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王女のまかない④
第2話 若菜とリュシアーノ
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見たことのない景色……それを知っている。
覚えのない知識……全部知っている。
私は、私。
その逆も、また私。
それが……どうしてだと言うのがわからない。
けれど、現実は現実。
蒼葉若菜と言う日本人だった私は……死んだか何かで、異世界に転生? してしまったと言うことがわかった。
若菜はこんな子供じゃなくて、大人。今の金髪じゃなくて、染めた茶髪。
けど、記憶が蘇った今……私は色々理解してしまったのだ。
「異世界……転生??」
と言うことは、若菜の私は死んだということ?
死んだ記憶は全然ないけど、でなきゃ憑依とか何とかでこのリュシアーノに宿っているわけがない。記憶が蘇っても、相互性とかが狂ったりはしていないようだけど。
「…………一旦寝よう」
これは嘘だ、と思い続けたことからの妄想かもしれない。雑だけど、ドレスを書き物机の椅子に引っ掛けてネグリジェを着てから柔らかいベッドに潜り込んだ。
日本だと高級ホテルとかくらいしかないのが、贅沢に使えるんだなと振り返りながら。…………起きたときも、全部が嘘でないことが分かったんで気落ちしたんだけど!?
(異世界転生?? 私が?? こんな歳で気づいた??)
きっかけはネルの言葉だっただろうけど……あんな綺麗な男の人がロリコンだなんて信じたくないぃ!?
(私、今八歳よ!? あの人二十七歳よ!!? 十九も離れているのよ!!?)
それが二年前に女として見られただなんてぇええ!?
幻滅……は意外とないけど、びっくりドッキリだわ!? 自分のことについてもだけど。
とりあえず、返事はした方がいいかもしれないが……前世の記憶有りの私でも受け入れてくれるのかしら?
だが、勝手なイメージだけど……ファンタジーものの王族って年齢が低くても、婚約者ってあったとしてた気がした。ドラマとか小説の知識くらいだけど。なら、気心知れた相手が良い。
それがネルヴィスなら……あんまり嫌に感じない。けど、そんな勝手な思いだけであの人を縛るのは良くないわ。
「……誰かに相談したいけど」
誰に? 誰に?
と思っても、サフィア達には無理過ぎるし……お父様達にも言えない。
あとは、昨夜会おうとしていたイツキを思い出したが……ふいに、あの人の名前などに疑問を持った。
(イツキって……名前が日本語?? この世界は日本語じゃないけど、普通に話せているし……これまでのご飯だって)
記憶のなかった私には全然わからなかったが、カレーも含めて日本の料理ばかりだ。思い返せば、あの美味し過ぎる料理はとても私の口に合った。私が前世の記憶を蘇ることがなくても、体が覚えていたかもしれない。
「サフィア! いるかしら?」
ベッドから降りて、私は控えているはずのメイドを呼んだ。すぐに、サフィアは扉を開けて入り、私の寝室を見ても特に慌てずに朝の挨拶をしてくれた。
「おはよう御座います、リュシアーノ様」
「おはよう、サフィア。今日のお昼だけど、イツキにお願いして部屋に来てくれるように頼みたいの」
「イツキ殿にですか?」
「色々お話したいことがあるから。お母様達にはなんとか誤魔化しておいて?」
「……かしこまりました」
いつも通りに出来たと思う。
いきなり、大人プラスな性格になるか心配だったけど……もともとませていたから、あんまり疑問には思われなかった。
(イツキのご飯……何かしら?)
とりあえず、それを楽しみに学園入学前のお勉強を頑張ったんだけど……日本の記憶が戻った私には小学生レベルだったわ!!
覚えのない知識……全部知っている。
私は、私。
その逆も、また私。
それが……どうしてだと言うのがわからない。
けれど、現実は現実。
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若菜はこんな子供じゃなくて、大人。今の金髪じゃなくて、染めた茶髪。
けど、記憶が蘇った今……私は色々理解してしまったのだ。
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と言うことは、若菜の私は死んだということ?
死んだ記憶は全然ないけど、でなきゃ憑依とか何とかでこのリュシアーノに宿っているわけがない。記憶が蘇っても、相互性とかが狂ったりはしていないようだけど。
「…………一旦寝よう」
これは嘘だ、と思い続けたことからの妄想かもしれない。雑だけど、ドレスを書き物机の椅子に引っ掛けてネグリジェを着てから柔らかいベッドに潜り込んだ。
日本だと高級ホテルとかくらいしかないのが、贅沢に使えるんだなと振り返りながら。…………起きたときも、全部が嘘でないことが分かったんで気落ちしたんだけど!?
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(私、今八歳よ!? あの人二十七歳よ!!? 十九も離れているのよ!!?)
それが二年前に女として見られただなんてぇええ!?
幻滅……は意外とないけど、びっくりドッキリだわ!? 自分のことについてもだけど。
とりあえず、返事はした方がいいかもしれないが……前世の記憶有りの私でも受け入れてくれるのかしら?
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それがネルヴィスなら……あんまり嫌に感じない。けど、そんな勝手な思いだけであの人を縛るのは良くないわ。
「……誰かに相談したいけど」
誰に? 誰に?
と思っても、サフィア達には無理過ぎるし……お父様達にも言えない。
あとは、昨夜会おうとしていたイツキを思い出したが……ふいに、あの人の名前などに疑問を持った。
(イツキって……名前が日本語?? この世界は日本語じゃないけど、普通に話せているし……これまでのご飯だって)
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「サフィア! いるかしら?」
ベッドから降りて、私は控えているはずのメイドを呼んだ。すぐに、サフィアは扉を開けて入り、私の寝室を見ても特に慌てずに朝の挨拶をしてくれた。
「おはよう御座います、リュシアーノ様」
「おはよう、サフィア。今日のお昼だけど、イツキにお願いして部屋に来てくれるように頼みたいの」
「イツキ殿にですか?」
「色々お話したいことがあるから。お母様達にはなんとか誤魔化しておいて?」
「……かしこまりました」
いつも通りに出来たと思う。
いきなり、大人プラスな性格になるか心配だったけど……もともとませていたから、あんまり疑問には思われなかった。
(イツキのご飯……何かしら?)
とりあえず、それを楽しみに学園入学前のお勉強を頑張ったんだけど……日本の記憶が戻った私には小学生レベルだったわ!!
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