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番外編
第7話『仕上げも苦戦、ショートケーキ』
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いよいよ仕上げ。
冷却の魔法で、『あらねつ』と言う工程を取ってから……ホイップクリームやシロップ漬けにした果物を使い、『ケーキ』へと仕上げていくとのこと。
「土台のスポンジ生地が熱いと、せっかくのクリームが溶けてしまう上に味なども台無しになってしまうんです」
「……なるほど」
仕上げまで気を遣わなくてはならない。
はじめて、義姉上の料理を作っていただいた時にも感じたが……義姉上の作られる料理はどれもが奥深いものばかり。
剣と違って、瞬時に次の手を考える必要はない。
丁寧に、しかしながら優しく……食べる相手の事を思って、作っていく。その気持ちと気遣いが大事なのだ。
まずは、冷まして横に半分に切ったりしたスポンジ生地に、ホイップクリームを塗っていく工程。
薄くて細長い、金属製のヘラで均一に塗らなくてはならないそうだ。
「厚過ぎず、薄過ぎず……そうです」
「……雪化粧のようです」
表面を塗っただけなのに、そこだけが雪に覆われた地面のようだ。この上に、次はシロップ漬けにした果物と切っただけの苺を乗せ。
さらに、ホイップクリームで果物達を見えないようにたっぷり塗り。その上に生地、またホイップクリームだったが……今度は全体を化粧していくように塗るそうだ。
「多少、凸凹していても構いませんのでたっぷり塗ってください」
「均一ではないのですか?」
「それは後から。まずは、ボウルのクリームを使い切ってください」
と言われたため、たっぷり丁寧に塗り。
全部クリームを塗ってから……ゆっくりゆっくり平らな表面にしていき。余分なクリームはボウルに戻して。
繰り返していくうちに、箱のような形のケーキが出来上がった!
「……これを、私が?」
イツキ義姉上のご協力があっても……自分で手掛けた菓子だとはすぐに信じられなかった。それほど……美し過ぎて。
ただ、これで終わりかと思っていると……義姉上に肩を叩かれた。
「まだです。アイシスさん」
「? まだですか?」
「綺麗に可愛くと言いましたよね?」
「はい。こちらでも十分だと思うのですが」
「いいえ。果物も使いますが……クリームで模様を作っていくんです」
「……模様?」
イツキ義姉上は楊枝などを手にしていて……横の面に、手本の模様を施していった。
まだ……の意味がよくわかるくらい、彫刻のような美しい模様が!!
これは……たしかに、愛らしい。雪原の中に浮かぶ魔法の陣のようにも見えた。道具を扱うことで、描くことが出来るなど……剣ばかり握っていた私には考えはなかった!
「ゆっくりでいいですし、失敗したらヘラで均してやり直しましょう?」
「はい!」
それから、数時間かけて……兄上が帰宅なされるくらいまで、私はケーキの仕上げを頑張るのだった。
出来上がったら、箱詰めして私の亜空間収納に入れて保管。
明日はちょうど、暗部との久々の合同訓練!
スイード殿に、訓練終了後にお渡ししよう!!
冷却の魔法で、『あらねつ』と言う工程を取ってから……ホイップクリームやシロップ漬けにした果物を使い、『ケーキ』へと仕上げていくとのこと。
「土台のスポンジ生地が熱いと、せっかくのクリームが溶けてしまう上に味なども台無しになってしまうんです」
「……なるほど」
仕上げまで気を遣わなくてはならない。
はじめて、義姉上の料理を作っていただいた時にも感じたが……義姉上の作られる料理はどれもが奥深いものばかり。
剣と違って、瞬時に次の手を考える必要はない。
丁寧に、しかしながら優しく……食べる相手の事を思って、作っていく。その気持ちと気遣いが大事なのだ。
まずは、冷まして横に半分に切ったりしたスポンジ生地に、ホイップクリームを塗っていく工程。
薄くて細長い、金属製のヘラで均一に塗らなくてはならないそうだ。
「厚過ぎず、薄過ぎず……そうです」
「……雪化粧のようです」
表面を塗っただけなのに、そこだけが雪に覆われた地面のようだ。この上に、次はシロップ漬けにした果物と切っただけの苺を乗せ。
さらに、ホイップクリームで果物達を見えないようにたっぷり塗り。その上に生地、またホイップクリームだったが……今度は全体を化粧していくように塗るそうだ。
「多少、凸凹していても構いませんのでたっぷり塗ってください」
「均一ではないのですか?」
「それは後から。まずは、ボウルのクリームを使い切ってください」
と言われたため、たっぷり丁寧に塗り。
全部クリームを塗ってから……ゆっくりゆっくり平らな表面にしていき。余分なクリームはボウルに戻して。
繰り返していくうちに、箱のような形のケーキが出来上がった!
「……これを、私が?」
イツキ義姉上のご協力があっても……自分で手掛けた菓子だとはすぐに信じられなかった。それほど……美し過ぎて。
ただ、これで終わりかと思っていると……義姉上に肩を叩かれた。
「まだです。アイシスさん」
「? まだですか?」
「綺麗に可愛くと言いましたよね?」
「はい。こちらでも十分だと思うのですが」
「いいえ。果物も使いますが……クリームで模様を作っていくんです」
「……模様?」
イツキ義姉上は楊枝などを手にしていて……横の面に、手本の模様を施していった。
まだ……の意味がよくわかるくらい、彫刻のような美しい模様が!!
これは……たしかに、愛らしい。雪原の中に浮かぶ魔法の陣のようにも見えた。道具を扱うことで、描くことが出来るなど……剣ばかり握っていた私には考えはなかった!
「ゆっくりでいいですし、失敗したらヘラで均してやり直しましょう?」
「はい!」
それから、数時間かけて……兄上が帰宅なされるくらいまで、私はケーキの仕上げを頑張るのだった。
出来上がったら、箱詰めして私の亜空間収納に入れて保管。
明日はちょうど、暗部との久々の合同訓練!
スイード殿に、訓練終了後にお渡ししよう!!
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