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番外編

第210話 保護者は怖い

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 そして、デート本番!!

 俺がイツキさんのお屋敷に行くと、玄関の前に二人分の人影が見えた。

 近づくにつれて、誰だかすぐにわかったんだけど……片方はエミリでもう片方はイツキさんだった!?


(……イツキさん、から注意受けるんだろうなあ)


 何せ、イツキさんの目の前でエミリの告白を保留にしたんだから。

 けど、エミリは可愛いし、この告白を断るのはもったいないって思ったのは本当だ。一生懸命告白してくれる様子が可愛くて、ああ嬉しいって思った。

 だから、俺はまずエミリ自身を知りたいって考えて……しばらくしたら、気になって気になって、好きかもって思い始めて……結果、付き合えた。

 いろんな人に迷惑かけたけど……一番怖いのはイツキさんだからなあ。料理長の養女さんだけど、怒鳴る以上に怖いとこがすごい。血の繋がりは一切ないらしいのに、怖いとこは似てる。


「いらっしゃい、エリオさん」


 けど、会わないわけにはいかないので玄関の前に立つと、イツキさんはにっこりしていた。今日は怒っていないみたい。


「どうも。エミリを迎えにきたよ」

「ええ。エスコートよろしくお願いしますね」


 怒ってはいないけど、『絶対失敗はするなよ?』ってプレッシャーを感じる。こう言うとこは怖いんだよなあ……やっぱり、血の繋がりなくても料理長の養女さんだ。恐ろしい!!


「……はい。行こうか、エミリ……」


 手を差し伸べたエミリを見て、今更気づいたんだけど。

 けばくない化粧と可愛過ぎる格好に、今まで以上に可愛い恋人の仕上がりを見て……俺は心臓に矢を貫かれた衝撃を感じた!?

 イツキさんがいるから、ハグとかしない俺を誰か褒めて!!


「! はい! エリオさん」


 エミリはわかっているのかいないのか、とびっきりの笑顔で俺に手を差し出してくれた。可愛いのわかっていないんだよなあ……。


「では、ジェイシリアを楽しんで来てください」


 これはちょっとしたお小遣いだと……銀貨数枚渡してくれた。金貨じゃないところがイツキさんらしい。金貨を俺らが持っていたら変な目で見られるからなあ……。

 とりあえず、エミリの手を取って近くの転移方陣に向かい……ジェイシリアの関所の前に到着した。馬車とか荷馬車じゃない列に並び、しばらくしたら中に入れた。

 俺も久しぶりに来る城下街の観光デートが、今からスタートするんだ!!
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