤黒く燃え上がる隕石のようなファイアーボールだった。魔人は全て”戦士”タイプだと思っていたが、魔法を使える奴がいたようだ。
カラルと魔法をぶつけて実験していたときのことを思い出す。極私的絶対王国(マイキングダム)の魔法としての強度はかなり高い。ここでの絶対的な支配権は俺にあることを強く意識して心の中で命じる。
”消えろ”
その命令一つで巨大な火の玉は気流や温度の変化を感じさせることなく最初から存在しなかったかの如く完全に消える。20000を超えるMPを持つ俺にとって影響は少ない。
魔法を放った奴の居場所を突き止める。
アイテムボックスから妖刀ロウブレンを取りだしつつ、魔法使いの場所へ全速力で駆けていく。魔法使いの魔人はさらに魔法を繰り出そうと手を前にかざしている。
”詠唱禁止”
魔人に向けて命令すると詠唱が止まり、口をパクパクしてなんともマヌケな感じだな。手の前に集中していたファイヤーボールも少しずつしぼんでいるようだ。少しすると諦めたのか、背を向けて逃げようとしている。
すべての動作が全てスローモーションで動き、音もなく静かな世界。
さらに俺は命じる。
”束縛”
後ろ向きになったところで動きが止まる。そこへ頭から胴体にかけて真っ二つに切る。
一息つく間もなく空中から魔人が俺を目がけて降下してきているのと、さらに左右から魔人がこちらに向かってくる。
まずは上空にいる魔人は空中で束縛を命じる。その近くに箱魔法を鋭利な刃物と化したものを生成して高速回転させながら、何度も切りつけると血しぶきがあがり、血の雨が降ってくる。
地上を駆けてくる魔人二体に意識を向ける。
一体を束縛して地面から持ち上げる。地面との接地部分をなくすことで、強靭な肉体を使って抵抗する力がずいぶん弱くなり、MPの消費がかなり抑えられる。アズアフィアの炎の力を借りた強化版圧縮火炎球(マグマボール)を十発ぶつけると跡形もなく消えた。
それと同時進行で妖刀ロウブレンを取り出し残ったの一体へ突っ込んでいく。魔人の攻撃を迎え撃つ剣ごと胴体をぶった切る。
魔人四体を倒すのに十秒もかからなかった。
□
アキト以外の四人は地中に残り、アキトが魔人を倒す様子を戦術管制画面(タクティクスコンソール)で見ていた。
「なんて戦い方なの……」
ルーミエがつぶやく。
広場で無防備に佇むアキトに見たこともない隕石のような炎の塊が向かっていく。しかしどういう理屈でそうなったのかがわからないが、何事もなかったかのようにアキトの目の前で消えてしまう。
画面には映っていなかった魔法を使う魔人を見つけ出し、もう一度詠唱を行っていたが術が発動する前に妖刀ロウブレンで倒していく。
そのあとすぐに魔人三体が現れ、空中で動けなくなった魔人をガラスの板のようなもので切り刻み、地上にいた二体も金縛りにでもあっているかのようにほとんど何も出来ずに、青いファイヤーボールと妖刀ロウブレンで倒された。
これらの出来事はほんの数秒で起きたことだ。動きは速すぎで目で追えず勝負はほんの一瞬でしかない。その動きに平然と対応しているアキトの戦闘能力にどう表現していいのかわからなかった。
カラルもこれまで俺の戦い方を間近で見てきたが、客観的に見ることでその圧倒的な戦闘能力とこの短い期間での成長を見てため息をついた。
「さらにお強くなられているわね……」
そしてルーミエとユウキに伝える。
「アキト様は経験を積めば積むほど強くなられるわ。それでもさらに強くなろうと努力されているの、だからなんでもいいので気づいたことを伝えるとアキト様は喜ぶと思うわ」
「そうなの?あんなに強いのにあたしたちにアドバイスなんて無理かも……でもそういうところはお兄ちゃんらしいね」
ゾンヌフはエソルタ島奪還の暁にはカガモン帝国で復興に向けての援助を行うとアキトに伝えている。アキトはその見返りとして、正しいことに使うのであれば自分の戦力を自由に使っていいといっていた。しかし、間違いなくこれは世界最強の兵器だ。国家間レベルの交渉にも使えるほどでたらめな強さを持っている。と考え始めていた。
四人は画面の中でさらに魔人を倒していくアキトに一瞬たりとも目が離せなくなっていた。
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