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料理長のまかない②
第3話『たぬきおにぎりで茶漬け』②
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もう一杯いるかとリュカルドに聞くと、いると言ったので二杯目は少し変わり種を入れることにした。
プラムのピクルス。
先代の料理長が趣味で漬け込んで放っておいたものを、これもイツキが引っ張り出して使いたいと言い出したのだ。
『酸っぱ過ぎて食えるもんじゃねーぞ??』
『梅干しはそれがいいところなんですよ! 栄養もたくさんあるんです!』
んで、最初に食わせてくれたのがオニギリ。酸味は当然あるが、白くて柔らかい粒と一緒に食うと酸味が柔らかくなった気がした。
つーか、もっと食いたい衝動に駆られた。んで、チャヅケやパスタとかにも使えると聞いて食わせてもらったが……どいつもめっちゃ上手かった。だもんで、プラムのピクルスの使い勝手を改めることにした。
イツキは『ウメボシ』と呼んでいたピクルスを手で割いてもいいが、包丁で切り込みを入れて表面を剥ぎ。タネを抜いて外側だけを使う。リュカルドもいるから二個使うことにした。タネは別で使えるとイツキが言っていたから取って置く。
表面を包丁で出来るだけペーストにしたら……さっきとほとんど同じ調理法でチャヅケを用意して、オニギリの上にペーストを少し乗せておく。
出来上がった器を持ってリュカルドのとこに戻った。
「ちぃっと味付けを変えてみた」
「? 見た目はあまり変わらないが。この赤いのがか??」
「プラムのピクルスだ。先代が放って置いたもんを、イツキが見つけて使い方を俺らに教えてくれたんだ。美味いぜ?」
「……ほう」
「そのまま食うと結構酸っぱいから混ぜて一緒に食え」
「ああ」
俺もスプーンでぐちゃぐちゃになるまで混ぜてから食うと、やっぱイツキに教わった時のように強烈な酸味がやってきたがオニギリと一緒だとあまり気にならない。
逆にピクルス特有の酸っぱさがあっても、酢を使ったわけじゃないらしいからキツい匂いはしねぇ。メンツユとも相性がいいし、むしろペーストとして合わさることで……また一級品のスープともなる。
(イツキは……東方大陸の茶で作れるとも言っていたが)
アーネストの坊には作ってやっただろうが……ピクルスの使い勝手がこんなに増えると思わなかったぜ。
「美味い!? 酸っぱいが……爽やかで、スープとも合う!?」
「うめぇだろ?」
「ピクルスを米と……しかし、このピクルスは少しだけ甘いな?」
「プラムのだからなあ?」
「果実をあえて……か。先代はどうしてそのようなものを」
「一度、イツキと会わせていいかもな?」
気が合い過ぎて、料理談義が盛り上がりそうなのは予想が出来るが。
「イツキ……か。アーネストとの事で噂が飛びかっているな。式典の時には、ふたりがもし異論がなければ婚約発表も兼ねたいが」
「坊がつめがあめぇからなあ?」
帰りはともかく、行きで盛大に自分の恋人だと堂々と門番に言うか??
あれのせいで、俺にまで問い合わせが来たんだよな!?
プラムのピクルス。
先代の料理長が趣味で漬け込んで放っておいたものを、これもイツキが引っ張り出して使いたいと言い出したのだ。
『酸っぱ過ぎて食えるもんじゃねーぞ??』
『梅干しはそれがいいところなんですよ! 栄養もたくさんあるんです!』
んで、最初に食わせてくれたのがオニギリ。酸味は当然あるが、白くて柔らかい粒と一緒に食うと酸味が柔らかくなった気がした。
つーか、もっと食いたい衝動に駆られた。んで、チャヅケやパスタとかにも使えると聞いて食わせてもらったが……どいつもめっちゃ上手かった。だもんで、プラムのピクルスの使い勝手を改めることにした。
イツキは『ウメボシ』と呼んでいたピクルスを手で割いてもいいが、包丁で切り込みを入れて表面を剥ぎ。タネを抜いて外側だけを使う。リュカルドもいるから二個使うことにした。タネは別で使えるとイツキが言っていたから取って置く。
表面を包丁で出来るだけペーストにしたら……さっきとほとんど同じ調理法でチャヅケを用意して、オニギリの上にペーストを少し乗せておく。
出来上がった器を持ってリュカルドのとこに戻った。
「ちぃっと味付けを変えてみた」
「? 見た目はあまり変わらないが。この赤いのがか??」
「プラムのピクルスだ。先代が放って置いたもんを、イツキが見つけて使い方を俺らに教えてくれたんだ。美味いぜ?」
「……ほう」
「そのまま食うと結構酸っぱいから混ぜて一緒に食え」
「ああ」
俺もスプーンでぐちゃぐちゃになるまで混ぜてから食うと、やっぱイツキに教わった時のように強烈な酸味がやってきたがオニギリと一緒だとあまり気にならない。
逆にピクルス特有の酸っぱさがあっても、酢を使ったわけじゃないらしいからキツい匂いはしねぇ。メンツユとも相性がいいし、むしろペーストとして合わさることで……また一級品のスープともなる。
(イツキは……東方大陸の茶で作れるとも言っていたが)
アーネストの坊には作ってやっただろうが……ピクルスの使い勝手がこんなに増えると思わなかったぜ。
「美味い!? 酸っぱいが……爽やかで、スープとも合う!?」
「うめぇだろ?」
「ピクルスを米と……しかし、このピクルスは少しだけ甘いな?」
「プラムのだからなあ?」
「果実をあえて……か。先代はどうしてそのようなものを」
「一度、イツキと会わせていいかもな?」
気が合い過ぎて、料理談義が盛り上がりそうなのは予想が出来るが。
「イツキ……か。アーネストとの事で噂が飛びかっているな。式典の時には、ふたりがもし異論がなければ婚約発表も兼ねたいが」
「坊がつめがあめぇからなあ?」
帰りはともかく、行きで盛大に自分の恋人だと堂々と門番に言うか??
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