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037 魔法
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女神に対して、転移関連の動作を禁じると、口をとがらせて不機嫌モードになった。
「ふん、なによ。私の力を封じることができても、そこの六人は簡単にやられはしないわよ!」
確かに女神が言うだけあって、今戦っている護衛は俺のスローモーの動きに対して2人がかりでくらいついている。
「お前さんよ、一体何者なんだ?」
剣を交えている一人が俺に声を掛ける。会話をしながらスキを見つけようというのか?
「魔の者だ」と、俺は端的に答える。
「そうか、見た目が普通の人間だったのでな、気が引けていたんだ。それならここから全力を出させてもらうぞ」
「好きにすればいい、それでお前は女神の何なんだ?」
「俺は昔英雄と呼ばれていた者だ。残りの五人も英傑や勇者で、みんな死後数十年は経過しているが、こうして女神に必要とされた時には助けに馳せ参じるのだ」
「死んでもまだ使役されるなんて、俺はごめんだな」
モンスターを倒すことには全く抵抗はなかったのだが、対人戦闘になるとどうしても命の問題と向き合わなければならない。当たり前のことだが、俺は人を殺したことがなく、霊的な存在が相手なら殺しても罪悪感は感じることはないだろうか。
英雄二人を相手するのはどうも分が悪く、押されている。試しに百体の俺の分身を呼び出す。
「うわっ、なんじゃこりゃ、幻術か?いや存在しているな……ナルーリヤ、頼む!」
どうやら束縛系の術で分身たちの動きが悪くなる。それを四人がかりでばったばったと倒されてしまった。分身の万能バットはかすりもしない。
もう……駄目なのか……。バットに当てることもできなければ、奴隷にする術は行使できない。三人目が加勢すると、相手の攻撃を防ぐことは不可能だ。そうなる前になんとかしないと……。
『ダーリン、魔法が残っているよ。使ってみてよ』
不意に頭の中に闇主様の声が響いた。生活魔法のことか。
生活魔法(火魔法 水魔法、風魔法 土魔法 氷魔法 雷魔法 暗黒魔法、聖魔法、分析魔法)
ファンタジー世界の主要魔法すべてが使用可能という、かなり優待されているとは感じている。肉を焼いたり、洗濯したりなど本当に生活魔法として申し分ないほど、使い勝手は良かった。
魔法の使い方は至って簡単、どの魔法を使うのか、強さ、形はどうするのかを念じるだけだ。人が1人すっぽりと入るような火の玉の大きさを想像して
「ファイヤーボール!」
と、唱える。
かざした手からボフっという音と共に、ファイアーボール射出され、護衛に向かって飛んでいく。1人では防ぎきれないと判断したのか、3人が盾を持って寄り集まり火の玉を受け止める。
じりじりと護衛たちを数メートル後方へ押し込んだが、止められてしまった。
「ふん、なによ。私の力を封じることができても、そこの六人は簡単にやられはしないわよ!」
確かに女神が言うだけあって、今戦っている護衛は俺のスローモーの動きに対して2人がかりでくらいついている。
「お前さんよ、一体何者なんだ?」
剣を交えている一人が俺に声を掛ける。会話をしながらスキを見つけようというのか?
「魔の者だ」と、俺は端的に答える。
「そうか、見た目が普通の人間だったのでな、気が引けていたんだ。それならここから全力を出させてもらうぞ」
「好きにすればいい、それでお前は女神の何なんだ?」
「俺は昔英雄と呼ばれていた者だ。残りの五人も英傑や勇者で、みんな死後数十年は経過しているが、こうして女神に必要とされた時には助けに馳せ参じるのだ」
「死んでもまだ使役されるなんて、俺はごめんだな」
モンスターを倒すことには全く抵抗はなかったのだが、対人戦闘になるとどうしても命の問題と向き合わなければならない。当たり前のことだが、俺は人を殺したことがなく、霊的な存在が相手なら殺しても罪悪感は感じることはないだろうか。
英雄二人を相手するのはどうも分が悪く、押されている。試しに百体の俺の分身を呼び出す。
「うわっ、なんじゃこりゃ、幻術か?いや存在しているな……ナルーリヤ、頼む!」
どうやら束縛系の術で分身たちの動きが悪くなる。それを四人がかりでばったばったと倒されてしまった。分身の万能バットはかすりもしない。
もう……駄目なのか……。バットに当てることもできなければ、奴隷にする術は行使できない。三人目が加勢すると、相手の攻撃を防ぐことは不可能だ。そうなる前になんとかしないと……。
『ダーリン、魔法が残っているよ。使ってみてよ』
不意に頭の中に闇主様の声が響いた。生活魔法のことか。
生活魔法(火魔法 水魔法、風魔法 土魔法 氷魔法 雷魔法 暗黒魔法、聖魔法、分析魔法)
ファンタジー世界の主要魔法すべてが使用可能という、かなり優待されているとは感じている。肉を焼いたり、洗濯したりなど本当に生活魔法として申し分ないほど、使い勝手は良かった。
魔法の使い方は至って簡単、どの魔法を使うのか、強さ、形はどうするのかを念じるだけだ。人が1人すっぽりと入るような火の玉の大きさを想像して
「ファイヤーボール!」
と、唱える。
かざした手からボフっという音と共に、ファイアーボール射出され、護衛に向かって飛んでいく。1人では防ぎきれないと判断したのか、3人が盾を持って寄り集まり火の玉を受け止める。
じりじりと護衛たちを数メートル後方へ押し込んだが、止められてしまった。
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