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まかない婦のまかない⑨
第1話 少なからず自覚
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アーネストさんとの、お出かけ。
それ自体は、久しぶりのこともあって嬉しかった。
けど……今回は、ただのお出かけじゃない。
あちこちから『そう言う事』だろうと念を押されたから、私でも意識してしまう。
泊まりがけ。
その言葉に、最初は浮かれまくっていたが……前世は日本人だった、幼い身体である王女様ことリュシアーノ様には呆れられてしまった。いい年をした男女が、何もせずに夜を共にすることがないと。
私は……異世界トリップをする前から……正直言って、経験がなかったからすぐに結びつかなかった。婚約もした男性から、キス以上のことをされるだなんて思ってもいなかったから。
考えれば……婚約してから一年近く経つのに、アーネストさんはとても紳士的で……一度もそう言う雰囲気にならなかった。単に、私がスルーしていたからかもしれないが。
(……それだけ、大事にしてくれているからかな?)
魅力……については、顔はともかく。コンプレックスだった胸では、かなりアーネストさんの好みになっていることは知っている。夏の時、彼のご実家の方々と海に行っただけでも……水着姿で大層慌てていらっしゃったから。
お互いに忙しい……と言うことを理由にしていた部分があっても。深夜のまかないで、ふたり切りになっても……彼から手を出してくることもなかった。
とても穏やかな時間が嬉しかったのは本当だったし……キスだけで、十分満足していた。
体のことについても……いつか、と思っていたのが。実は今日かもしれないと多方面から指摘を受けて、自覚するとなると。
(……い、一応。身なりは整えてきたけど!!?)
今はまだ昼間だし、ホテルらしい宿に行くのもまだだ。
とは言え、私の知名度で街が騒がしくなってしまったのもあって避難していたが。
アーネストさんから、そろそろ行こうと言われたのだ!?
こっそり聞くと、あの忍者のような女の子であるスイードさんが伝えにきてくれて、もう大丈夫とのこと。
なので、次は観劇と言う場所に行こうとエマさん達にお礼を言ってから、お店を出ることにした。
「観劇……舞台ですか?」
「そうだな? イツキはあちらでも見たことがないか?」
「あまり……。けど、タイプが違うものは小さい頃見ていましたね?」
可愛い子供向けの、人形劇やら着ぐるみ劇と言っても通じないだろうが。今は街中だから、異世界用語は無闇に出せない。
アーネストさんも、それをわかっているので……いくらか言葉を濁してくださった。
異世界の演劇だなんて、どんなものか気になったのだけれど。
演目について、ふたりとも思わず引いてしまった。
【王女殿下へ、麗しのネルヴィスが堕ちた理由】
と、大胆な内容が描かれていた。
その看板を見て、私達は思わずUターンしてしまったが。
「……まさか。殿下と隊長のことが」
「……事実、を脚色しまくっているでしょうけど」
「噂を固めまくった内容だろう? 見る必要がない」
となれば、次はどうするか。
とりあえず……公園みたいな場所があるので行こうかと言ってくださった。
それ自体は、久しぶりのこともあって嬉しかった。
けど……今回は、ただのお出かけじゃない。
あちこちから『そう言う事』だろうと念を押されたから、私でも意識してしまう。
泊まりがけ。
その言葉に、最初は浮かれまくっていたが……前世は日本人だった、幼い身体である王女様ことリュシアーノ様には呆れられてしまった。いい年をした男女が、何もせずに夜を共にすることがないと。
私は……異世界トリップをする前から……正直言って、経験がなかったからすぐに結びつかなかった。婚約もした男性から、キス以上のことをされるだなんて思ってもいなかったから。
考えれば……婚約してから一年近く経つのに、アーネストさんはとても紳士的で……一度もそう言う雰囲気にならなかった。単に、私がスルーしていたからかもしれないが。
(……それだけ、大事にしてくれているからかな?)
魅力……については、顔はともかく。コンプレックスだった胸では、かなりアーネストさんの好みになっていることは知っている。夏の時、彼のご実家の方々と海に行っただけでも……水着姿で大層慌てていらっしゃったから。
お互いに忙しい……と言うことを理由にしていた部分があっても。深夜のまかないで、ふたり切りになっても……彼から手を出してくることもなかった。
とても穏やかな時間が嬉しかったのは本当だったし……キスだけで、十分満足していた。
体のことについても……いつか、と思っていたのが。実は今日かもしれないと多方面から指摘を受けて、自覚するとなると。
(……い、一応。身なりは整えてきたけど!!?)
今はまだ昼間だし、ホテルらしい宿に行くのもまだだ。
とは言え、私の知名度で街が騒がしくなってしまったのもあって避難していたが。
アーネストさんから、そろそろ行こうと言われたのだ!?
こっそり聞くと、あの忍者のような女の子であるスイードさんが伝えにきてくれて、もう大丈夫とのこと。
なので、次は観劇と言う場所に行こうとエマさん達にお礼を言ってから、お店を出ることにした。
「観劇……舞台ですか?」
「そうだな? イツキはあちらでも見たことがないか?」
「あまり……。けど、タイプが違うものは小さい頃見ていましたね?」
可愛い子供向けの、人形劇やら着ぐるみ劇と言っても通じないだろうが。今は街中だから、異世界用語は無闇に出せない。
アーネストさんも、それをわかっているので……いくらか言葉を濁してくださった。
異世界の演劇だなんて、どんなものか気になったのだけれど。
演目について、ふたりとも思わず引いてしまった。
【王女殿下へ、麗しのネルヴィスが堕ちた理由】
と、大胆な内容が描かれていた。
その看板を見て、私達は思わずUターンしてしまったが。
「……まさか。殿下と隊長のことが」
「……事実、を脚色しまくっているでしょうけど」
「噂を固めまくった内容だろう? 見る必要がない」
となれば、次はどうするか。
とりあえず……公園みたいな場所があるので行こうかと言ってくださった。
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