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王女のまかない⑨
第3話『マロングラッセ丸ごとモンブラン』①
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自分で言い出したけれど……結構大変な作業ばかりだった。
ショリ……ショリ。
出来るだけ、小さなペティナイフって言う果物ナイフみたいなもので……私は手袋をしながら、ネルの魔法で熟成させた栗の外側。鬼皮を剥いていたわ。
収穫の時も、ちょっと固かったのに熟成を進めさせたらより一層固くなったの。イツキは最初やめておいた方がいいと言ってくれたが、意地とは違うけど何もしないでご褒美を待つのが嫌だった。
今は王女だからって、苦労を知らないまま……蝶よ花よと育てられるのはごめんだ。将来は他国へお嫁に行くんじゃなく、ネルのお嫁さんになるんだもの。ネルの夢は、大将軍だから……フォロー出来ることは奥さんとしてはしてみたい。
特に、体を動かす人は食事面でも気遣わなきゃいけないって、日本人だった前世では社会人の時に耳にタコが出来るくらい聞かされ続けていた。
その知識が蘇って、これから役に立つのなら同じ日本出身だったイツキにも教わりたいのだ。
とにかく、私は子供の体なので、ゆっくり落ち着いてと注意されてから……イツキの見本を見て、自分で鬼皮を剥いてみる。結構固くて、破けてはいないが手袋に何度も当たった。
「やらせて。自分でもちゃんとしたいの」
と、イツキやネル達にお願いして続けさせてもらった。ちょっとずつだけど、鬼皮が何とか剥けてきたら……イツキに確認してもらい、合格点をもらえたら次を剥いていく。
アーネストやネルも手間取っていたけど、私より手が大きいから、私より早い。
イツキの方がもっと早かったわ……。シュッ、シュッって綺麗な動作でサクッと鬼皮を剥いていったもの。この世界では、特級料理人って特典がついているらしいが……そのせいか、もともとイツキの調理レベルがチートなのか。
羨ましいけど、私は私だと言い聞かせて、ちまちまと自分の栗を剥いていく。
終わったら、イツキが少し前に作ったと言う梨のシャーベットを出してくれたわ。
「思った以上に爽やかですね!」
「あまり甘過ぎないな!」
「美味しい!!」
コンビニアイスの梨シャーベットより、段違いに美味しい。甘過ぎず、薄過ぎず、さっぱりしていて食べやすいのだった。
「さて、皆さんに頑張っていただいた栗のお菓子は、明日には出来ます。本当にお疲れ様でした」
「イツキ。僕の魔法はもう必要ないのでしょうか?」
「うーん。時短すると言うより、甘みを浸透させたいので……私なりの作り方にさせてください。あと、これ以上頑張ると皆さんのお夕飯に間に合いませんし」
会場として使っていたのは、離宮にある簡易厨房。
外に面する灯り窓から差し込む光は……夕焼けの赤い色だったわ。
「ずーっと缶詰してたら、お父様達に流石に怒られるわ……」
「ええ。なので、明日のおやつの時間にこちらにお持ちします」
「待ってるわ!」
もっと手伝いたかったけど……イツキがそう言うので肉体労働についてはこれまでにすることにした。
ショリ……ショリ。
出来るだけ、小さなペティナイフって言う果物ナイフみたいなもので……私は手袋をしながら、ネルの魔法で熟成させた栗の外側。鬼皮を剥いていたわ。
収穫の時も、ちょっと固かったのに熟成を進めさせたらより一層固くなったの。イツキは最初やめておいた方がいいと言ってくれたが、意地とは違うけど何もしないでご褒美を待つのが嫌だった。
今は王女だからって、苦労を知らないまま……蝶よ花よと育てられるのはごめんだ。将来は他国へお嫁に行くんじゃなく、ネルのお嫁さんになるんだもの。ネルの夢は、大将軍だから……フォロー出来ることは奥さんとしてはしてみたい。
特に、体を動かす人は食事面でも気遣わなきゃいけないって、日本人だった前世では社会人の時に耳にタコが出来るくらい聞かされ続けていた。
その知識が蘇って、これから役に立つのなら同じ日本出身だったイツキにも教わりたいのだ。
とにかく、私は子供の体なので、ゆっくり落ち着いてと注意されてから……イツキの見本を見て、自分で鬼皮を剥いてみる。結構固くて、破けてはいないが手袋に何度も当たった。
「やらせて。自分でもちゃんとしたいの」
と、イツキやネル達にお願いして続けさせてもらった。ちょっとずつだけど、鬼皮が何とか剥けてきたら……イツキに確認してもらい、合格点をもらえたら次を剥いていく。
アーネストやネルも手間取っていたけど、私より手が大きいから、私より早い。
イツキの方がもっと早かったわ……。シュッ、シュッって綺麗な動作でサクッと鬼皮を剥いていったもの。この世界では、特級料理人って特典がついているらしいが……そのせいか、もともとイツキの調理レベルがチートなのか。
羨ましいけど、私は私だと言い聞かせて、ちまちまと自分の栗を剥いていく。
終わったら、イツキが少し前に作ったと言う梨のシャーベットを出してくれたわ。
「思った以上に爽やかですね!」
「あまり甘過ぎないな!」
「美味しい!!」
コンビニアイスの梨シャーベットより、段違いに美味しい。甘過ぎず、薄過ぎず、さっぱりしていて食べやすいのだった。
「さて、皆さんに頑張っていただいた栗のお菓子は、明日には出来ます。本当にお疲れ様でした」
「イツキ。僕の魔法はもう必要ないのでしょうか?」
「うーん。時短すると言うより、甘みを浸透させたいので……私なりの作り方にさせてください。あと、これ以上頑張ると皆さんのお夕飯に間に合いませんし」
会場として使っていたのは、離宮にある簡易厨房。
外に面する灯り窓から差し込む光は……夕焼けの赤い色だったわ。
「ずーっと缶詰してたら、お父様達に流石に怒られるわ……」
「ええ。なので、明日のおやつの時間にこちらにお持ちします」
「待ってるわ!」
もっと手伝いたかったけど……イツキがそう言うので肉体労働についてはこれまでにすることにした。
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