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全員のまかない
第20話 まかない婦のまかない①
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異世界にトリップして……約三年の月日が経ち。
私は今日、大好きな人と大好きな人達の前で結婚式を迎えることになった。
本当のお父さんじゃないけど、異世界での保護者であるワルシュさんが今のお父さんなので……綺麗に着させてもらっているウェディングドレスで、教会以上に大きい大聖堂と言うところの廊下を一緒に歩いている。
去年、ワルシュさんとお義母さんの結婚式の時にも思ったが……ヴァージンロードに例えれる絨毯の部分は、とても長い。
トリップ前に、日本での結婚式に参加した時はすぐだったのに……ここはすごく長いのだ。
旦那さんになってくれるアーネストさんまでのところへはなかなか遠いけど、少しずつ近づくにつれ……参列者の皆さんからの、温かな拍手が見えてきた。
拍手は出来るけど、花嫁に声をかけてはいけないマナーらしく……けど、皆さんはとても笑顔だった。
『『『『『おめでとう、イツキ!!』』』』』
って、声に出していたら……そんな感じが浮かぶくらい。
私は嬉しくて涙が出そうになったけど……結婚式の最中だから我慢した。
そして、アーネストさんが待っているところまで、転けないようにゆっくりゆっくり向かうと。
(……ああ、素敵)
何度か目にしたはずなのに……特別な日であるせいか、騎士服のアーネストさんはとっても素敵でかっこいい。アーネストさんは、凛々しくしていて……ワルシュさんに促されて、私の手を取る仕草ひとつでときめいてしまう。
けど、感動している暇はないので、私もリハーサル通りに……アーネストさんの手を掴み、前を向くことにした。
前の祭壇には、とても素敵なおじいさま……教会の最高司祭様が私達に微笑んでいらっしゃった。
「アーネスト=ハインツベルト殿。イツキ=エイペック殿。これより、成婚の儀式を行わせていただく」
「「はい」」
神父さん以上に、司祭様だなんて日本にいた頃だと海外ウェディングでもあるだろうかと思っていたのに……今、目の前で起きることが信じられない。
でも……手を握っているアーネストさんの体温は本物だ。シルクのような手触りの手袋越しにも、しっかり伝わって来ている。
何度か噛みそうになったが……結婚式は参列者の人々にも見守られながら終わりを迎え。
次は、結婚披露宴パーティーをすることになったのだが。
「……え?」
何故か、ウェディングケーキが二種類あったのだ。形も大きさも当然違うが、何故か二種類。
「イツキ! こっちは料理人達で、こっちが私達が作ったものよ!」
リュシアーノ様がそう説明してくださったが、まだ二種類ある意味がよくわからなかった。
すると、ワルシュさんが礼服を軽く着崩してから答えてくれた。
「そっちはエリオ達が張り切ってな? リュカルド達とのは……まあ、俺が監修した」
「……ケーキをですか?」
「他に思いつかなくてな? まあ、最低ひと口ずつ……あの食べさせ合いしてくれや」
「……はい」
理由が分かってから、私とアーネストさんとの結婚には……たくさんの人達が祝福してくれているんだな、とさらに嬉しくなった。
もちろん、ファーストバイトもきちんと行い……味わいはそれぞれ違ったが、口まわりがクリームだらけになるくらい……とても美味しいケーキ達だった。
私は今日、大好きな人と大好きな人達の前で結婚式を迎えることになった。
本当のお父さんじゃないけど、異世界での保護者であるワルシュさんが今のお父さんなので……綺麗に着させてもらっているウェディングドレスで、教会以上に大きい大聖堂と言うところの廊下を一緒に歩いている。
去年、ワルシュさんとお義母さんの結婚式の時にも思ったが……ヴァージンロードに例えれる絨毯の部分は、とても長い。
トリップ前に、日本での結婚式に参加した時はすぐだったのに……ここはすごく長いのだ。
旦那さんになってくれるアーネストさんまでのところへはなかなか遠いけど、少しずつ近づくにつれ……参列者の皆さんからの、温かな拍手が見えてきた。
拍手は出来るけど、花嫁に声をかけてはいけないマナーらしく……けど、皆さんはとても笑顔だった。
『『『『『おめでとう、イツキ!!』』』』』
って、声に出していたら……そんな感じが浮かぶくらい。
私は嬉しくて涙が出そうになったけど……結婚式の最中だから我慢した。
そして、アーネストさんが待っているところまで、転けないようにゆっくりゆっくり向かうと。
(……ああ、素敵)
何度か目にしたはずなのに……特別な日であるせいか、騎士服のアーネストさんはとっても素敵でかっこいい。アーネストさんは、凛々しくしていて……ワルシュさんに促されて、私の手を取る仕草ひとつでときめいてしまう。
けど、感動している暇はないので、私もリハーサル通りに……アーネストさんの手を掴み、前を向くことにした。
前の祭壇には、とても素敵なおじいさま……教会の最高司祭様が私達に微笑んでいらっしゃった。
「アーネスト=ハインツベルト殿。イツキ=エイペック殿。これより、成婚の儀式を行わせていただく」
「「はい」」
神父さん以上に、司祭様だなんて日本にいた頃だと海外ウェディングでもあるだろうかと思っていたのに……今、目の前で起きることが信じられない。
でも……手を握っているアーネストさんの体温は本物だ。シルクのような手触りの手袋越しにも、しっかり伝わって来ている。
何度か噛みそうになったが……結婚式は参列者の人々にも見守られながら終わりを迎え。
次は、結婚披露宴パーティーをすることになったのだが。
「……え?」
何故か、ウェディングケーキが二種類あったのだ。形も大きさも当然違うが、何故か二種類。
「イツキ! こっちは料理人達で、こっちが私達が作ったものよ!」
リュシアーノ様がそう説明してくださったが、まだ二種類ある意味がよくわからなかった。
すると、ワルシュさんが礼服を軽く着崩してから答えてくれた。
「そっちはエリオ達が張り切ってな? リュカルド達とのは……まあ、俺が監修した」
「……ケーキをですか?」
「他に思いつかなくてな? まあ、最低ひと口ずつ……あの食べさせ合いしてくれや」
「……はい」
理由が分かってから、私とアーネストさんとの結婚には……たくさんの人達が祝福してくれているんだな、とさらに嬉しくなった。
もちろん、ファーストバイトもきちんと行い……味わいはそれぞれ違ったが、口まわりがクリームだらけになるくらい……とても美味しいケーキ達だった。
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