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全員のまかない
第18話 王女のまかない①
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イツキと出会って……三年近くになる。
私の友達。マブダチくらい、親友とも言っていいほどの……ネルとは違う、大好きな女の人。
異世界の転生者と言う事実は、ごく一部しか知らない。
私が転生者であるのももちろんだけど。その事実がきっかけで……私達は年齢を超えた友人になれたのだ。
お互いの……特に、私の恋人であり婚約者になったネルとの仲も取り持ってくれた。
これ以上にないってくらいの恩人だわ……。そんなイツキと、彼女の婚約者となった近衛騎士団の副隊長であるアーネストが、結婚することになった。
結婚だと、私の第一メイドであるサフィアが第一部隊隊長のレクサスと結婚もするけど……イツキへのお祝いはそれ以上になりそう。
だって、王族主催でのウェディングケーキを作っちゃったんだもの!
(……まだ十年近くかあ)
私は現在年齢がもうすぐ十歳でも。
大人のネルと結婚するには、まだまだ適齢期ではない。それに、この世界では王族平民問わずに学園に行く義務教育がある。最低、それが終わらないとネルとは結婚出来ないのだ。
なんで、高校生くらいの年齢で記憶が戻らなかったんだろう?
けど、そうするとネルの年齢を考えれば……どこぞのご令嬢とかと結婚していたかもしれない。
私だけ! と何度もネルは言ってくれるけど……それはその時でないとわからないわ。だから……今があるのは、記憶が戻ったこともだけどイツキもいなきゃ解決出来なかった。
そう思うと……このウェディングケーキは壮大過ぎるわ。
ワルシュの部下である料理人達も作ったらしいけど。
「……大きい」
高さも幅も、今の私サイズ以上だわ。
イツキの養父であるワルシュくらいじゃないかしら?
今作っても、ワルシュの亜空間収納に入れるから賞味期限とか消費期限とかは問題ないけど。私もイツキも、真空状態に等しいその魔法はまだまだ修行途中。
イツキはトリップだから、魔法の概念を覚えるのに大変だもの。飲み込みは早いようだけど、まだまだ生活魔法の応用を頑張っている途中だ。
「先にレクサスとサフィア嬢の婚礼がありますが……イツキのことですから、かなり大きなケーキを作るでしょうね?」
「そうかもしれないわ」
レクサスとは性別を超えた友人だもの。
そのレクサスが結婚となれば、友人として素晴らしい力作を作ること間違い無し。
私の時はどうだろう?
ネルはきっと作ってくれると言っていたけれど。
私が成人した後だから……イツキ達は三十代を越えてしまっている。
生活も大きく変わっているだろう。それでも、イツキの事だから……私とネルのために、作ってくれると思うわ。
(ケーキは作れたけど……料理はワルシュ達が頑張っても、まだ何か)
イツキとアーネストのために……何か出来るかしら?
結婚式はだいたい二ヶ月先。
私が出来る料理と言っても……お菓子もまだまだ要修行中だ。
でも、だけど。
何か出来ないかしら? と考えに考えて。
ネルにも耳打ちすると、彼はにっこり笑ってくれた。
「以前、僕が少し習った料理がありますが……それを、ふたりで作りませんか?」
「あら、なあに?」
「イツキが言うには、スコッチエッグという揚げ物ですが」
「素敵!」
あれなら、アレンジして……ライスコロッケにしてもいいわね? イツキはずっとドレスで疲れているでしょうし……力の付く食べ物がいいはずだもの?
ライスコロッケの方もネルに提案すれば、彼はさらに顔を輝かせてくれた。
私の友達。マブダチくらい、親友とも言っていいほどの……ネルとは違う、大好きな女の人。
異世界の転生者と言う事実は、ごく一部しか知らない。
私が転生者であるのももちろんだけど。その事実がきっかけで……私達は年齢を超えた友人になれたのだ。
お互いの……特に、私の恋人であり婚約者になったネルとの仲も取り持ってくれた。
これ以上にないってくらいの恩人だわ……。そんなイツキと、彼女の婚約者となった近衛騎士団の副隊長であるアーネストが、結婚することになった。
結婚だと、私の第一メイドであるサフィアが第一部隊隊長のレクサスと結婚もするけど……イツキへのお祝いはそれ以上になりそう。
だって、王族主催でのウェディングケーキを作っちゃったんだもの!
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大人のネルと結婚するには、まだまだ適齢期ではない。それに、この世界では王族平民問わずに学園に行く義務教育がある。最低、それが終わらないとネルとは結婚出来ないのだ。
なんで、高校生くらいの年齢で記憶が戻らなかったんだろう?
けど、そうするとネルの年齢を考えれば……どこぞのご令嬢とかと結婚していたかもしれない。
私だけ! と何度もネルは言ってくれるけど……それはその時でないとわからないわ。だから……今があるのは、記憶が戻ったこともだけどイツキもいなきゃ解決出来なかった。
そう思うと……このウェディングケーキは壮大過ぎるわ。
ワルシュの部下である料理人達も作ったらしいけど。
「……大きい」
高さも幅も、今の私サイズ以上だわ。
イツキの養父であるワルシュくらいじゃないかしら?
今作っても、ワルシュの亜空間収納に入れるから賞味期限とか消費期限とかは問題ないけど。私もイツキも、真空状態に等しいその魔法はまだまだ修行途中。
イツキはトリップだから、魔法の概念を覚えるのに大変だもの。飲み込みは早いようだけど、まだまだ生活魔法の応用を頑張っている途中だ。
「先にレクサスとサフィア嬢の婚礼がありますが……イツキのことですから、かなり大きなケーキを作るでしょうね?」
「そうかもしれないわ」
レクサスとは性別を超えた友人だもの。
そのレクサスが結婚となれば、友人として素晴らしい力作を作ること間違い無し。
私の時はどうだろう?
ネルはきっと作ってくれると言っていたけれど。
私が成人した後だから……イツキ達は三十代を越えてしまっている。
生活も大きく変わっているだろう。それでも、イツキの事だから……私とネルのために、作ってくれると思うわ。
(ケーキは作れたけど……料理はワルシュ達が頑張っても、まだ何か)
イツキとアーネストのために……何か出来るかしら?
結婚式はだいたい二ヶ月先。
私が出来る料理と言っても……お菓子もまだまだ要修行中だ。
でも、だけど。
何か出来ないかしら? と考えに考えて。
ネルにも耳打ちすると、彼はにっこり笑ってくれた。
「以前、僕が少し習った料理がありますが……それを、ふたりで作りませんか?」
「あら、なあに?」
「イツキが言うには、スコッチエッグという揚げ物ですが」
「素敵!」
あれなら、アレンジして……ライスコロッケにしてもいいわね? イツキはずっとドレスで疲れているでしょうし……力の付く食べ物がいいはずだもの?
ライスコロッケの方もネルに提案すれば、彼はさらに顔を輝かせてくれた。
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