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忍者のまかない
第1話 陰日向
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勅命を賜った者。
動かない者、動かざる者。
陰は陰に。日向には……出て良くない者と、幼い頃より訓練されていた。
感情を表に出すな。
影は影であれ。
かりそめの思いがあれど、判断を誤っては……いけない。
あの人に……出会うまでは、それが……正しいと思っていた。
(…………何、者?)
今日も今日とて、陛下から……近衛騎士団の副隊長とは別に、個人的な護衛をと勅命を賜ったことで……スイード、は『イツキ=エイペック』を影ながら護衛していた。
ジェイシリアでの一夜云々については……感情を出してはいけないスイード……でも、いけないことだとわかってはいたので、そこは朝まで屋根上で刻が過ぎるのを待った。
以降は、イージアス城に帰還してからも……陰日向、護衛出来る範囲で彼女の周りを護った。心配事がないように思われるが……イツキ、様を拐かす連中がいなくも、ない。
貴族ではないが、清廉とした美しさに可憐さを兼ね備えた容姿。
男なら、一度は触れたいであろう……スイードにはあまりないふくよかな胸部。
料理の腕前は、陛下の鑑定スキルでも判明している『特級料理人』の称号を持つ。
しかし……スイードも知らない、多くの知識でこの国だけでなく、他国……世界を救ってくれた。
お陰で、残飯処理とも言われていたフルコース料理もなくなり、いつでも温かい料理を食堂で口に出来る。
そして……今日。
宮廷料理長であり、養父のワルシュ=エイペック様とご一緒に……海岸に行かれた。スイードも護衛として、もちろん影ながら同行した。
会話はそう多く聞こえないが、義理とは言え親子らしいように仲が良い。信頼関係を築いているのだろう。
『カキ』と言うのを手に入れたい情報は聞いていたが、戦闘経験がなさそうなイツキ様も来て……大丈夫だと思ったが、スイードは目を疑った。
あれが……ワルシュ様ならともかく、料理人の腕前なのかと。
(……うつく、しい)
見目もだが……剣技が、美しかった。
精錬された剣技。
確実に急所を突くためらいの無さ。
身のこなしは、スイードには劣れど……確実に、カキを岩場に打ち落としていく姿が……同じ女であれ、羨ましく思った。
感情をあらわにしてはいけない影が……スイードが、初めてそんなことを思ってしまった。
(……初めて、じゃない)
表で、初めて顔を合わせた……あの生産ギルドでのやり取りの時も。
意味が、わからない……と、スイードは……思った。
報酬が山ほどあるのに、欲しない……イツキ様の心情が。
(……感情、出てしまってる)
影は影。
拾ってくれた、親代わりでもある頭に散々言われ続けていたのに……スイードはどんどんスイードらしくない気がする。
でも、無理もないかもしれない。
興味を……同じ女でも、日の目を見て過ごしている……あの眩しいばかりのイツキ様を見ていると、自分も手を伸ばしたくなるのだ。
(……あ、料理)
考えごとをしていたら、イツキ様達が移動をし始めていた。
耳で内容を聞くと、料理をするらしい。
カキ、は生でも食せるが……焼く様子も見えないし、何をするのだろうか?
スイードは観察する位置を変えて、彼らの上にある木の影から見ることにしたが。
スイードの……まったく知らない料理を作り出したのだった。
動かない者、動かざる者。
陰は陰に。日向には……出て良くない者と、幼い頃より訓練されていた。
感情を表に出すな。
影は影であれ。
かりそめの思いがあれど、判断を誤っては……いけない。
あの人に……出会うまでは、それが……正しいと思っていた。
(…………何、者?)
今日も今日とて、陛下から……近衛騎士団の副隊長とは別に、個人的な護衛をと勅命を賜ったことで……スイード、は『イツキ=エイペック』を影ながら護衛していた。
ジェイシリアでの一夜云々については……感情を出してはいけないスイード……でも、いけないことだとわかってはいたので、そこは朝まで屋根上で刻が過ぎるのを待った。
以降は、イージアス城に帰還してからも……陰日向、護衛出来る範囲で彼女の周りを護った。心配事がないように思われるが……イツキ、様を拐かす連中がいなくも、ない。
貴族ではないが、清廉とした美しさに可憐さを兼ね備えた容姿。
男なら、一度は触れたいであろう……スイードにはあまりないふくよかな胸部。
料理の腕前は、陛下の鑑定スキルでも判明している『特級料理人』の称号を持つ。
しかし……スイードも知らない、多くの知識でこの国だけでなく、他国……世界を救ってくれた。
お陰で、残飯処理とも言われていたフルコース料理もなくなり、いつでも温かい料理を食堂で口に出来る。
そして……今日。
宮廷料理長であり、養父のワルシュ=エイペック様とご一緒に……海岸に行かれた。スイードも護衛として、もちろん影ながら同行した。
会話はそう多く聞こえないが、義理とは言え親子らしいように仲が良い。信頼関係を築いているのだろう。
『カキ』と言うのを手に入れたい情報は聞いていたが、戦闘経験がなさそうなイツキ様も来て……大丈夫だと思ったが、スイードは目を疑った。
あれが……ワルシュ様ならともかく、料理人の腕前なのかと。
(……うつく、しい)
見目もだが……剣技が、美しかった。
精錬された剣技。
確実に急所を突くためらいの無さ。
身のこなしは、スイードには劣れど……確実に、カキを岩場に打ち落としていく姿が……同じ女であれ、羨ましく思った。
感情をあらわにしてはいけない影が……スイードが、初めてそんなことを思ってしまった。
(……初めて、じゃない)
表で、初めて顔を合わせた……あの生産ギルドでのやり取りの時も。
意味が、わからない……と、スイードは……思った。
報酬が山ほどあるのに、欲しない……イツキ様の心情が。
(……感情、出てしまってる)
影は影。
拾ってくれた、親代わりでもある頭に散々言われ続けていたのに……スイードはどんどんスイードらしくない気がする。
でも、無理もないかもしれない。
興味を……同じ女でも、日の目を見て過ごしている……あの眩しいばかりのイツキ様を見ていると、自分も手を伸ばしたくなるのだ。
(……あ、料理)
考えごとをしていたら、イツキ様達が移動をし始めていた。
耳で内容を聞くと、料理をするらしい。
カキ、は生でも食せるが……焼く様子も見えないし、何をするのだろうか?
スイードは観察する位置を変えて、彼らの上にある木の影から見ることにしたが。
スイードの……まったく知らない料理を作り出したのだった。
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