79 / 182
第1章
第七十八話 素行調査
しおりを挟む
怪しげな高揚感のある雰囲気の中、俺は宰相のゾーンことゾンヌフと皇帝のルゴーことエルゴードと席を囲み、反省会に立ち会っていた。
そんな大学生男子がしそうなコンパの結果報告やダメ出しなどの会話を繰り広げる二人をみていたのだが、ふと、入り口の扉が開かれ、俺は視線を奪われた。
そこには四人の女性が立っていた。もちろん仮面をつけているので素顔は見えない。それにしてもなぜこんなに視線が向いてしまうのだろうか?
隣のゾンヌフはもちろんエルゴードも会話を止めて、扉の方を見ている。
四人の女性たちは、注目を浴びていることを気にせず会場内に入っていく。彼女たちが歩く前に道ができる。
女性たちは一人とは別れて、三人はソファー席にかけて、周りを眺めている。
周囲の男どもは、この時間帯で狙っていた相手といい感じになっているのか、ここまでせっかく高めてきたテンションを捨ててまで、新たに参入してきた女性たちへアプローチを掛けようにもできないでいた。
そう、俺たち以外は……。
「おぉ~、なんて魅力的なんだ……」とエルゴードが呟く……。
少し離れたところに座った女性三人を眺めている。
「ルゴー、ご出陣なさいますか?」
「そうだな……」
まだ行く気ですか?陛下!?
突然、俺たちの視界を遮るように女性が立ちはだかった。
「ごきげんよう。たった今来たところですが、私たちとご一緒いただけませんか?」
さっきの四人の内の一人だ。しかも、逆ナンだ!……ん、待て、この声と甘い感じの香水……カラルか!!!
ということは向こうの三人はレイラ、ルーミエ、ユウキか!みんなきらびやかな衣装に身を包みと豪華な仮面をつけていて、こっちに向かって手を振っている。
なんで来ちゃったの?
分析能力発動……。
四人仮面の”魅力”は+30だった。そんなに気合い入れて作らなくてもいいのに……。
「それは是非とも!」とゾンヌフが答える。
カラルに案内され、三人の待つ席へ移動する。当然のように女性人たちの間に割って入る、ゾンヌフとエルゴード。
ルーミエ、皇帝、ユウキで一つのソファ。カラル、宰相、レイラという形でもう一つのソファに着席して、なぜか三人掛けソファに俺一人で配置された。
ゾンヌフさん……何この配置?
仮面アイテムでさらに魅力的に見える四人の女性に挟まれて、カガモン帝国の皇帝と宰相は鼻の下を伸ばしきっている。
「それでは自己紹介と行こうか!俺は……」と先ほどの流れと同じ感じで始まるが、明らかに男二人のテンションが高い。
ゾンヌフがゾーンと名乗りを上げた後、俺がすかさず割って入る。
「俺は冒険者のジーンだ!」
若干力強くなってしまったが、意図は通じたか、続いてカラルが「ラルよ、よろしくね」
と言ったことでほかの三人もそれぞれ本名ではなく別の名前を名乗った。
同じ展開ではあるが、その間に飲み物が運ばれてきて、みんなで乾杯をする。
俺は……俺はこの世界で自由に生きるって決めたんだ!!!
すかさず極私的絶対王国(マイキングダム)発動する。
いかに皇帝とはいえ、嫁たちには指一本触れさせない!……早い話が、ただの嫉妬です。男の焼きもちはみっともないとは、まさにこのことだ。
自分はさっき別の女性とキスをしたり、アレをする直前まで行ったくせに……なんてわがまま。
ゾンヌフのお得意のトークで盛り上がり、嫁たちも楽しそうに話をしている。レイラはゾンヌフの隣から離れて、俺の隣に来る。
む、ぴったりと密着してきてくれて、嬉しい。
だが、油断は禁物だ。特に皇帝は手が早い、奴は何かにつけてすぐにボディタッチをし始めるのだ。何かあったら、その手の動きを極私的絶対王国(マイキングダム)で止めてやる。
それと気になっていたことが一つあったので四人に聞いてみる。
「四人は今日のこの”会”にどうして参加しようって思ったのかな?」
「初めて参加するんだけど楽しそうだなって思って……」
ユウキは好奇心か。
「わらわの想い人も同じことをしていると聞きましたので、その意趣返しですわ」
カラル姉さん、遊んできても良いって行ってくれたじゃないですか!
「「旦那がオイタしていないか、偵察に来たの!」」
ルーミエとレイラが同じことを言った。やばい怒られる……。
「はははは、愛しの人のことが気になるお方が多いようだね、でもまあ、今日はそういったことは忘れて僕らと楽しもうじゃないか!」
ゾンヌフが相槌を打つと、同時になんて質問するんだといった、俺に目線を送っている。
かなりの腕前を持つ奴でも中々苦戦しているな。しかしこのままでは今日の戦果などを聞き出されかねない。どんな会話をしてもさっきのことがばれるのも時間の問題だ……。
その時だった。ユウキがルゴーこと皇帝に対して
「あの……もしかしてエル殿下だよね?」と問いかけた。
自分の素性がばれるとことは露程にも思わなかったのだろう。
「……はひ?」
間抜けな感じで皇帝ことエルゴートも答えてしまった。
そんな大学生男子がしそうなコンパの結果報告やダメ出しなどの会話を繰り広げる二人をみていたのだが、ふと、入り口の扉が開かれ、俺は視線を奪われた。
そこには四人の女性が立っていた。もちろん仮面をつけているので素顔は見えない。それにしてもなぜこんなに視線が向いてしまうのだろうか?
