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番外編
第208話 大事な養女ちゃん
しおりを挟む「……なんだこりゃ?」
「へへーん!」
シューくんが休みの日に、あたしも依頼を受けたりせずに休みにして材料を買い出しに行って……いっちゃんに教わったクレープを作ってみたの。
ちょーっと破れたりはしたけど、うまく巻いて紙の取っ手でごまかした。シューくんは見たことがないから、何がなんだかわかっていないもんね?
と思ったけど。
「……こんなクレープ、見たことねぇぞ?」
「……いっちゃんに教わったの」
やっぱり料理人だからなんでもわかっちゃうんだよなあ? いいけどぉ~。
「イツキにか? まだまだ知らねぇ料理作るもんだ」
「いっちゃんだもんね」
シューくんも詳しく知らないようだけどぉ、養女として大事にしてるのはすぐわかる。あたしはまだ認識程度だけど、受け入れたのはシューくんが先だからとってもいい笑顔。
最初知らせを受けた時は、ちょっと浮気を疑ったけど……十も違わない年下の女の子を養女にするだなんてよっぽどのことだから、あたしも依頼を終えてから会いに行った。
一目見て、この子は娘ちゃんだって理解出来たけどね。背格好はほとんど変わらなくても可愛い可愛い娘ちゃんだって。
その子の方が先に結婚してお孫ちゃん産むとは予想外過ぎたけどぉ。
「んで? 持ち手を掴んで食うのか?」
「そうそう。召し上がれ?」
「んじゃ…………うっめ!?」
シューくんはまず、チーズとソースの『ピザ風』を食べてくれると……強面の表情が緩んでいく!! あたしの旦那さん、かーわーいーいー!!
「それ、ピザ風だって」
「ピザか。どおりで食べたことがある味だな? イツキが前に食パンでトースト作ってくれたが」
「パンでも出来るの?」
「むしろ、パン料理だと」
「おいしそー!」
「また作ってやる。……しかし、お前さんまともに料理出来るようになったな?」
「へへへ」
料理ダークマター製造しなくなったもんね? いっちゃんの指導の賜物と言うかもだけど……いい娘ちゃんだよ、ほんとに!!
けど、アルくんもほんと可愛かった……あたしも、自分の子ども欲しくなっちゃった。シューくんに相談したら、後任の冒険者育ててからって言われたから頷いたけど。
シューくん以上の冒険者育成だなんて難しいし、A級もごろごろいるわけじゃない。
光る人材はいなくないけど……妊活するのは、当分お預けかな? 残念!!
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