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全員のまかない

第6話 部下弐のまかない

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 とうとう……の、とうとうだ。

 イツキさんが、ハインツベルト副隊長とご結婚されるのが!!


「……皆さん。どうしますか?」


 俺は今……料理長が不在の中央厨房でにて。

 イツキさんも、あと副料理長も別の食堂厨房にヘルプ行った隙に。

 厨房にいる先輩、同僚や新人料理人らを集めて会合を開いていたんだ。


「そうだね~? イツキちゃんの引っ越しももうすぐだし」

「けど。まかないは続けてくれるから、管理人室はそのままでしょー?」

「料理とかは、俺ら敵わないし……何出来る?」

「お祝い……の品?」

「宝飾関連は、殿下方から贈られるだろうし……何か出来る??」

「「「ないわ~~」」」


 ご結婚してからも、イツキさんはイージアス城の厨房で一緒に料理は出来るし……まかないも変わらず作ってくれることにはなっている。

 けど……でも。

 そんなイツキさんにお世話になりっぱなしではいけない。

 俺らも俺らで……何か考えなくちゃいけないんだけど。

 皆行き着くところは同じで、そこにつまずいてしまうんだ……。


「あ、あの!!」


 とここで、以前つまみ食いでお叱りを受けたカミオが挙手してきた。


「はい、カミオ」

「……み、皆で大きなケーキを、作るのは……どうでしょう、すか?」

「「「「ケーキ??」」」」


 そういえば……イツキさんが何回か。誕生日の時に大きめのケーキを作ってくれたような?

 それを俺達が??

 全員で作るとなると、もっともっと大きなケーキになるだろうけど。


「採用!!」


 これはやるっきゃない!!

 先輩達とかも賛成してくれたので……帰ってきた、副料理長や料理長にも許可をもらい。

 イツキさんには……出来るだけ、こっそりと大きな大きなケーキを作ることにした。

 イツキさんがこれまで作ってくれたのは、丸いホールケーキって言うのだけど。

 俺らは……個別で作ったのを組み合わせやすい、大きな四角のケーキを作ることにした。

 味はシンプルに生クリームのを。

 果物は……イツキさんとハインツベルト様にはアレルギーは特に無いのを確認してあるので。春先で手に入る……これまた果物たっぷりのケーキを作ることに。

 ただ、外側はクリームで覆い……果物は内側のスポンジケーキの間に挟んで。

 それを冷蔵庫ではなく、使える料理人の亜空間収納に仕舞い込めば……溶けることも悪くなることもない。俺も、ミュラーと一緒に亜空間収納を習ったから出来るようになったんだ!

 下っ端卒業したばかりだけど……俺が主催だから、出来なきゃ意味ない!!

 それから……時間はかかったけど、料理人がほぼ勢揃いで作った大きなホールケーキは。

 結婚式のあとのパーティーで……どう並べようか悩むくらいの大きさになってしまった!!?

 料理長と副料理長には『やり過ぎだ!!?』とめちゃくちゃ叱られちゃったよ……。
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