463 / 784
番外編
第17話 悪友の結婚
しおりを挟む
ゲイリッシュが結婚。
そこはまだいい。
問題は相手との歳の差だ。
好きになった奴が……暗部の現在幹部のひとり。
まだガキを卒業したばっかの嬢ちゃんだ。だから、三十代の俺らにとっちゃ……ギリギリ親子くらい離れてると言ってもいい。
とは言え、お互い想い合ってでの結婚決めたんなら……俺だって口は挟めないがな?
「……とうとうか」
「俺らん中じゃ、お前さんが早かったな。リュカルド」
俺は今、もうひとりの悪友であるリュカルドと居る。と言っても、ただ世間話をしているわけじゃねぇ。
駄弁りながら、手は動かしている。カードゲームとかではなく、『料理』をしている。
と言っても、菓子作りだが。
俺の養女……妊娠して、まかない番は休職中のイツキが教えてくれた『ウェディングケーキ』を作ってんだ。
リュカルドは国王だが、俺の悪友であるし……イツキと関わったおかげで料理にも意欲的だ。こいつの家族も漏れなくイツキの影響を大に受けている。
だから、リュカルドも料理するのを嫌と思ってねぇらしい。
今はひたすら、生クリームを泡立たせてもらってるが嫌な顔ひとつもしない。
「まあ。俺は『王』だしな」
「しゃーねぇっちゃ、しゃーねぇが。だからって、ゲイリッシュはやり過ぎな気もするがな?」
「そうは言うが。……うちの娘を思うと、否定しきれん部分を感じる」
「……まあな」
まだまだ学園に入りたての、リュカルドんとこの嬢ちゃんと……『麗しのネルヴィス』って通り名のある近衛騎士団隊長のネルとの婚約。
あれも……ある意味、ぶっ飛んでいるがな?
とは言え、歳の差だけで言えばゲイリッシュらの方がはるかにやべぇ。
俺は焼けた生地を、生活魔法を使って粗熱を取ることにした。
「好きになったのであれば、仕方ないだろう」
「……けどなあ。やっぱり、こう」
「うん?」
「ネルの時も驚いたが……なんか犯罪っぽく思わないか?」
「……言うな」
そこはやっぱ、リュカルドも触れておきたくなかったのだろう。
並んで俺んとこに挨拶来たが……めちゃくちゃ凸凹な体格差だぜ?
男女のそう言う事情も込みで、色々ツッコミたかった!
こいつら大丈夫なのかと!!
とは言っても、本人らの意思は尊重したいとこもあったから……『おめでとう』とは一応言ったがな?
「……よし。こっちはいいな」
考えてても仕方ないんで、ケーキ作りを再開させたが。
イツキにも色々教わったが、『ウェディングケーキ』と言うのは奥深い。
単純な焼き菓子のケーキより、クリームと甘くした果物を使うとこも面白いんだ。今回は、イツキがスイードの嬢ちゃん宛に、アーネストの坊とこの妹と先に生クリームのケーキは贈ったと言うことで。
同じクリーム系でも、チョコレートを使った派手なウェディングケーキを作ろうとしていた。だから、土台の生地も茶色い。
リュカルドの生クリームにも、溶かしたチョコレートを混ぜる予定だ。
そこはまだいい。
問題は相手との歳の差だ。
好きになった奴が……暗部の現在幹部のひとり。
まだガキを卒業したばっかの嬢ちゃんだ。だから、三十代の俺らにとっちゃ……ギリギリ親子くらい離れてると言ってもいい。
とは言え、お互い想い合ってでの結婚決めたんなら……俺だって口は挟めないがな?
