【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

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第十章 冬来たりて

309.ゴルゴンゾーラペンネ-②

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 どうぞ、とマリウスさんがフォークを渡してくださったので、僕とフィーさんはペンネを刺してみる。

 絶妙なアルデンテと見られるパスタ。

 そこにブルーチーズと生クリームベースの美味しそうな香りが相まって。

 心の中で『いただきます』をしてから口に入れる。ちょっと熱かったけど、もちもちした食感に加えてチーズと生クリームのコクが!!?

 塩加減もちょうど良く……望んでいたゴルゴンゾーラペンネと出会えて、僕はぴょんぴょんとその場で飛んだ!!


「これです!! 美味しいです!!」
「ほ……それは良かった」


 マリウスさんはちょっと心配だったようだけど、とんでもない。さすがは、お城の上層部食堂を束ねる料理長さんだ。


「へー? こっちの方がピリッとするけど、いい刺激だね? 美味しい!!」


 フィーさんも気に入られたようで、ぱくぱくと食べていた。そこに、クラウが食べたいとフィーさんの頭にしがみついちゃったから、僕が慌ててクラウに食べさせてあげました。


「ふゅふゅぅう!!」


 もきゅもきゅ食べていく顔が可愛らしい。

 こう言う癒し系の子には、すぐになんだって与えそうになっちゃう。

 とりあえず、ゴルゴンゾーラペンネはこれで完成となりました。

 が、


「カティアさん……他にもこの青いカッツの使い道はありませんか?」


 マリウスさんが詰め寄ってくるぐらいの気迫で、僕にそう聞いてきた。


「ほ、他ですか??」
「捨てはしないのですが……どうも使い道がわからず困っていたもので」
「う、うーん??」


 なんだっけ、なんだっけ?? と首を捻ってもなかなか思い出せない。

 ただ、漂うブルーチーズ特有の腐臭で少し思い出したことがあった。

 それに思わず、手を叩いちゃう!!


「その様子ですと……」
「ケーキです!!」
「「「え??」」」
「このカッツを使った、ケーキを焼きましょう!!」


 ツッコミ親友が、デザート部門と一緒に作った覚えがある。

 まったく、同じように出来るかはわからないけれど。


「え? カッツのケーキ?? 焼く?? 焼いちゃう??」


 フィーさんが一番混乱していた。そう言えば、ティラミスは焼かないし……クリームだけに使っていたから斬新に思われたかも??

 レイアークさんには、普通のチーズケーキも教わらなかったのかなあ??


「美味しいですよー? 焼かないのももちろんありますが、ふわしゅわな食感のものとか。しっかり焼いたのとか?」
「……甘いの? しょっぱいの??」
「種類によりますけど、甘いのとしょっぱいの両方を味わえます」
「……ぇえ??」


 クラウはわからないようだけど、他全員にドン引きされちゃいました……。
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