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番外編

第145話 父親としてすべきこと

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 我が子の名は、『アルベルト』と決めた。

 まだしわくちゃで、顔はよくわからないが愛しい我が息子が誕生したのだ。

 しばらく、イツキと共に眺めていたかったが……隊長とレクサスがまだ応接室に居るのを忘れていたので、報告ついでに俺は戻ることにした。

 イツキ自身も出産からの休息をしたいだろうし、ここは産婆達に指示を仰いだ方がいい。念のために聞くと、はじめての乳やりまでゆっくりと休んだ方がいいとのことだった。

 俺はイツキの邪魔をしたくないので、アルベルトを産婆のひとりに預けて応接室に行く。

 そして、着いてすぐに扉を開ければ……レクサスが飛び出さん勢いで俺の前に立ったのだ!?


「……子どももやけど、イツキはんは無事なんか?!」

「あ、ああ……。どちらも無事だ」


 俺がそう言うと、レクサスは次に俺に抱きついてきたあ!?


「やったやん!! 跡継ぎやないか!! こりゃ、宴や!!」

「ちょ、レクサス!!?」

「ええ。これはもう騎士団内で盛大に祝わなくてはいけませんね?」

「……隊長まで」


 だがまあ、たしかに。

 それくらい、喜んでいいことだ。大事な我が子もだが、跡継ぎ候補の誕生だ。実家の爵位は関係ないが、この屋敷を護る存在にはなってほしい。

 イツキによく似た性格にもし育ったら、そのようになるかもしれないが。顔も出来れば似て欲しい。それはさておき。


(父上らに通達を送らねば)


 ひとりの子の父親となった実感はまだ浅いが、すべきことはしなくては。

 なので、隊長らに一言断りを入れてから執務室に使っている部屋で作業をすることにした。だが隊長らは、お暇した方が良いと言い出して、すぐに帰ってしまったが。


「城への通達は、僕らからもしておきましょう。近いうちに祝いの品がさらに届くでしょうが」

「……肝に銘じておきます」


 俺よりも、イツキの方がとにかく慕われているからな……。
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