「……とうとうか」
「俺らん中じゃ、お前さんが早かったな。リュカルド」
俺は今、もうひとりの悪友であるリュカルドと居る。と言っても、ただ世間話をしているわけじゃねぇ。
駄弁りながら、手は動かしている。カードゲームとかではなく、『料理』をしている。
と言っても、菓子作りだが。
俺の養女……妊娠して、まかない番は休職中のイツキが教えてくれた『ウェディングケーキ』を作ってんだ。
リュカルドは国王だが、俺の悪友であるし……イツキと関わったおかげで料理にも意欲的だ。こいつの家族も漏れなくイツキの影響を大に受けている。
だから、リュカルドも料理するのを嫌と思ってねぇらしい。
今はひたすら、生クリームを泡立たせてもらってるが嫌な顔ひとつもしない。
「まあ。俺は『王』だしな」
「しゃーねぇっちゃ、しゃーねぇが。だからって、ゲイリッシュはやり過ぎな気もするがな?」
「そうは言うが。……うちの娘を思うと、否定しきれん部分を感じる」
「……まあな」
まだまだ学園に入りたての、リュカルドんとこの嬢ちゃんと……『麗しのネルヴィス』って通り名のある近衛騎士団隊長のネルとの婚約。
あれも……ある意味、ぶっ飛んでいるがな?
とは言え、歳の差だけで言えばゲイリッシュらの方がはるかにやべぇ。
俺は焼けた生地を、生活魔法を使って粗熱を取ることにした。
「好きになったのであれば、仕方ないだろう」
「……けどなあ。やっぱり、こう」
「うん?」
「ネルの時も驚いたが……なんか犯罪っぽく思わないか?」
「……言うな」
そこはやっぱ、リュカルドも触れておきたくなかったのだろう。
並んで俺んとこに挨拶来たが……めちゃくちゃ凸凹な体格差だぜ?
男女のそう言う事情も込みで、色々ツッコミたかった!
こいつら大丈夫なのかと!!
とは言っても、本人らの意思は尊重したいとこもあったから……『おめでとう』とは一応言ったがな?
「……よし。こっちはいいな」
考えてても仕方ないんで、ケーキ作りを再開させたが。
イツキにも色々教わったが、『ウェディングケーキ』と言うのは奥深い。
単純な焼き菓子のケーキより、クリームと甘くした果物を使うとこも面白いんだ。今回は、イツキがスイードの嬢ちゃん宛に、アーネストの坊とこの妹と先に生クリームのケーキは贈ったと言うことで。
同じクリーム系でも、チョコレートを使った派手なウェディングケーキを作ろうとしていた。だから、土台の生地も茶色い。
リュカルドの生クリームにも、溶かしたチョコレートを混ぜる予定だ。
23
お気に入りに追加
5,498
あなたにおすすめの小説
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
復讐はちゃんとしておりますから、安心してお休みください、陛下
七辻ゆゆ
ファンタジー
「フィオネよ、すまな……かった……」
死の床で陛下はわたくしに謝りました。
「陛下、お気が弱くなっておいでなのですね。今更になって、地獄に落とされるのが恐ろしくおなりかしら?」
でも、謝る必要なんてありません。陛下の死をもって復讐は完成するのですから。
1000歳の魔女の代わりに嫁に行きます ~王子様、私の運命の人を探してください~
菱沼あゆ
ファンタジー
異世界に迷い込んだ藤堂アキ。
老婆の魔女に、お前、私の代わりに嫁に行けと言われてしまう。
だが、現れた王子が理想的すぎてうさんくさいと感じたアキは王子に頼む。
「王子、私の結婚相手を探してくださいっ。
王子のコネで!」
「俺じゃなくてかっ!」
(小説家になろうにも掲載しています。)
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
私が出て行った後、旦那様から後悔の手紙がもたらされました
新野乃花(大舟)
恋愛
ルナとルーク伯爵は婚約関係にあったが、その関係は伯爵の妹であるリリアによって壊される。伯爵はルナの事よりもリリアの事ばかりを優先するためだ。そんな日々が繰り返される中で、ルナは伯爵の元から姿を消す。最初こそ何とも思っていなかった伯爵であったが、その後あるきっかけをもとに、ルナの元に後悔の手紙を送ることとなるのだった…。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。