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番外編

第190話『ジャンクフードお手本』①

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 じゃがいもは皮に付着している土を洗浄魔法で綺麗に洗い。

 芽と言う箇所を、大きく出ていたら包丁を使ってくり抜く。それから半分に切り、また半分と繰り返して『くし切り』と言うのにする。ここは少し不恰好になってしまったが、義父上には大丈夫だと言っていただけた。


「アク抜きのために水にさらしている間……からあげの準備だ」


 脂身の多い鶏の肉……ここは脚の肉でも柔らかく、皮付きの方がイツキの好みらしい。その肉をぶつ切りにして、味付け用の調味料を入れたボウルに入れ……よく揉み込む。

 これはこれでしばらく置いておかなくてはならないようだ。


「……手間がかかるのですね」

「料理に手間暇かかるのは普通だ。お前さんが最初作ろうとした時も面倒なこと多かっただろ?」

「……たしかに」


 その大変なことをイツキに任せっぱなしでいたのは……少し申し訳なさも感じたが、感謝の方が大きい。キルトらが来るまでほとんど一人で切り盛りしていたのだ。感謝しか浮かばない。

 それらを嫌と言わんくらい、我が妻は本当に素晴らしい女性だ。


「じゃがいもの水切りはかなりやっとけ。少しでも残ると油はねがすごい」


 試しに、と義父上がひとつ油の鍋に入れたら……魔法が暴発したように油がすごく跳ねた!? これは怪我どころですまない!!


「……注意せねばならないのですね」

「俺も最初はそう思ったぜ……」


 この油はねをもう少し軽減するのに、小麦粉を薄くまぶして……そこから油鍋に入れると、シュワッと音はしたが跳ねない。ちょっとしたことでの工夫と言うものだろうか。


「味は粉っぽくなりませんか?」

「んじゃ、イツキが作ったコロッケとかどうだ?」

「……ないですね」

「油の中で火が通ると、食材によっては変わるんだと」

「……異世界の食事は素晴らしいですね」

「これでもごく一部っつーからな」


 すべてをイツキが知っていたとしたら……どれだけ揃うのだろうか。それを知るのも楽しみだが、今は俺の特訓だ。

 からあげの方も、小麦粉とは違うかための粉を使って衣を作り、それで揚げていくといい匂いがした。
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