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番外編

第146話 他に出来ること

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 通達が終わってから、俺はひとつ思いついたことがあった。

 イツキが頑張ってアルベルトを産んでくれたのだから、今日は祝いの日なのだが。出産をしたばかりの彼女は、しばらくの間療養をしなくてはいけないと産婆だけでなく、母上からもよく聞かされていた。

 であれば、俺のすべきことは何か。

 通達以外のことで、何が出来るか……考えたのだが、簡単には思いつかない。イツキ自身は、とにかく寝ては食べてを繰り返す必要があるとか。


「……作ってみるか」


 イツキが得意とする……ズボラ飯。

 そのひとつを俺が作って差し入れに入れるのはどうだろうか?

 ショーユではなく、トマトとチーズたっぷりの粥風でもあるあれなら、お腹に優しいだろう。

 メニューが決まれば、さっそく厨房に向かい、キルトに頼んで場所を借りることにしたのだった。


「……わざわざ旦那様が」

「お前達が来る前は、イツキとも作ったりしていたのだ。だが、少し借りたい材料もあるから手伝ってくれ」

「はい」


 俺が二度目のまかないを試食した時に食べた……オーツ麦の粥みたいなリゾット。あれを、リーゾで作るのも実に美味いのだ。イツキもきっと、食べてくれるだろうと信じて。

 俺はまず、玉ねぎを手にして慎重に皮を剥いていくことにした。
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