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令嬢のまかない
第2話 ハインツベルト家の女性
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お話をする場所は、ラウルの寝室となった。ラウルはいつ寝てもおかしくはないからと、母上が決めたことだ。それに、イツキ殿はラウルが可愛くて仕方がないらしく、義姉上が抱えていると……抱っこをしたい様子が窺えた。
「ふふ、赤児はお好き?」
「は……はい。私、故郷にいた時はあんまり赤ちゃんを抱っこする機会がなくて」
「そうなの? あなたくらいの年頃の女性だと、多いような」
「私は……市井で働いていたせいでしょうか? あまり言い寄られることもなかったですし。その……アーネストさんと出会うまでは、恋愛事にあまり興味がなくて」
「と言うことは……うちの愚息とは、そういう関係を望んでいるの!?」
「ふぇ!?」
「……母上」
義姉上や私同様に、イツキ殿が気に入られたとは言え話が飛躍し過ぎているような……。
しかし、イツキ殿の外見から見ると、義姉上とそこまで変わらない。であれば、女に縁のなかったアーネスト兄上に嫁ぐにも問題はないはず。
だが、兄上は今日イツキ殿をお連れになられてもその提案などはなかった。
とりあえず、イツキ殿が盛大に真っ赤になっているので義姉上と母上はクスクスと笑われていたが。
「そんなことはないでしょう? 特に……そのお・む・ね!! どう言う食事をなさったらそこまでなるの!!?」
たしかに。母上のおっしゃる通りに……イツキ殿の胸は凶悪的に大きい!? 私だなんて、そこそこ大きいと思っていたのが霞むくらいに!!
見比べても、それがよくわかった。
「えっと……至って普通ですが。そうですね……好みの食材にもよるんですが」
「「うんうん!!」」
義姉上はともかく、母上も気になされるとは……これ以上家族が増える事態は避けていただきたい!? 歳の離れた子供は私だけで充分!!
「大豆を加工したものとか、ザクロ……鶏肉にチーズ。あとアボカドも」
「「「アボカド??」」」
他はわかったが、その食材はなんなのだろうか??
イツキ殿はこちらを見て、ぽかんと口を開けていらしたが。
「え……アボカド、ないんですか??」
「どんな食材なのかしら??」
「えっと……黒くて少し硬い皮がある、ラフランスのような外見の果物です。ですが、果物よりもお料理に使われることが多いんですよ?」
「「「…………知らない」」」
しかしながら、それはどうやらイツキ殿の大好物でいらっしゃるようだ。私は胸の発育についてはあまり気にしない方だが、美味なる食材についてなら話は別!!
「イツキ殿!! それは市井には多い食材ですか!?」
私が飛びつくように聞きにいくと、イツキ殿は少し困ったように首を傾げられた。
「どうでしょう?? 私……の故郷では多いんですが、少し高価な食材でしたので、あるかどうか」
「…………でしたら、イツキさん? この屋敷の厨房を見てくださらない?」
「母上?」
「お義母様??」
「その食材……とても気になるの!!」
と、母上のお願いでイツキ殿に厨房を見ていただくことになり……なら、とイツキ殿はラウルを少しの間あやすことで了承してくださった。
「ふふ、赤児はお好き?」
「は……はい。私、故郷にいた時はあんまり赤ちゃんを抱っこする機会がなくて」
「そうなの? あなたくらいの年頃の女性だと、多いような」
「私は……市井で働いていたせいでしょうか? あまり言い寄られることもなかったですし。その……アーネストさんと出会うまでは、恋愛事にあまり興味がなくて」
「と言うことは……うちの愚息とは、そういう関係を望んでいるの!?」
「ふぇ!?」
「……母上」
義姉上や私同様に、イツキ殿が気に入られたとは言え話が飛躍し過ぎているような……。
しかし、イツキ殿の外見から見ると、義姉上とそこまで変わらない。であれば、女に縁のなかったアーネスト兄上に嫁ぐにも問題はないはず。
だが、兄上は今日イツキ殿をお連れになられてもその提案などはなかった。
とりあえず、イツキ殿が盛大に真っ赤になっているので義姉上と母上はクスクスと笑われていたが。
「そんなことはないでしょう? 特に……そのお・む・ね!! どう言う食事をなさったらそこまでなるの!!?」
たしかに。母上のおっしゃる通りに……イツキ殿の胸は凶悪的に大きい!? 私だなんて、そこそこ大きいと思っていたのが霞むくらいに!!
見比べても、それがよくわかった。
「えっと……至って普通ですが。そうですね……好みの食材にもよるんですが」
「「うんうん!!」」
義姉上はともかく、母上も気になされるとは……これ以上家族が増える事態は避けていただきたい!? 歳の離れた子供は私だけで充分!!
「大豆を加工したものとか、ザクロ……鶏肉にチーズ。あとアボカドも」
「「「アボカド??」」」
他はわかったが、その食材はなんなのだろうか??
イツキ殿はこちらを見て、ぽかんと口を開けていらしたが。
「え……アボカド、ないんですか??」
「どんな食材なのかしら??」
「えっと……黒くて少し硬い皮がある、ラフランスのような外見の果物です。ですが、果物よりもお料理に使われることが多いんですよ?」
「「「…………知らない」」」
しかしながら、それはどうやらイツキ殿の大好物でいらっしゃるようだ。私は胸の発育についてはあまり気にしない方だが、美味なる食材についてなら話は別!!
「イツキ殿!! それは市井には多い食材ですか!?」
私が飛びつくように聞きにいくと、イツキ殿は少し困ったように首を傾げられた。
「どうでしょう?? 私……の故郷では多いんですが、少し高価な食材でしたので、あるかどうか」
「…………でしたら、イツキさん? この屋敷の厨房を見てくださらない?」
「母上?」
「お義母様??」
「その食材……とても気になるの!!」
と、母上のお願いでイツキ殿に厨房を見ていただくことになり……なら、とイツキ殿はラウルを少しの間あやすことで了承してくださった。
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