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騎士のまかない⑳
第2話『飲めるチーズインハンバーグ』
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それから用意してくれた、『飲めるハンバーグ』と言うものだが。
丸い。
丸いのだ。
ハンバーグと言えば、少しステーキを厚くした程度のものだと認識していなかったのに……これは、全然違う。
まるで、拳のように丸いのだ。そして、手を加えれば崩れてしまいそうな柔らかさが伝わってくる。
「……焼いて、あるのか?」
「はい。浄化した魔猪のお肉を使いました。刻んで調味料などと混ぜ合わせて……表面だけをさっと高温で焼いたんです。中身にも注目してください」
「……中身?」
渡されたフォークとナイフを使えば、それはすぐにわかった。
中身が……俺の大好物だったからだ!!
「伸びやすいチーズを使いました」
イツキの言う通り、どこまでも伸びてしまいそうなほど……糸引きが強いチーズだった。これは急いで食べなくては……と、俺はハンバーグとチーズを口に入れた。
「!!??」
なんだ……?
口に入れた途端……。
チーズはともかく……肉肉しいはずのハンバーグの部分が、ほわっと胡椒などの味を俺に伝えてから……舌の上で溶けた??
もうひと口……と口に入れてもそれは同じで…………たしかに、イツキの言っていたように、まるで飲み物のような舌触りにも感じた。
「ふふ。驚いていらっしゃいますね?」
イツキは楽し気に笑ってから……俺の前に米だけを乗せた皿を置いてくれた。
「米?」
「今の口の中に入れると、また凄いですよ?」
と聞いたら、試さない訳にはいかない!
すぐにフォークで軽くすくって口に入れれば……肉汁で満足していた口の中を洗い、まるで爽やかな風を送ってくれるようだった。後味が、これまでハンバーグにはパンと思っていたのが不正解だと思うくらいに!!
「……すごいな」
これをイツキが作れることもだが……イツキが以前いた異世界ではどれだけ食の文化が豊富だったのだろう。
イツキはもう帰れないと諦めているらしいが……時折、郷愁を思い返していることもある。
だからこそ、婚約者となった俺が……この世界で生涯を終えるまで共に満足する日々を送りたい。今は……食の関係だと俺が満足させられているが。
「ふふ。お粗末様です」
俺の様子を見て、花のように微笑むイツキを……もっと喜ばせてやりたい。
そのひとつに……結婚をすることも、そろそろ考えていなくはないが。
せめて、殿下が学園に行かれるまで待ちたいとは思っている。
殿下の友としても、イツキは必要な存在だからだ。
もうひと口、ハンバーグを食べつつ……俺はお互いの将来を考えられずにはいられない。絆はたしかだが……その心だけでなく、肉体の上でも。
食事中に大変よろしくない考えだが!
何故なら……この柔らかさをつい……一度だけ服越しでも触れてしまった、イツキの胸の感触を思い出してしまったのだから!?
丸い。
丸いのだ。
ハンバーグと言えば、少しステーキを厚くした程度のものだと認識していなかったのに……これは、全然違う。
まるで、拳のように丸いのだ。そして、手を加えれば崩れてしまいそうな柔らかさが伝わってくる。
「……焼いて、あるのか?」
「はい。浄化した魔猪のお肉を使いました。刻んで調味料などと混ぜ合わせて……表面だけをさっと高温で焼いたんです。中身にも注目してください」
「……中身?」
渡されたフォークとナイフを使えば、それはすぐにわかった。
中身が……俺の大好物だったからだ!!
「伸びやすいチーズを使いました」
イツキの言う通り、どこまでも伸びてしまいそうなほど……糸引きが強いチーズだった。これは急いで食べなくては……と、俺はハンバーグとチーズを口に入れた。
「!!??」
なんだ……?
口に入れた途端……。
チーズはともかく……肉肉しいはずのハンバーグの部分が、ほわっと胡椒などの味を俺に伝えてから……舌の上で溶けた??
もうひと口……と口に入れてもそれは同じで…………たしかに、イツキの言っていたように、まるで飲み物のような舌触りにも感じた。
「ふふ。驚いていらっしゃいますね?」
イツキは楽し気に笑ってから……俺の前に米だけを乗せた皿を置いてくれた。
「米?」
「今の口の中に入れると、また凄いですよ?」
と聞いたら、試さない訳にはいかない!
すぐにフォークで軽くすくって口に入れれば……肉汁で満足していた口の中を洗い、まるで爽やかな風を送ってくれるようだった。後味が、これまでハンバーグにはパンと思っていたのが不正解だと思うくらいに!!
「……すごいな」
これをイツキが作れることもだが……イツキが以前いた異世界ではどれだけ食の文化が豊富だったのだろう。
イツキはもう帰れないと諦めているらしいが……時折、郷愁を思い返していることもある。
だからこそ、婚約者となった俺が……この世界で生涯を終えるまで共に満足する日々を送りたい。今は……食の関係だと俺が満足させられているが。
「ふふ。お粗末様です」
俺の様子を見て、花のように微笑むイツキを……もっと喜ばせてやりたい。
そのひとつに……結婚をすることも、そろそろ考えていなくはないが。
せめて、殿下が学園に行かれるまで待ちたいとは思っている。
殿下の友としても、イツキは必要な存在だからだ。
もうひと口、ハンバーグを食べつつ……俺はお互いの将来を考えられずにはいられない。絆はたしかだが……その心だけでなく、肉体の上でも。
食事中に大変よろしくない考えだが!
何故なら……この柔らかさをつい……一度だけ服越しでも触れてしまった、イツキの胸の感触を思い出してしまったのだから!?
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