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番外編②

第53話 ファンタジー色

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 最近特に思うの。

 ファンタジー色満載の食事が増えてきたんじゃないかって。

 魔物と呼ばれるモンスターのお肉は、ごく普通よ? お肉だからジビエだと思えばいいわ。色とサイズが異常なのは、転生しても流石にびっくりしたけれど……青とか紫って食べれるの? と思ったわ。

 けど、フルーツは絶品よ。金色とか白とかにはびっくり仰天だったけど……甘酸っぱくて最高だったわ。いちごだったのに……異世界のフルーツの虜になったもの。

 今の両親たちは、幼馴染みで悪友のワルシュから純白のケーキを振る舞ってもらったそうよ。羨ましいけど、交友関係を良好にするのは大事よ? 今の私はまだ十歳未満だけど、転生者ってことで中身は既にアラサーと同じ。

 弁えている部分を主張しなくても、スペックがスペックだから普通の少女以上に大人びているのも仕方ないわ。

 けど、今の交友関係もそこそこ良好。貴族の友達も出来ているし、お茶会とかで交流もしている。

 それでも、だけど。


(イツキと同等のレベルで話せる相手は、やっぱりいないわ)


 同じ世界の出身者。

 騎士の配偶者。

 一児の母。

 このスペックがあるから、イツキのことを一目置いているのは当然。

 さらに、国の救世主とまで言われているから国民からはスーパースターとしても見られている。本人はのほほんとしながら、美味しいご飯を作り続けているだけだけど。

 色々前置きしたけど、何が言いたいかと言うのは目の前の苗よ!


「……何これ」


 学園の寄宿舎。その一室に住んでいる今、窓辺に置いていたものを見たら……あり得ないものがあったの!?


「姫様。こちらは教師の方に課題として、いただいた苗ですよね?」

「ええ、そうよ」


 苗自体は普通のもの。薬学の講義で、自分で一から材料となる植物を育てましょうと言われていたの。それは前世の小学生でもやってたことだから、別に不思議じゃなかったんだけど!?

 真っ青ないちごって、たしか薬材のテキストに載ってなかったわよ!?

 むしろ、これ食用にして大丈夫なものなの!?

 サフィアとびっくりしてたけど、とりあえず着替えてから先生のところに苗の鉢を持って行ったわ!!


「あらあらあら!! これはブルードベリーですわ!! 薬材としては、ホワイトベリーには劣りますが立派な薬草の一種ですわ!!」

「……食べられるんですか?」

「ええ、ええ。希少性は高いですが文献にはきちんと記載されていますわ」

「……良かった」


 発表が今日だったから、変なものを見せることにならなくて良かったわ! 王女関係なく、同級生として変に目立ちたくないもの!!
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