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番外編②

第49話 それもまた本音

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 全く、レクサスは時々無茶しやがる。

 レアな魔物を採取しに行くのに、ネルやアーネストがいたから出来たものの……俺に一言伝えておけよ!? 無事だったからよかったものの、複数で攻略しなきゃなんないレア食材に初心者を連れて行くな! だから、報告ついでにゲンコツはお見舞いしたが。


「いででで……」

「近衛騎士だからって、過信すんな。俺とか連れてけ」

「……せやかて、今回は自分らが欲しかったんやから」

「それもあるだろうが、大量採取は俺にも声かけろ。お前さんらの倍は持って帰れただろうが」

「本音そっち!?」

「ど阿呆。両方だ!」


 あのいちごは金には劣るが、それなりに美味い。薬効があるから、大量に食えば食うほど病魔が落ち着くとまで言われているんだ。リュカルドとか王族の病魔予防とかになんかこしらえるにもちょうどいいもんを……イツキらに食わせたい理由だからって、ほとんど単身で採りに行くのは勿体ない。

 とりあえず、残りを聞くとあんまりなかったんで……仕方なしに、ここは元ペアで採取しに行くかと遠征から戻ってきたサーシャと行くことにした。


「んふふ~! 夫婦になってからの共同作業~」


 採取場所に行くまでは、と腕組みしながら歩いているが……普段させてやれてねぇし、誰も見てないからいいかと俺も拒否はしなかった。こいつもランクAから最近Sになったばっかりだから、対処する時はするだろう。

 ちょうど、今目の前でオークが立ち塞がったら……。


「サーシャ」

「まっかせて~!!」


 俺から離れたかと思えば、自分の亜空間収納から女じゃ抱えにくいだろう巨大な獲物を担ぎ、サクッとオークを討伐していった。俺と組んでいた時より手際が良くなっているのは、こっちが現役だからだろうな?


「やるな」

「んふふ~。Sになるまでに頑張ってきたもんね~? ずっとシューくんと組んでいたかったけど、ソロでもそれなりに出来ないと」

「……そうか」


 冒険者を引退する時に、レクサスよりもこいつが一番反対すると思ってたんだが、あん時にこいつは言ってくれたんだ。


『シューくんの選ぶ道を、あたしなんかが邪魔しちゃいけないもんね~』


 わがままで。

 楽天家で。

 けど、芯はまっすぐで実力はある。

 だから、普通は面倒だと思うタイプなのにこいつに惚れたんだよな? 学園の頃から。

 出会ったのは、リュカルドと学園でバカやってたあたりだったか?

 厨房から食える果物をくすねてきた時に、ひょいと横取りしたのがサーシャとの出会いだった。


『誰だテメェ!?』

『にゃはは! ほんと、顔がオーガみたい!! けど好み~』

『は?』


 悪人面をいきなり好みというのにも拍子抜けにさせられたがな?
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