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冒険者のまかない⑩
第4話『作ろう、恵方巻き』②
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ショーユでほとんど味付けしたとは言え……米が多いこれを、どないして食うんやろか?
まさか、被りつくとかないやんな??
「では……こちら、お一人で召し上がっていただきます」
「「「え」」」
「あら、そうなの?」
「ほ……ほんまなん、イツキはん?」
嘘やろ……と思っても、イツキはんはニコニコしながら頷くだけやった。
「太巻きですが、今回の節分行事には縁起が良いとされていますからね? 召し上がっていただく際にも、作法がいくつかあるんです」
「「「「「作法??」」」」」
「声も出さず、笑わずに……願い事をしながら食べ切るんですよ」
異界の節分の作法……よぉ、わからんなあ?
けど……正直言って、面白そうやわ。自分で作ったもんを自分で独り占め出来んのも!
サフィアのも食ってみたかったけど、自分のは好き勝手に作ってしもうたからな?
「……これを、自分だけで?」
なんや、副隊長が色々渋っとるやないか。
不思議に思ったが、イツキはんが食べようと言ったので……自分らは出来上がった『エホウマキ』を持ち上げた。
ずっしりとしていて、けど崩れる事なく持ち上げられた。おそらく、湿ってもノリのお陰やんな? 握り飯とはまた違う感触やわ。
「「「「「「いただきます」」」」」」」
それだけ、全員で言い切ると……まずは端のいびつな部分からかじりつく。
ほんのり甘くて、少し酸っぱい米の風味が堪らん!
かじり進めていくたびに、味付けした魚……ネギトロもやけど、ちょぉ辛くてプチプチした感触がええわ!! なんか、酒のつまみにもしたい感じ……米と合わさると、ちょぉ癖のある風味がやわらぐねん。
(しっかし……黙々と食べ進める感じが)
あかん。
思ったらあかんけど……隊長らはともかく。サフィアが!!?
『ピー』で『ピー』な感じに見えてしまうわ!!?
殿下やイツキはんのはそうは見えんのに!?
(……あ、けど)
よく見たら、隊長らも想像したんか顔がほんのり赤いわ……。
それはさておき、願い事をせなあかんと言うのをすっかり忘れて食べ終えそうになった。
(……サフィアと、はよぉ結婚したいわ)
神様神様。
自分の真摯? な願いを叶えて欲しいねん!!
とりあえず……殿下ら女の子らは自分で作ったお陰かなんとか食べ終えれたんやけど。
終わってから、今度はイツキはんが空炒りした大豆で……イツキはんがやり方を教えてから、殿下が勢いよく自分らに豆をぶつけるのは結構痛かったわ!!?
「いったたた……」
殿下がお元気なのはええことやけど……こんなお転婆な方やったやろうか?
容赦のないぶつけ方に、いくら自分ら近衛騎士でも流石に痛い。
「……ふふ」
だが、サフィアは見ていておかしかったのか……攫いたいくらいに可愛いらしく微笑んでいた。ここが殿下らの前やなかったら、盛大に口付けんのに!!
とまあ、楽しく過ごして数日後。
サフィアは……やっぱり、第一メイドと言うことで。殿下と学園に行くことに、ほぼ決定したらしいわ……。
けんど、年末前のパーティーで告白した通り……いつでも嫁さんには迎えたいで!?
まさか、被りつくとかないやんな??
「では……こちら、お一人で召し上がっていただきます」
「「「え」」」
「あら、そうなの?」
「ほ……ほんまなん、イツキはん?」
嘘やろ……と思っても、イツキはんはニコニコしながら頷くだけやった。
「太巻きですが、今回の節分行事には縁起が良いとされていますからね? 召し上がっていただく際にも、作法がいくつかあるんです」
「「「「「作法??」」」」」
「声も出さず、笑わずに……願い事をしながら食べ切るんですよ」
異界の節分の作法……よぉ、わからんなあ?
けど……正直言って、面白そうやわ。自分で作ったもんを自分で独り占め出来んのも!
サフィアのも食ってみたかったけど、自分のは好き勝手に作ってしもうたからな?
「……これを、自分だけで?」
なんや、副隊長が色々渋っとるやないか。
不思議に思ったが、イツキはんが食べようと言ったので……自分らは出来上がった『エホウマキ』を持ち上げた。
ずっしりとしていて、けど崩れる事なく持ち上げられた。おそらく、湿ってもノリのお陰やんな? 握り飯とはまた違う感触やわ。
「「「「「「いただきます」」」」」」」
それだけ、全員で言い切ると……まずは端のいびつな部分からかじりつく。
ほんのり甘くて、少し酸っぱい米の風味が堪らん!
かじり進めていくたびに、味付けした魚……ネギトロもやけど、ちょぉ辛くてプチプチした感触がええわ!! なんか、酒のつまみにもしたい感じ……米と合わさると、ちょぉ癖のある風味がやわらぐねん。
(しっかし……黙々と食べ進める感じが)
あかん。
思ったらあかんけど……隊長らはともかく。サフィアが!!?
『ピー』で『ピー』な感じに見えてしまうわ!!?
殿下やイツキはんのはそうは見えんのに!?
(……あ、けど)
よく見たら、隊長らも想像したんか顔がほんのり赤いわ……。
それはさておき、願い事をせなあかんと言うのをすっかり忘れて食べ終えそうになった。
(……サフィアと、はよぉ結婚したいわ)
神様神様。
自分の真摯? な願いを叶えて欲しいねん!!
とりあえず……殿下ら女の子らは自分で作ったお陰かなんとか食べ終えれたんやけど。
終わってから、今度はイツキはんが空炒りした大豆で……イツキはんがやり方を教えてから、殿下が勢いよく自分らに豆をぶつけるのは結構痛かったわ!!?
「いったたた……」
殿下がお元気なのはええことやけど……こんなお転婆な方やったやろうか?
容赦のないぶつけ方に、いくら自分ら近衛騎士でも流石に痛い。
「……ふふ」
だが、サフィアは見ていておかしかったのか……攫いたいくらいに可愛いらしく微笑んでいた。ここが殿下らの前やなかったら、盛大に口付けんのに!!
とまあ、楽しく過ごして数日後。
サフィアは……やっぱり、第一メイドと言うことで。殿下と学園に行くことに、ほぼ決定したらしいわ……。
けんど、年末前のパーティーで告白した通り……いつでも嫁さんには迎えたいで!?
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