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王妃のまかない⑤
第3話『あったか白玉汁粉』
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それからお茶を飲みながら待っていると……イツキがワゴンを押しながら戻ってきた。
「大変お待たせ致しました」
ワゴンに乗っていたのは、食器以外に少し大きめの鍋。それからは、甘く優しい匂いがしてきたわ。
「イツキ! おやつってそのお鍋の中にあるの??」
リュシアーノが駆け寄ると、イツキは厭うこともなく首を縦に振ってくれた。
「はい。こちらがお汁粉ですよ? こし餡をちょうど仕込んでいたので、簡易的に仕上げてしまいましたが」
「オシルコ……」
「具材はヘルミーナ様ご希望のお餅と似た白玉団子です」
「ダンゴ……東方大陸の菓子か?」
「はい、陛下。食べ過ぎなければ、ヘルミーナ様でも大丈夫です」
「そうか」
アンコ、と言うのは……ウスカワマンジュウを食べた時にもあったわ。内側の少し黒いような、見た目は美しく……舌触りが滑らかな食べ物。
あれをどう食べるのかしら?
イツキは汁物……と言っていたけど、あの塊をスープにだなんてどうするのだろうか??
「よそいますね?」
鍋の蓋を開けると、より一層甘くて優しい匂いが部屋に広がっていく。とても……芳しい。まるで、適度なぬるま湯のお風呂に浸かったようだわ。
イツキが鍋から少し厚手の木の器に入れるとだけで、飾り付けなどが特にない。そのシラタマと言うのはあたためて大丈夫なダンゴなのか。
「いい匂い~!」
私達はイツキが配膳してくれるのをテーブルの前で待っていた。陛下から順に置いてくれると……事前にウスカワマンジュウを食べていなければ、食べ物に見えない中身だったわ。
けれど、間近で匂う香りはやはり極上!
「……イツキ。この黒いのが??」
「そちらは小豆と言う赤い豆を煮込んで、砂糖をメインに味付けしたものです。白い丸のが白玉団子ですよ」
「……赤い豆を煮込むとこうなるのか?」
「小豆に関してはですが。私の故郷だとおかゆにも少し混ぜたりしていましたね?」
「ほう?」
とにかく、早く食べたいと私やリュシアが陛下を見つめると……陛下は苦笑いされて、食べようと言ってくださった。
せっかくのモチに似たダンゴもだけど、先にスープから……スプーンで口に入れるとちょうどいい温もりに加え、優しい豆の味がした。しかし、豆の歯応えとかが一切ない。
「美味いな……。豆を甘く煮るのもだが、風味が良い」
陛下も気に入られたようで、次……次と口に入れていかれたわ。
「シラタマも美味しいわ!」
リュシアはもうダンゴを堪能しているようで、ゆっくりとしっかり噛んでいた。なので、私もシラタマダンゴをすくうと……つるんとして、一度スプーンから落ちたが、ゆっくりすくえばなんとか口に運べた。
「……ああ」
求めていた食感。
ウスカワマンジュウよりも、濃いアンコの風味が強く感じて口いっぱいに広がっていくわ!?
モチのような、それでいて噛み応えのあるダンゴの食感も楽しい!!
もっと……もっと、と思っても私はジェラルドや自分のためには制限しなくてはいけない。
「あと二個くらいですよ?」
「……わかったわ」
夫と娘がいっぱい食べている側で、少ししか食べられないのは非常に残念だった!!
「大変お待たせ致しました」
ワゴンに乗っていたのは、食器以外に少し大きめの鍋。それからは、甘く優しい匂いがしてきたわ。
「イツキ! おやつってそのお鍋の中にあるの??」
リュシアーノが駆け寄ると、イツキは厭うこともなく首を縦に振ってくれた。
「はい。こちらがお汁粉ですよ? こし餡をちょうど仕込んでいたので、簡易的に仕上げてしまいましたが」
「オシルコ……」
「具材はヘルミーナ様ご希望のお餅と似た白玉団子です」
「ダンゴ……東方大陸の菓子か?」
「はい、陛下。食べ過ぎなければ、ヘルミーナ様でも大丈夫です」
「そうか」
アンコ、と言うのは……ウスカワマンジュウを食べた時にもあったわ。内側の少し黒いような、見た目は美しく……舌触りが滑らかな食べ物。
あれをどう食べるのかしら?
イツキは汁物……と言っていたけど、あの塊をスープにだなんてどうするのだろうか??
「よそいますね?」
鍋の蓋を開けると、より一層甘くて優しい匂いが部屋に広がっていく。とても……芳しい。まるで、適度なぬるま湯のお風呂に浸かったようだわ。
イツキが鍋から少し厚手の木の器に入れるとだけで、飾り付けなどが特にない。そのシラタマと言うのはあたためて大丈夫なダンゴなのか。
「いい匂い~!」
私達はイツキが配膳してくれるのをテーブルの前で待っていた。陛下から順に置いてくれると……事前にウスカワマンジュウを食べていなければ、食べ物に見えない中身だったわ。
けれど、間近で匂う香りはやはり極上!
「……イツキ。この黒いのが??」
「そちらは小豆と言う赤い豆を煮込んで、砂糖をメインに味付けしたものです。白い丸のが白玉団子ですよ」
「……赤い豆を煮込むとこうなるのか?」
「小豆に関してはですが。私の故郷だとおかゆにも少し混ぜたりしていましたね?」
「ほう?」
とにかく、早く食べたいと私やリュシアが陛下を見つめると……陛下は苦笑いされて、食べようと言ってくださった。
せっかくのモチに似たダンゴもだけど、先にスープから……スプーンで口に入れるとちょうどいい温もりに加え、優しい豆の味がした。しかし、豆の歯応えとかが一切ない。
「美味いな……。豆を甘く煮るのもだが、風味が良い」
陛下も気に入られたようで、次……次と口に入れていかれたわ。
「シラタマも美味しいわ!」
リュシアはもうダンゴを堪能しているようで、ゆっくりとしっかり噛んでいた。なので、私もシラタマダンゴをすくうと……つるんとして、一度スプーンから落ちたが、ゆっくりすくえばなんとか口に運べた。
「……ああ」
求めていた食感。
ウスカワマンジュウよりも、濃いアンコの風味が強く感じて口いっぱいに広がっていくわ!?
モチのような、それでいて噛み応えのあるダンゴの食感も楽しい!!
もっと……もっと、と思っても私はジェラルドや自分のためには制限しなくてはいけない。
「あと二個くらいですよ?」
「……わかったわ」
夫と娘がいっぱい食べている側で、少ししか食べられないのは非常に残念だった!!
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