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番外編②
第65話 恩人に求む
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薬効がある料理の実現。
また、新たな料理の美味さ。
それを可能にした、近衛騎士副隊長のアーネスト=ハインツベルトの夫人であり、国にとっても救世主に等しい存在……イツキ。
彼女は俺の悪友であるワルシュの養女だ。いきなり城に連れてきて、ただ部下にするだけでなく最初は男装させていたのだが。
あまりのスタイルの良さに、変な虫がつかぬように偽らせたらしい。実際、晒しを外してそれらしい格好をさせた時は、なかなかの美貌とスタイルだった。アーネストと既に心を通わせていなければ、イツキを取り合う戦争が城内で起きていただろう。
それを避けられたのは、本当に良かった。
それとは別に、風習だったフルコースを撤廃しなければイージアスだけでなく、世界は崩壊していただろう。それだけ、『アレルギー』は異様な病だ。時を重ねれば治る場合もあるが、大半は死ぬまで付きまとうらしい。
特定の食べ物を口にすることで、発疹や嘔吐を含める様々な症状を発症する病。場合によっては即死する可能性もある。王族はなかったが、臣下らには該当する者がいた。一人二人ではなく、数十人も。
なので、その問題は無視出来なかったのだ。
イツキの持つ特殊な知識のおかげで、アレルギーへの対策などは講じられたが、国民たちの中で発症したという報告も日々上がっている。
そんな彼らへも、今回イツキが作り出した薬効を持つ料理で少しでも快癒に向かわせたいのだが。
「難しいですね。アレルギーは一時的なものもあれば、一生涯付きまとうものなので」
イツキの育児が少し安定してきたということで、アーネストに城へ連れてきてもらった。ワルシュをしょっちゅう厨房から離れさせてはいけないことと、俺も国王として訪問もしにくい。
なので、彼女らの息子のアルベルトも連れて、書斎に案内したのだが。
イツキに頼み事をしてみたが、やはり予想していた返答をされてしまった。
「難しいか」
「以前もお伝えしましたが、食べすぎた場合でも発症する人はいるので……確実性がないんです」
「対策は」
「個人差があるので、絶対とは言えません」
「むぅ」
バクスの研究でも、最近同じような報告を聞かされたからな。
その上をいくイツキに断言されては、無闇に対策を講じても意味がないだろう。
しかし、イツキが出来得る限りの処置をバクスと共有したおかげもあり、重症化することは避けられているが。
城は良くても、国民の方が人口の割合が多い。死者もだが、発症者が出たことで怯えてしまう者も多いはずだ。
イツキの対策方法を知っても、流行り病と違うアレルギーへの恐怖を落ち着けさせる希望はないのだろうか?
また、新たな料理の美味さ。
それを可能にした、近衛騎士副隊長のアーネスト=ハインツベルトの夫人であり、国にとっても救世主に等しい存在……イツキ。
彼女は俺の悪友であるワルシュの養女だ。いきなり城に連れてきて、ただ部下にするだけでなく最初は男装させていたのだが。
あまりのスタイルの良さに、変な虫がつかぬように偽らせたらしい。実際、晒しを外してそれらしい格好をさせた時は、なかなかの美貌とスタイルだった。アーネストと既に心を通わせていなければ、イツキを取り合う戦争が城内で起きていただろう。
それを避けられたのは、本当に良かった。
それとは別に、風習だったフルコースを撤廃しなければイージアスだけでなく、世界は崩壊していただろう。それだけ、『アレルギー』は異様な病だ。時を重ねれば治る場合もあるが、大半は死ぬまで付きまとうらしい。
特定の食べ物を口にすることで、発疹や嘔吐を含める様々な症状を発症する病。場合によっては即死する可能性もある。王族はなかったが、臣下らには該当する者がいた。一人二人ではなく、数十人も。
なので、その問題は無視出来なかったのだ。
イツキの持つ特殊な知識のおかげで、アレルギーへの対策などは講じられたが、国民たちの中で発症したという報告も日々上がっている。
そんな彼らへも、今回イツキが作り出した薬効を持つ料理で少しでも快癒に向かわせたいのだが。
「難しいですね。アレルギーは一時的なものもあれば、一生涯付きまとうものなので」
イツキの育児が少し安定してきたということで、アーネストに城へ連れてきてもらった。ワルシュをしょっちゅう厨房から離れさせてはいけないことと、俺も国王として訪問もしにくい。
なので、彼女らの息子のアルベルトも連れて、書斎に案内したのだが。
イツキに頼み事をしてみたが、やはり予想していた返答をされてしまった。
「難しいか」
「以前もお伝えしましたが、食べすぎた場合でも発症する人はいるので……確実性がないんです」
「対策は」
「個人差があるので、絶対とは言えません」
「むぅ」
バクスの研究でも、最近同じような報告を聞かされたからな。
その上をいくイツキに断言されては、無闇に対策を講じても意味がないだろう。
しかし、イツキが出来得る限りの処置をバクスと共有したおかげもあり、重症化することは避けられているが。
城は良くても、国民の方が人口の割合が多い。死者もだが、発症者が出たことで怯えてしまう者も多いはずだ。
イツキの対策方法を知っても、流行り病と違うアレルギーへの恐怖を落ち着けさせる希望はないのだろうか?
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