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番外編
第35話『ふんわりチーズ入りのスフレパンケーキ』②
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二枚め以降はサフィアにお願いしている間、私はトッピングを頑張ることにしたわ。
ホイップはメレンゲと同じくらい泡立てるのが大変だったけど、固まっていくのはこっちのが少しばかり早い。この世界でも当然あるけれど、もこもこふわふわのシャンプーを自分の手で作っているような……そんな固くても柔らかい感触が伝わってくる。
料理をするのって、本当に楽しい。
若葉の記憶が戻ってから、まだ一年程度だけど……イツキって親友が出来たんだから寂しくはない。お母様とも、わだかまりが解けたし……メイド達との距離も少しずつ縮まっている。サフィアは色々特別ではあるけれど。
「殿下。だいぶ焼き上がりましたが」
「ありがとう」
ホイップを作るのと、考えるのに夢中過ぎてサフィアの声が届いていなかったみたい。なるべく慌てずに返事をしてから、出来上がったスフレパンケーキを見ていったんだけど……さすがはたいていなことは器用にこなせるメイドのひとり。完璧に焼き上げているわ。私が焼いた一枚はお母様のお皿にお願いしたの。
仕上げは、ホイップに季節のフルーツをカットしたのと……メープルシロップを回しかけ。
一皿出来上がったら、サフィアに試食をお願いしたわ。この後にサフィアは王族の団欒には壁側に控えなくちゃだから、食べられないもの。
「……頂戴致します」
メイドだからかしこまっているけど、レクサスと結婚したことで『氷の美女』の顔もちょっとずつ緩んできたりするのよね? いいことだわ。女の子の笑顔は素敵だもの。ちょっとおばさんくさい考え方になったけれど。
でも、ひと口パンケーキを食べたサフィアの顔を見て、その考えも吹っ飛んだわ。
「……おいしい?」
「……はい。とても」
細められた青の瞳。
緩んだ口元と、眉の形。
どこにも『氷』だなんてイメージがなくて、ひとりの女の子って表情になったわ。スマホとかはがあれば写メしたいけれど、この世界じゃ魔導具でもそう言うのがないのよね?
「はじめての食感でしょう?」
「はい。たしかに軽くて……すっと溶けますね。ですが、ふわふわもしていて、ほんのりチーズの塩気もきちんと感じます。なのに、甘さとちょうど良くて」
「イツキ直伝のレシピだもの。お母様達にもきっと喜んでいただけるわ」
「はい。そうですね」
運ぶのには、執事も呼んでワゴンで運ばせ。
王族の食堂に行けば、お父様やお母様もだけど。ちょっと大きくなった弟のジェラルドもベビーチェアに座ってたわ。ジェラルドには、ちゃーんと赤ちゃん用のチーズ抜きでパンケーキを焼いたわよ?
仕上げもホイップとかはなし。蜂蜜はまだ安全とは言えないし、樹液のメープルシロップも同じ意味でやめておいたの。
ただ、ひとり意外な人が居たわ。
「……ワルシュ?」
お父様と一緒にいたのは、料理長でイツキの養父であるワルシュがいたのよ。なんでここにいるのかしら??
ホイップはメレンゲと同じくらい泡立てるのが大変だったけど、固まっていくのはこっちのが少しばかり早い。この世界でも当然あるけれど、もこもこふわふわのシャンプーを自分の手で作っているような……そんな固くても柔らかい感触が伝わってくる。
料理をするのって、本当に楽しい。
若葉の記憶が戻ってから、まだ一年程度だけど……イツキって親友が出来たんだから寂しくはない。お母様とも、わだかまりが解けたし……メイド達との距離も少しずつ縮まっている。サフィアは色々特別ではあるけれど。
「殿下。だいぶ焼き上がりましたが」
「ありがとう」
ホイップを作るのと、考えるのに夢中過ぎてサフィアの声が届いていなかったみたい。なるべく慌てずに返事をしてから、出来上がったスフレパンケーキを見ていったんだけど……さすがはたいていなことは器用にこなせるメイドのひとり。完璧に焼き上げているわ。私が焼いた一枚はお母様のお皿にお願いしたの。
仕上げは、ホイップに季節のフルーツをカットしたのと……メープルシロップを回しかけ。
一皿出来上がったら、サフィアに試食をお願いしたわ。この後にサフィアは王族の団欒には壁側に控えなくちゃだから、食べられないもの。
「……頂戴致します」
メイドだからかしこまっているけど、レクサスと結婚したことで『氷の美女』の顔もちょっとずつ緩んできたりするのよね? いいことだわ。女の子の笑顔は素敵だもの。ちょっとおばさんくさい考え方になったけれど。
でも、ひと口パンケーキを食べたサフィアの顔を見て、その考えも吹っ飛んだわ。
「……おいしい?」
「……はい。とても」
細められた青の瞳。
緩んだ口元と、眉の形。
どこにも『氷』だなんてイメージがなくて、ひとりの女の子って表情になったわ。スマホとかはがあれば写メしたいけれど、この世界じゃ魔導具でもそう言うのがないのよね?
「はじめての食感でしょう?」
「はい。たしかに軽くて……すっと溶けますね。ですが、ふわふわもしていて、ほんのりチーズの塩気もきちんと感じます。なのに、甘さとちょうど良くて」
「イツキ直伝のレシピだもの。お母様達にもきっと喜んでいただけるわ」
「はい。そうですね」
運ぶのには、執事も呼んでワゴンで運ばせ。
王族の食堂に行けば、お父様やお母様もだけど。ちょっと大きくなった弟のジェラルドもベビーチェアに座ってたわ。ジェラルドには、ちゃーんと赤ちゃん用のチーズ抜きでパンケーキを焼いたわよ?
仕上げもホイップとかはなし。蜂蜜はまだ安全とは言えないし、樹液のメープルシロップも同じ意味でやめておいたの。
ただ、ひとり意外な人が居たわ。
「……ワルシュ?」
お父様と一緒にいたのは、料理長でイツキの養父であるワルシュがいたのよ。なんでここにいるのかしら??
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