隣のゾンヌフはもちろんエルゴードも会話を止めて、扉の方を見ている。
四人の女性たちは、注目を浴びていることを気にせず会場内に入っていく。彼女たちが歩く前に道ができる。
女性たちは一人とは別れて、三人はソファー席にかけて、周りを眺めている。
周囲の男どもは、この時間帯で狙っていた相手といい感じになっているのか、ここまでせっかく高めてきたテンションを捨ててまで、新たに参入してきた女性たちへアプローチを掛けようにもできないでいた。
そう、俺たち以外は……。
「おぉ~、なんて魅力的なんだ……」とエルゴードが呟く……。
少し離れたところに座った女性三人を眺めている。
「ルゴー、ご出陣なさいますか?」
「そうだな……」
まだ行く気ですか?陛下!?
突然、俺たちの視界を遮るように女性が立ちはだかった。
「ごきげんよう。たった今来たところですが、私たちとご一緒いただけませんか?」
さっきの四人の内の一人だ。しかも、逆ナンだ!……ん、待て、この声と甘い感じの香水……カラルか!!!
ということは向こうの三人はレイラ、ルーミエ、ユウキか!みんなきらびやかな衣装に身を包みと豪華な仮面をつけていて、こっちに向かって手を振っている。
なんで来ちゃったの?
分析能力発動……。
四人仮面の”魅力”は+30だった。そんなに気合い入れて作らなくてもいいのに……。
「それは是非とも!」とゾンヌフが答える。
カラルに案内され、三人の待つ席へ移動する。当然のように女性人たちの間に割って入る、ゾンヌフとエルゴード。
ルーミエ、皇帝、ユウキで一つのソファ。カラル、宰相、レイラという形でもう一つのソファに着席して、なぜか三人掛けソファに俺一人で配置された。
ゾンヌフさん……何この配置?
仮面アイテムでさらに魅力的に見える四人の女性に挟まれて、カガモン帝国の皇帝と宰相は鼻の下を伸ばしきっている。
「それでは自己紹介と行こうか!俺は……」と先ほどの流れと同じ感じで始まるが、明らかに男二人のテンションが高い。
ゾンヌフがゾーンと名乗りを上げた後、俺がすかさず割って入る。
「俺は冒険者のジーンだ!」
若干力強くなってしまったが、意図は通じたか、続いてカラルが「ラルよ、よろしくね」
と言ったことでほかの三人もそれぞれ本名ではなく別の名前を名乗った。
同じ展開ではあるが、その間に飲み物が運ばれてきて、みんなで乾杯をする。
俺は……俺はこの世界で自由に生きるって決めたんだ!!!
すかさず極私的絶対王国(マイキングダム)発動する。
いかに皇帝とはいえ、嫁たちには指一本触れさせない!……早い話が、ただの嫉妬です。男の焼きもちはみっともないとは、まさにこのことだ。
自分はさっき別の女性とキスをしたり、アレをする直前まで行ったくせに……なんてわがまま。
ゾンヌフのお得意のトークで盛り上がり、嫁たちも楽しそうに話をしている。レイラはゾンヌフの隣から離れて、俺の隣に来る。
む、ぴったりと密着してきてくれて、嬉しい。
だが、油断は禁物だ。特に皇帝は手が早い、奴は何かにつけてすぐにボディタッチをし始めるのだ。何かあったら、その手の動きを極私的絶対王国(マイキングダム)で止めてやる。
それと気になっていたことが一つあったので四人に聞いてみる。
「四人は今日のこの”会”にどうして参加しようって思ったのかな?」
「初めて参加するんだけど楽しそうだなって思って……」
ユウキは好奇心か。
「わらわの想い人も同じことをしていると聞きましたので、その意趣返しですわ」
カラル姉さん、遊んできても良いって行ってくれたじゃないですか!
「「旦那がオイタしていないか、偵察に来たの!」」
ルーミエとレイラが同じことを言った。やばい怒られる……。
「はははは、愛しの人のことが気になるお方が多いようだね、でもまあ、今日はそういったことは忘れて僕らと楽しもうじゃないか!」
ゾンヌフが相槌を打つと、同時になんて質問するんだといった、俺に目線を送っている。
かなりの腕前を持つ奴でも中々苦戦しているな。しかしこのままでは今日の戦果などを聞き出されかねない。どんな会話をしてもさっきのことがばれるのも時間の問題だ……。
その時だった。ユウキがルゴーこと皇帝に対して
「あの……もしかしてエル殿下だよね?」と問いかけた。
自分の素性がばれるとことは露程にも思わなかったのだろう。
「……はひ?」
間抜けな感じで皇帝ことエルゴートも答えてしまった。
22
お気に入りに追加
2,705
あなたにおすすめの小説
ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~
楠富 つかさ
ファンタジー
地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。
そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。
できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!!
第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
チートを極めた空間魔術師 ~空間魔法でチートライフ~
てばくん
ファンタジー
ひょんなことから神様の部屋へと呼び出された新海 勇人(しんかい はやと)。
そこで空間魔法のロマンに惹かれて雑魚職の空間魔術師となる。
転生間際に盗んだ神の本と、神からの経験値チートで魔力オバケになる。
そんな冴えない主人公のお話。
-お気に入り登録、感想お願いします!!全てモチベーションになります-
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる