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第十二章 異界の年明け
381.手を差し伸べる
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エディオスさんの執務室前に到着。
セリカさんは、これ以上にないってくらい……めちゃくちゃ、緊張されてカチコチ状態だ。エディオスさんとちゃんとお話出来るのだろうか……。
僕が扉をノックしてお声をかけてもそのままだったので、扉が開くのを待ちました。
「カティア。…………と、セリカか?」
開けてくださったのはセヴィルさんだった。今朝も会ったのに、やっぱり綺麗でカッコいい……僕にはもったいないくらいの婚約者さんだ。
「あの。セリカさんがエディオスさんに御用があって」
「セリカが? …………大丈夫か?」
セヴィルさんが気づいても、セリカさんはまだカチコチ状態のままでした。僕がドレスの裾を軽く引っ張っても治らないくらいに。
「セリカさん、セリカさん!」
もう少し強く引っ張ってから声をかければ、さすがにセリカさんでもハッと我に返ってくれました。
「あ、あら……私」
「エディオスさんのところに着きましたよ?」
「え、えぇ……」
「呼んでくるか?」
「他の方って中には?」
「休憩に行かせていたから、俺とエディオスだけだ」
「じゃ、セヴィルさん……少しだけ僕とお茶でも?」
「……それは嬉しい申し出だが、セリカをエディオスとだけに?」
「か、かかか、カティアちゃん!?」
「セヴィルさんはもう知っていますので! じゃ!!」
「ふゅふゅぅ!!」
僕とクラウでセリカさんの背中を押して、お部屋の中に押し込む形で入ってもらい。
セヴィルさんが、苦笑いされながら扉を閉めて下さったので……セリカさんにはもう逃げ場はないものと同じ。
さてさて、いきなり告白になるかはわからないけど……進展があってほしいなあ?
「……カティアも、色々積極的になったな?」
「そうですかね?」
たしかに、自分の恋とかには臆病な部分が大きかったけど……。今は、皆さんが、セヴィルさんがいらっしゃるから大丈夫だと思える部分が大きい。
だから、つい笑うとセヴィルさんが僕に手を差し出してきた。
「茶会は本当か?」
「ファルミアさん達に、ちょっと識札飛ばしますね?」
せっかくなので、お茶会は二人きりで過ごしたい。クラウはいるけど、今更だからね?
識札を飛ばしてから……僕らは手を繋いで僕の部屋に向かうことにした。クッキーについては、バレンタイン本番にセヴィルさんには食べてもらうことになったよ?
「……楽しみにしている」
「はい。美味しいクッキー、また作りますね?」
バレンタインまで、あと少し……セヴィルさんの誕生日も間近。あのイヤリングを渡すのも、もうすぐだ。
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