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番外編②

第81話 神の方も挑戦①

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 ふふふ……ふふふ、ふふふ。

 あのワルシュ=エイペックと言う男は面白い。

 私の意図にあえてのっかかるんだもの。だから、神として職業ジョブを与えてあげる。

 イツキの方より、効率が悪いのは仕方がない。あちらの世界の料理を、ほとんど知らないに等しい。


(でも……面白い)


 面白い……面白いわぁ。

 イツキとアルベルトだけに与えようと思っていたけど。いわゆる『チート』だけじゃ、あの男は物足りないんじゃなくて……養女を守ろうと動き出した。

 だったら、その心境変化を汲んで……与えてもいいんじゃないかと思って。

 それで与えたわ。イツキと同じ、職業ジョブを。

 料理の研究も怠らないなら、レベルも徐々に上がるだろう。少し……楽しみ。

 それはそれとして。


『……ピザ。食べたかったわぁ』


 イツキの世界では、定番のジャンクフード。

 祖国である国のものもいいけど、アメリカや日本のは特にジャンキーで美味しそう。

 神だから、食べることを必要としないが……美味しいものに興味がないわけじゃないわ。

 美味しいご飯が好きなのは、種族問わずよ?


『お姉さんー』


 だから、意識体だけでもと……アルベルトの年齢を引き上げて、呼んだの!


『アルベルト? 今日は美味しいものを作るわよ?』

『おいしいの?』


 アルベルトの意識体を十歳くらいにしてみた。イツキとアーネストのいいところを引き継いだ、なかなかに可愛らしい顔立ちだったわ。私がイツキに縁を繋いだ魂だったけど……ある意味私の息子のようなものだもの。可愛くないわけがない。


『そう。あなたのお母様がとっても好きなものよ?』

『お母様! 僕頑張る?!』

『いきなり本格的に作るのは大変だから……ピザトーストって言うものにするわよ!』

『はーい!』


 まずは、神の力で材料をぽんぽんと出していったら。

 アルベルトは嬉しそうに声を上げてくれたから……本当にこの子は可愛いと思ったの。


『アルベルト、材料を切っていくわよ?』

『はーい』

『手は切らないけど、怪我は大変だからね?』

『うん!』


 意識体だから、微量なダメージとかもないけど……現実だとそうもいかないから。

 今のうちに練習させて、記憶の片隅に刻んでおくのも大事。

 この子次第だけど、時期イツキ候補にしたいと私は思っているのよね?

 強制はしたくないから、あくまで予定だけど。


『包丁はこれよ?』


 ペティナイフの幻影を渡してあげれば、アルベルトは目をとても輝かせてくれたの。かーわーいーいー!


『これで何を切ればいいの?』

『まずは野菜よ!』


 ピザの土台は野菜がメインだから。
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