521 / 784
番外編
第75話『オリジナルブレンドのドライカレー』①
しおりを挟む
カミオと一緒に刻んだ大量の野菜や肉を炒める前には、流石に一旦休憩を挟み。
炒める作業は、カミオに手本を見せてから任せた。全くじゃないけど、こいつも多少は火が扱えるからな。見習いでも料理人だし。その間に、俺はあるものを取り出して並べた香辛料らとにらめっこしなくちゃいけない。
(……イツキさんが置いていってくれた、香辛料の瓶)
普通の瓶だけど、中には大量の茶色の粉が入っている。これ全部……イツキさんが言うには『カレー粉』なんだってさ。カレーライス専用に調合したような、ブレンドの粉らしい。
イツキさんのとっておきだけど、ハインツベルト副隊長と暮らす時に持っていくと思ったら置いていってくれたんだ。自分達は自分達で作るから、これはまかない用に是非使ってくれって。食堂で提供するのとかは、料理長が自分で調合したのがあるから大丈夫なんだけど……イツキさんが残してくれたこれは別格だ。俺もまだ一回しか使わせてもらってないけど、カレー炒めって料理に使っただけでもめちゃくちゃ美味かった。
だから、カレーライスに使うのは今日が初めて。ただし、単純に使うんじゃなくて自分なりに香辛料を継ぎ足さないとすぐに無くなってしまうのがポイントらしいけど。
「好きにしていいって言われたけど……」
やっぱり、イツキさんが残してくれたものをうまく扱えるだなんて、まかない料理番を任されて数ヶ月程度の俺がしていいのか? けど、カレーライスは食べたいし、ほとんど仕込みは終わってるし、あとはこいつをどうにかしなきゃいけない。カミオも手伝ってくれてるから、ガッカリはさせたくない。
だから、香辛料と何回かにらめっこして……小瓶の中身をポイポイと入れることにした。
「……よし」
あとは全体が馴染むように混ぜて、これはこれで終わり。使う時にどう味が仕上がるかはお楽しみだけど……イツキさんが言ってたシナモンは今回やめておいた。あの独特の甘いような匂いは今回合わない気がしたから。試すのはまた今度にしようと思う。
「エリオ~。だいぶ炒めれたと思うっス」
「おー」
鉄鍋の中を覗けば、まあまあいい仕上がりになっていた。ここに今作った香辛料の粉を入れ、レシピに入ってた調味料や水も加え。
くつくつ煮込んで、味見をしても物足りないなら塩胡椒。
いい感じだと自分で納得したら、カミオにもルゥだけ試食させてやったが。
「これこれ! これっス!!」
俺が調合した香辛料を入れたものでも、喜んでくれる出来になっていたらしい。
あとは、目玉焼きと米の準備なので、それも二人で準備していく頃には、厨房全体がカレーの匂いに包まれていったせいで。
先輩らには、早く食わせろとかのアプローチがめちゃくちゃすごかった……。
炒める作業は、カミオに手本を見せてから任せた。全くじゃないけど、こいつも多少は火が扱えるからな。見習いでも料理人だし。その間に、俺はあるものを取り出して並べた香辛料らとにらめっこしなくちゃいけない。
(……イツキさんが置いていってくれた、香辛料の瓶)
普通の瓶だけど、中には大量の茶色の粉が入っている。これ全部……イツキさんが言うには『カレー粉』なんだってさ。カレーライス専用に調合したような、ブレンドの粉らしい。
イツキさんのとっておきだけど、ハインツベルト副隊長と暮らす時に持っていくと思ったら置いていってくれたんだ。自分達は自分達で作るから、これはまかない用に是非使ってくれって。食堂で提供するのとかは、料理長が自分で調合したのがあるから大丈夫なんだけど……イツキさんが残してくれたこれは別格だ。俺もまだ一回しか使わせてもらってないけど、カレー炒めって料理に使っただけでもめちゃくちゃ美味かった。
だから、カレーライスに使うのは今日が初めて。ただし、単純に使うんじゃなくて自分なりに香辛料を継ぎ足さないとすぐに無くなってしまうのがポイントらしいけど。
「好きにしていいって言われたけど……」
やっぱり、イツキさんが残してくれたものをうまく扱えるだなんて、まかない料理番を任されて数ヶ月程度の俺がしていいのか? けど、カレーライスは食べたいし、ほとんど仕込みは終わってるし、あとはこいつをどうにかしなきゃいけない。カミオも手伝ってくれてるから、ガッカリはさせたくない。
だから、香辛料と何回かにらめっこして……小瓶の中身をポイポイと入れることにした。
「……よし」
あとは全体が馴染むように混ぜて、これはこれで終わり。使う時にどう味が仕上がるかはお楽しみだけど……イツキさんが言ってたシナモンは今回やめておいた。あの独特の甘いような匂いは今回合わない気がしたから。試すのはまた今度にしようと思う。
「エリオ~。だいぶ炒めれたと思うっス」
「おー」
鉄鍋の中を覗けば、まあまあいい仕上がりになっていた。ここに今作った香辛料の粉を入れ、レシピに入ってた調味料や水も加え。
くつくつ煮込んで、味見をしても物足りないなら塩胡椒。
いい感じだと自分で納得したら、カミオにもルゥだけ試食させてやったが。
「これこれ! これっス!!」
俺が調合した香辛料を入れたものでも、喜んでくれる出来になっていたらしい。
あとは、目玉焼きと米の準備なので、それも二人で準備していく頃には、厨房全体がカレーの匂いに包まれていったせいで。
先輩らには、早く食わせろとかのアプローチがめちゃくちゃすごかった……。
14
お気に入りに追加
5,498
あなたにおすすめの小説
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
復讐はちゃんとしておりますから、安心してお休みください、陛下
七辻ゆゆ
ファンタジー
「フィオネよ、すまな……かった……」
死の床で陛下はわたくしに謝りました。
「陛下、お気が弱くなっておいでなのですね。今更になって、地獄に落とされるのが恐ろしくおなりかしら?」
でも、謝る必要なんてありません。陛下の死をもって復讐は完成するのですから。
1000歳の魔女の代わりに嫁に行きます ~王子様、私の運命の人を探してください~
菱沼あゆ
ファンタジー
異世界に迷い込んだ藤堂アキ。
老婆の魔女に、お前、私の代わりに嫁に行けと言われてしまう。
だが、現れた王子が理想的すぎてうさんくさいと感じたアキは王子に頼む。
「王子、私の結婚相手を探してくださいっ。
王子のコネで!」
「俺じゃなくてかっ!」
(小説家になろうにも掲載しています。)
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
私が出て行った後、旦那様から後悔の手紙がもたらされました
新野乃花(大舟)
恋愛
ルナとルーク伯爵は婚約関係にあったが、その関係は伯爵の妹であるリリアによって壊される。伯爵はルナの事よりもリリアの事ばかりを優先するためだ。そんな日々が繰り返される中で、ルナは伯爵の元から姿を消す。最初こそ何とも思っていなかった伯爵であったが、その後あるきっかけをもとに、ルナの元に後悔の手紙を送ることとなるのだった…。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。